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AcuPOPJが平成29年度第4期
鍼灸師卒後臨床研修を実施中 [2017.10.06]

鍼灸関連4団体で構成する「国民のための鍼灸医療推進機構」(AcuPOPJ)による、平成29年度第4期鍼灸師卒後臨床研修が7月15日より実施中である。東京会場(東京医療専門学校代々木校舎)、関西会場(森ノ宮医療学園専門学校)に、今期からは北海道会場(北海道鍼灸専門学校)が加わり、各会場で月に1回(計6回)、1日4コマ(1コマ90分)の講座が開かれる(北海道会場の第1、2、5、6回は2コマ)。修了に必要な単位数は50単位以上(必修科目24単位・選択科目26単位)で、原則として2年間で修得しなければならない。

 

第1回は、各会場とも講座開始前のオリエンテーションにおいて、AcuPOPJ事務局より講座の概要、日程、受講による取得単位、GKカードによる研修ポイント登録、その他の注意事項について説明があった。

 

1限目の「研修の意義と医の倫理」と2限目の「鑑別対象総論」は畠山博式氏(呉竹医療専門学校)が講師を務めた。「研修の意義」ではAcuPOPJの構成と目的、鍼灸師卒後臨床研修の目的と意義、疾患の鑑別と医療機関への紹介の重要性などを説明。「医の倫理」では医療における倫理の重要性、医の倫理に関するさまざまな規範、生命倫理、関連業団体の倫理綱領、患者の自己決定権の尊重、施術者の倫理などを述べた。2限目の「鑑別対象総論」では、初診時における運動器(筋骨格系)疾患全般に対して鑑別の対象となる症状、疾患について、施術継続してよいものから専門医に委ねるものまで4つのパターンに分け、それぞれの特徴、対応、具体的な疾患の例などについて解説した。

 

 

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「研修の意義と医の倫理」の畠山博式氏

 

●東京会場

第1回(7月30日)の受講者数は22人。

 

3限目「カルテの書き方」の講師は西岡岳之氏(呉竹医療専門学校)。カルテの重要性とその理由、病歴の書き方、SOAPによる情報整理、各項目の内容と注意点などを解説した。4限目「患者情報提供書と症例報告の書き方」も西岡岳之氏が講師を務め、紹介状と患者情報提供書との違いや、患者情報提供書の書き方を、具体的な症例を挙げ解説した。また、症例報告の意義、日常業務としての症例報告と学会などで発表される症例報告の内容、症例報告の書き方、1事例研究法などを伝えた。

 

第2回(9月3日)の受講者数は約20人(1限:20人、2限:19人、3・4限:23人)。

1限目「咳・痰」の講師は森岡裕貴氏(湘南医療福祉専門学校)。気道の構造と機能、咳の発生機序、咳の分類、痰の発生機序、痰の分類、鍼灸臨床における咳・痰の鑑別などについて説明した。全身の循環をよくし、呼吸にかかわる背部や呼吸筋、腹部の筋緊張緩和を促すなどにより、COPDに対し鍼治療は有効であると研究で示されているなど具体例を挙げて講義した。

 

2限目「頭痛」は鈴木眞理氏(湘南医療福祉専門学校)が講師を務めた。頭痛の原因、頭痛の分類と各論(一次性頭痛の緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛〈TACs〉など、二次性頭痛の外傷性、血管障害性、非血管性頭蓋内疾患など)、頭痛診察の際の注意すべき点などについてを教示。特に鍼灸臨床で遭遇しやすい一次性頭痛を中心に講義した。

 

3限目「月経異常①」と4限目「月経異常②」の講師は小川卓良氏(日本鍼灸師会、杏林堂)。女性の性周期の生理学(女性ホルモンの作用、卵子の形成、卵胞の発育、排卵について、性周期〈卵巣周期、子宮内膜周期〉、基礎体温など)、月経異常の病態生理(無月経、周期異常、月経随伴症状、機能性出血、更年期障害など)、月経異常の鑑別の要点について解説を行った。特に基礎的な生理学の内容に重点を置いて講義した。

 

 

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「頭痛」の講師を務めた鈴木眞理氏

 

 

●関西会場

第1回(8月27日)の受講者数は16人。

 

3限目の「五十肩の鑑別と治療法」では辻丸泰永氏(森ノ宮医療大学)が、肩痛を伴う主要な疾患、五十肩の特徴、病期分類、医療面接と身体所見で重要な項目、経過観察と評価法、常用される経穴や圧痛点、養生法などを教授した。

 

4限目の「カルテの書き方」は涌田裕美子氏(森ノ宮医療大学)が、カルテの重要性とその理由、病歴の書き方、SOAPによる情報整理、各項目の内容と注意点、具体的な症例を挙げて解説した。

 

 

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初回の講座であったため、受講生は緊張した面持ちで真剣に臨んでいた

 

 

●北海道会場

第1回(7月15日)の受講者数は14人。第2回(8月26日)の受講者数は9人。

 

第2回の講師は藤本定義氏(北海道鍼灸師会、中央鍼マッサージ治療室院長)が務めた。

 

1限目「カルテの書き方」では、鍼灸・あマ指臨床においてカルテを記載・保存する意義について説明がなされた。カルテで使用する基本用語の意味や、間違えやすい注意点を改めて確認し、臨床における情報の整理に役立ち、施術者自身だけではなく第三者にも理解しやすいSOAP形式による記載方法について解説が行われた。

 

2限目「患者情報提供書と症例報告の書き方」では、前半は患者情報提供書の書き方について解説がなされ、医療機関に患者を紹介する際の具体的な書式や表現を学んだ。これと併せて、鍼灸・あマ指の保険適用に必要となる同意書などを円滑に発行してもらうため、講師が地域の医療機関との間で工夫してきた実践例が分かりやすく紹介された。また、後半は症例報告の書き方について解説がなされ、今後の研修を通じて症例報告を作成する際のルールを学んだ。

 

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治療室の経営を通じた自験例を織り交ぜながら講義を進める藤本定義氏

 

(関東会場:畠山博式氏、関西会場・オリエンテーション:山下仁氏、北海道会場:工藤匡氏・報)

 

今年度の受付は終了しました。次年度の受付開始は2018平成3041からの予定です。


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