少人数スタッフで開業できる! 治療家のデイサービス

少人数スタッフで開業できる! 治療家のデイサービス

「治療家として、腕に自信がない」「治療院を開業しても、安定した収入を保てるのか」。
誰もが抱くそんな不安を人一倍抱えたある治療家が、介護保険の仕組みとその性質に気づき、治療家としての強みを生かしてデイサービス(通所介護および介護予防通所介護)を開業。悪戦苦闘しつつも軌道にのせ、安定した経営を続けている秘訣を、1冊の本にまとめました。
本書のテーマは、治療家が通所介護事業のメリットを享受しやすい「通所定員10名以下、午前・午後の2回通所、機能訓練(加算)をメインに、スタッフ計3名(条件により4名)で運営できる小規模デイサービス」です。開業までの準備、施設・人員基準はもちろん、高齢者とどう向き合いおつきあいしていくか、現場での貴重な体験をもとに解説。他デイサービスの状況や工夫なども随所で紹介しています。月刊『医道の日本』で反響の大きかった連載『鍼灸マッサージ師による機能訓練型小規模・短時間デイサービス開設マニュアル』(著:鍼灸師デイ普及会)をベースに、改めて全編書き下ろしました!

ISBN:78-4-7529-9015-4
著者福岡俊太郎江川聡
仕様B5判 160頁+カラー口絵
発行年月2012/10/30
9015-4
定価 本体 2,400円+税
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目次

序章 本当は「失敗パターン」だった自分
第1章 さあ、デイサービスを立ち上げよう!
第2章 さあ、準備にとりかかろう!
第3章 さあ、テナントを探しに行こう!

第4章 さあ、営業にでかけよう!      図4-2 営業チラシの例.doc(wordファイル 1MB)

第5章 さあ、はじめての契約に伺おう!
第6章 さあ、スタッフを育てよう!
第7章 さあ、ご利用者さんをお迎えしよう!
第8章 さあ、「対応困難者」に対応しよう!
第9章 さあ、しっかりと謝ろう!
第10章 さあ、書類の山を片付けよう!
第11章 さあ、清く正しいレセプトを出そう!
第12章 さあ、デイサービス経営者の心構えを持とう!
第13章 さあ、デイサービスを増やしていこう!
第14章 さあ、実地調査に対応しよう!
おわりに…まとめにかえて

 

ページサンプル

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著者インタビュー

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「医道の日本」2010年2月号~8月号で連載された「鍼灸マッサージ師による機能訓練型小規模・短時間デイサービス開設マニュアル」(著:鍼灸師デイ普及会)が、全編改めて書き直され、単行本『少人数スタッフで開業できる! 治療家のデイサービス』に生まれ変わりました。本書でデイサービス立ち上げから営業の仕方、経営を軌道にのせ、それを維持していく秘訣を公開した著者の1人、福岡俊太郎先生に、デイサービスにまつわる話をうかがいました。

――福岡先生は現在、訪問医療マッサージ、自費治療院、デイサービス3軒を経営されていらっしゃいますが、経営的に一番安定しているのは、どちらですか?


福岡 「デイサービス」です。現時点で努力の結果がストレートに結果として出てくるのがデイサービスですね。治療院は施術スタッフの個人的な力によるところが大きいので、もしスタッフが変わってしまったら、現在の数字を維持するのも困難だと思います。

 

訪問医療マッサージも経営的には安定しているのですが、参入が容易ということもあり、現在は大手・中小企業も多く、特に個人の事業者数が大幅に増えて競争が激しくなっていいて、気が抜けない状況です。ケアマネさん側も訪問マッサージ治療院の「質の良し悪し」を見る余裕が出てきましたので、淘汰される治療院も出てくるでしょう。

 

デイサービスは、初期投資にある程度の資金が必要なので、参入が難しいと感じる方も多いかもしれませんが、一度軌道に乗れば、後は微調整程度の関わり方で運営できますし、経営的にも最も先が見通しやすい事業だと思います。

――では、経営していくうえで、一番の苦労は?

 

福岡 やはり人事管理です。居酒屋で周りのサラリーマンの話に耳を傾けてみると、話の内容は仕事10%、人事90%ですよ。要は「あいつはどうだ」「こいつはああだ」といった、いわゆる愚痴の類です。

 

弊社のスタッフ1人ひとりは非常に高い能力を持っていると思いますが、人事で失敗してしまうと、彼らもその能力を発揮することができずにフラストレーションがたまってきます。そういった不満や不公平感をいかになくしていくかも経営者の手腕だと思いますし、また人間関係が良好でスタッフ皆が楽しく仕事ができる環境、そういう組織を作り上げれば、仕事が失敗するはずがないと思います。

――一番利益が多いデイサービスにすべてしてしまわず、3つの形態を維持していらっしゃるのは、なぜですか?

 

福岡 現在の治療院、訪問医療マッサージ、デイサービスの3つの事業は、すべて「必要に迫られて」展開してきたからです。まず「治療院」から始めたのですが、経営的な脆弱さを補完するために「訪問医療マッサージ」事業を開始しました。すると、今度は「訪問医療マッサージ」適応外のご利用者さんを抱えたケアマネさんから「こういう方達を何とかしてほしい」というご要望に応えて、「機能訓練型デイサービス」を始めることになりました。

 

デイサービスを始めてからは、そこだけで対応しきれないご利用者さんのご希望に応えるために、あるいは介護度の変化などでデイサービスから離れていったご利用者さんのケアなどに、訪問医療マッサージを利用するケースも増えました。また訪問医療マッサージでケアしている患者さんの状態がよくなって、デイサービスに移行するケースもあります。逆に、デイサービスの待機者の方達のADL低下を防止するために、訪問医療マッサージを利用したり……。このように、訪問医療マッサージと機能訓練型デイサービスは車の両輪のような関係で互いに補完し合っているので、切り離して考えることはできない状態です。

 

治療院は「利益」という面だけからみるとプラスマイナス0という状況ですが、治療家として治療院を維持するということは「いつでも治療ができる」という安心感がありますし、訪問・デイサービスのご利用者さんのご家族や関係者様の治療のご希望に、いつでも応えることができますので、これからも続けていきますし、機会があれば大きくしていきたいといつも考えています。

 

――本の中で、デイサービスの場合、人員配置を満たしていないと介護報酬の算定に関わるので、資格をもっているスタッフに辞められると非常に困ると書かれていますね。ですが、実際にはけっこう独立を応援されているようですね。

 

福岡 十分貢献してくれたスタッフが、どうしても独立したいというなら、奨励するのが人の道ですよね(笑)。スタッフが長期間勤めてくれるというのは非常にありがたいのですが、経営的には「痛し痒し」という部分があります。もともと鍼灸マッサージ業界では、いえ、いわゆる「手に職系・技術系」業界では「独立してナンボ」という伝統がありますよね。わかりやすく言うと、人に使われているうちは収入面で十分な報酬は得られず、独立してはじめて人並みの生活ができるという考え方です。

 

医療・介護保険を主な収入源としている弊社では、物販などの副収入は皆無といっていいので、収入には上限があります。でも、長く勤めてくれるスタッフには、会社に貢献してくれただけの報酬で報いたい。それでデイサービス施設長や訪問部門主任など、役職を作って待遇の改善に取り組んできたのですが、それも無限に作れるわけではありません。何と言っても、経営努力だけでは乗り越えられない「保険収入」という枠があるわけですから。今後もデイサービスを増やしてその枠を増やしたり、他事業の展開という目標はありますが、全員そうしてあげられるかというと、難しいです。本人が独立を望み、私も「もう十分貢献してもらったし、この子なら一人でやっていけるだろう」と思ったら、応援しています。ですが現在、弊社のスタッフの中にも、子供がいて住宅ローンを抱えている人が増えてきました。そういったスタッフの生活のためにも頑張ろうと、いろいろもがいている最中です。

――独立された方とは、その後も交流されているようですね。経営についての情報源ということでしょうか?

 

福岡 う~ん。特にそのような堅苦しいことを考えてはいませんが、やはり弊社から独立していった先生方は、長い間苦楽を共にした、ある意味「戦友」のような感覚があります。うちで勉強したことを基礎に独立するのですから、絶対に失敗してほしくありません。だから、ちょこちょこ連絡を取り合ったり、介護保険法改正の時などは解釈について相談しあったりしています。皆さん優秀な方ですし、私の方がいろいろ助けてもらっていることもありますよ(笑)。非常に助かっています。また個人でデイサービスを経営するというのは、やはり情報面などで心細いことが多いので、お互いに協力を続けていきたいと思います。これからは「同窓会」的な感覚で、独立者が定期的に集まれる場を作っていければいいですね。

――先生が懇意にされている他のデイサービスさんの写真も、本書にたくさん載っています。スッキリ片付いていて、男性経営者とは思えないといっては失礼ですが、皆様の細やかさなどを感じました。デイサービス経営には、そういうマメなところが必要でしょうか?

 

福岡 そうかもしれませんね。私は「医療・介護」=「究極のサービス業」だと思っています。人に関わるのがサービス業だと思いますが、その中でも「体に直接関わる」機会の多い医療・介護サービス業ほど、その質の高さが求められるものは他にないと思いますよ。

 

今まで医療・介護は「サービス」の範疇の埒外にありました。本来はサービスなのですが、人々の意識がそういうとらえ方をしていなかったのだと思います。しかし最近は「正当な報酬を支払って受けるサービス」という考え方が徐々に浸透してきています。病院でも「患者様」と呼ぶようになったのが、その一例だと思います。

 

今こそ、医療・介護をサービスとしてとらえるかどうかの「新旧」の考え方がせめぎ合っている時代だと思うんですよ。その先鞭をつけたのが「介護保険制度の施行」、つまり介護サービスの民営化だと思います。民営化で「サービス」の競争が始まりましたからね。それに、高齢者というのは、受ける側という視点でいうと、ある意味「サービスの達人」です。人生経験は長いし、人によってはかなりの地位にいた方もいらっしゃいます。そういう意味では、生半可なサービスでは感動しない方々なんですよ。

 

ただし、悪いサービスを受けても、直接苦情を言わない方も多い。これは非常に怖いです。本来、医療・介護関連サービスに関していえば、改善の余地は有り余るほどありますし、ちょっとしたサービスでも感動していただける分野です。確かに、「マメなところが必要」な仕事であり、サービス業なら当然備えてしかるべき資質です。これからもよりよいサービス、感動していただけるサービスを、日々作り出して提供していきたいと思います。

 

――では、この本で一番お勧めの箇所や、ぜひ参考にしてほしいところをお教えください。

 

福岡 一番は「ご利用者さんとのかかわり」の部分ですね。次に行政に関する話でしょうか。私もデイサービス立ち上げ時にネットや本を散々見たのですが、具体的なイメージ、つまり自分が実際にデイサービスでどのように仕事をしているか、浮かんでこなかったんです。立ち上げに関するマニュアルは山ほどありまして、立地だ、収益だ、営業だという話はたくさん載っているのですが、さあ、じゃあ実際にご利用者さんをデイサービスにお迎えしてどうするかというと、全く空白のままなんです。もちろん、運動プログラムやデイサービスの方針などはありましたが、それと実際に運営していくというのは、また別の話なんですよ。毎日が「イレギュラー」の連続ですから。つまり、デイサービスの施設を作るまでは非常に細かいマニュアルがあるのですが、それ以降の実際の現場運営についてのマニュアルがなかったのです。

――確かに、開設してから経営を軌道に乗せ、増設まで描いた本は少ないですね。

 

福岡 デイサービス開設までは結構順調でしたが、いざふたを開けてみると暗中模索の連続で、しなくてもいい苦労をずいぶんしてきました。最初はご利用者さんに対する対応に四苦八苦し、ようやく形になってきたなと思ったら、次に行政に対する対応が問題になってきました。現場に追われて書類をきちんと整理しておかなかったんですが、突然「実地調査」の通達がありまして、大慌てで資料の整理を始めて調査日ギリギリまで書類・資料の整理をしたり……。デイサービスを運営するにあたって、本当に必要・重要なポイントが解説されている本はあまりなかったと思います。そういった意味で、正直言って私達の恥もさらして書き上げたこの本は、運営現場の「生」の声と情報が詰まっていますので、おそらくデイサービスに関心を持った方のお役にたてるのではと自負しております。「よし、一丁やってみるか!」という気持ちになるような気合の入った本にしたつもりです。

 

また、今は具体的な開設計画がなくても、同業者のデイサービスに少しでも関心がある先生方なら、読み物としても楽しんでもらえると思います。私達は質のいいサービスを提供する側なので、個人的には「(すべての)サービス業従事者必読の書」という意気込みで書き上げました。ぜひ一度手に取ってみて下さい。治療家のほとんどの方が一度は抱いたことがあるだろう不安を書いた最初の3ページを読んだら、「買ってみようかな」という気持ちになると思いますよ(笑)。

●福岡俊太郎(ふくおか・しゅんたろう)

1963年生まれ。日本大学農獣医学部卒。商社営業職・教職を経て、2001年に鍼灸マッサージ師の資格を取得。現在、東京都内に治療院、訪問医療マッサージ事務局、デイサービス3施設を展開。

 

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