妊娠・出産・産後をケアする妊婦マッサージ

妊娠・出産・産後をケアする妊婦マッサージ

「妊娠中、マッサージは安定期のみに」といわれますが、本書は妊娠確定から分娩、そして産後まで、長いスタンスで妊婦をケアできるよう、セラピストに必要な医学的知識とマッサージテクニックをまとめた専門書です。
安全かつ快適な施術をするための注意事項とともに、妊婦のための施術ベッドのセッティングやドレーピング、安全なポジショニングはもちろん、エフルラージュ(軽擦)、ニーディング(揉捏)ほか、セラピストが本来身に着けている基本的な手技を、妊婦向けにどう調整するかがわかるようになっています。また、普段の施術にディープティシュー・マッサージやトリガーポイント療法などをすでに使っている治療家には、それらをどのように取り入れるかも解説されています。
妊婦との関係性やビジネスとしての考え方まで、妊婦マッサージを行う上で必要なすべての要素を集約。妊婦という新しい患者を開拓するために、またすでに施術をしている治療家にも必携となるマッサージの技術書であり、妊婦と直接接する鍼灸師や、看護師・助産師などの医療関係者にも、妊婦の要望をどう受け止め、対応するべきかの指南となる1冊。

ISBN:978-4-7529-3107-2
著者Carole Osborne
監訳形井秀一
監訳早乙女智子
仕様B5判 303頁
発行年月2014/8/11
3107-2
定価 本体4,200円+税
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目次

序章
第1章 妊婦マッサージに期待できる効果
第2章 妊娠中の一般的なガイドライン、注意点、禁忌
第3章 ポジショニング、ドレーピング、ボディメカニクス他、施術上の配慮
第4章 妊娠各期ごとの推奨事項
[妊婦マッサージとボディワークのテクニックマニュアル]
第5章 出産サポートとしてのマッサージセラピー
[出産マッサージとボディワークのテクニックマニュアル]
第6章 産後の在り方とテクニック
[産後マッサージのテクニックマニュアル]
第7章 特殊なニーズがあるクライアント
第8章 ビジネスとしての留意点
第9章 妊婦マッサージセラピストとして
用語集

ページサンプル

 

 

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監訳者インタビュー

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「いいお産」を様々な面から提唱している産婦人科医師・早乙女智子先生、そして鍼灸マッサージを通して女性の一生をサポートしている形井秀一先生。本書の監訳に際し、お二人が抱いた思いや、特にお勧めの箇所などを伺いました。

――まずは本書について、率直な感想をお聞かせください。

 

早乙女 今まで細切れだった知識を、本書のおかげで「まとめて勉強し直せた」と思います。分娩時のサポートを扱った第5章は、特に興味深かったですね。自己流ですが、私も妊婦さんの腰や背中を分娩時に揉むことがあります。仙腸関節のあたりを押してあげるだけでも、妊婦さんは楽になるし、いい陣痛がついたりします。
  助産師さんや産科の医師にも、ぜひ読んでほしい本です。私の身近に周産期ケアに関心の高い理学療法士がいるので、きっと彼女も興味深く読んでくれると思います。
  実際に分娩サポートをしているマッサージ師さんのグループもいますが、今の日本ではまだ少ないですし、実際、難しいとは思いますが、妊娠期全体を通して、産科以外にも体を見てくれるプロがいると、妊婦さんの妊娠・出産・産後そのものが、全く変わってくるでしょうね。

 

 

――早乙女先生が考える「いいお産」について、お話しをしていただけますか。

 

早乙女 お産には、生む女性の自立心が大切です。病院でのお産が当たり前の時代になってから、多くの女性が分娩台にしばりつけられ、モニターをされ、すぐ点滴を刺されて、いつのまにか医者に「生ませてもらう」という感覚になってしまいました。それは、女性の精神的な自立性を奪ってきたと思っています。21世紀まで、そのスタイルをそのまま続けていいわけがない。女性には、もっと自分の女性としての力を信じてほしいと思います。
  妊娠したということは、妊娠する「力」がある。ならばその力を信じて、「自分が産むんだ」という前向きな気持ちでお産にのぞんでほしいです。最後の最後に、私達「医療」が控えているからね、自信をもってお産に臨んでね、と常々思っているんです(早乙女先生が勤務されている院内では、フリースタイル分娩を積極的に取り入れている)。
  確かに、お産には危険がつきものですが、医師は、妊婦さんにとって本当に必要な時が来たら、出ていけばいい。お産で、どこまで「待っていられるか」というのが、私にとって、お産におけるテーマの1つでもあります。そういう意味で、分娩時のサポートを扱った第5章では、私自身にもできる手技があるのでは、と興味深く読みました。
  きっと、分娩時にマッサージのプロの方がいてくれたら、非常にいいお産になると思います。少なくても妊娠期間からずっとサポートしてもらえたら、妊婦さんも自分の体に対する意識がずっと高まるでしょうね。つらい症状をだまって耐えるのではなく、貴重な妊娠期間を快適に過ごすために、妊婦マッサージを大いに利用してほしいと思います。それに、妊婦さんたちが自分の体の力を信じ、自信が持てるように、彼女たちを支えるセラピストの方達が、もっと増えてくれればいいですね。本書が、そのきっかけになればと思っています。

 

 

――形井先生が注目されたのは、どのあたりでしょうか。

 

形井いろいろありますが、まず、妊娠確定から産後まで、非常に長いスタンスでセラピストができることをまとめているのが、画期的だなと思いました。というのは、今の日本の手技教育では、「妊娠中はマッサージをやらないように」とか、「安定期ならOK」というのが通念のようですから、その意識の違いと具体的な方法を提示したことは、非常に大きいです。
  教科書的には、妊娠して3カ月、分娩前3カ月はやってはいけない。となっています。つまり、マッサージは4カ月間ぐらいしかできないことになります。その間にやれることより、初期と後期にやれることのほうが、実際にはたくさんあります。この本では、妊娠確定時から始まり、お産直前、それに産後のことも扱っている。本書を読むと、不調に苦しんでいる妊婦さんの需要が、日本でも確実にあるはずだということが、よくわかると思います。
  実は、WHOが鍼灸に対しても同じスタンスで、施術によって起こる最大の問題を回避すべきだという意向からでしょうが、妊娠中のごく短い期間に施術をするといっています。ですから、「妊娠期間中は、鍼灸やマッサージはキケン」という、世の短絡的な思え方を変えていくことが、私個人の課題でもあると思っています。それには、もちろん正しい教育が前提なので、この本が果たす役割は非常に大きいと思います。

 

 

――本書で扱っているテクニックについては、どうでしょうか。

 

形井妊娠週数に応じた施術上の注意事項や、妊婦さんの体の見方などがよくわかるので、妊婦マッサージを始めたい人が、十分な知識を得られると思います。マッサージのテクニックとして難しいところもありますが、基本的な手技が多いので、マッサージ師の方なら、うまく修正・応用して、妊婦さんの施術をスタートできるでしょう。
  ディープティシュー・マッサージや筋膜リリースなどのテクニックは、専門書で勉強したほうがいいでしょうが、すでに普段の施術で使っている方なら、妊婦さんにどう応用するか、わかるようになっています。全体を通して、この部位ではやや弱めに、気分が悪くなったらすぐやめるなど、施術上のアドバイスが具体的に書かれていて、非常に実践的です。

 

 

――日米の違いがわかる記述も多いですが、その点はいかがでしょうか。

 

早乙女そういう違いも、お産に関わる側の一人として、知っていたほうがいい知識だと思いました。それに、お産を取り巻く今の日本の社会が、まだここまで到達していない。だからこそ、逆に、参考になる話が多かったですね。

形井そうですね。序章に「出産には村が要る」という言葉があります。最初は意味がわかりませんでしたが、今の日本に欠けているのが、お産を周囲で見守るコミュニティ、かつて「村」「村人」と呼ばれたものでしょうね。おそらく、マッサージ師や医療関係者、妊婦さんを社会的に支える仕組みなど、お産に関わるすべてが、その「村」にあてはまると思います。本書の最初から最後まで、妊婦さんを応援することで、社会をよりよくしたいという著者の真摯な気持ちが感じられました。
  日本のセラピスト向けのテキストは、立派な総論の後は技術論のみだったり、ビジネス的には「おもてなし」に偏りがちです。理論も技術もしっかり入っていて、さらに妊婦さんとの関係性やビジネスとしての考え方まで、これほど実践的に書いている本は今の日本にはないし、今後も出てこないのではないでしょうか。本書を読んで、妊婦さんのサポートを始めてみよう、と思う治療家が増えてほしいと願っています。

妊娠・出産・産後をケアする妊婦マッサージ

●形井秀一(かたい しゅういち)

1951年生まれ。東京農工大学農学部、東洋鍼灸専門学校、筑波大学理療科教員養成施設卒業。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師。医学博士。日本伝統鍼灸学会会長、全日本鍼灸学会参与、日本東洋医学会代議員、日本経絡経穴研究会会長、社会鍼灸学研究会代表、筑波技術大学保健科学部保健学科鍼灸学専攻教授。著書『からだの声を聴く』(医道の日本社)、『治療家の手の作り方』(六然社)、『産婦人科領域の鍼灸治療』(桜雲会)、[共著]『レディース鍼灸』(医歯薬出版)、[編著]『イラストと写真で学ぶ逆子の鍼灸治療』(医歯薬出版)、他。

 

●早乙女智子(さおとめ ともこ)

1961年生まれ。筑波大学医学専門学群卒業。性と健康を考える女性専門家の会会長、公益財団法人JOICFP(ジョイセフ)理事、日本性科学会認定セックスセラピスト、神奈川県立汐見台病院産科副科長。監訳書『避妊ガイドブック』(レオン・スペロフ著/文光堂)、著書『30代、40代はじめての妊娠・出産安心ブック』(永岡書店)、『保健体育のおさらい』(自由国民社)、他。

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