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AcuPOPJが各会場で平成29年度
鍼灸師卒後臨床研修医療人研修講座を開催 [2018.01.10]

鍼灸関連4団体で構成する「国民のための鍼灸医療推進機構」(AcuPOPJ)は、平成29年度鍼灸師卒後臨床研修医療人研修講座を、北海道会場、関東会場、関西会場でそれぞれ開催した。

 

●北海道会場(第4回)

10月29日、4回目の講座を北海道鍼灸専門学校にて開催した。受講者数は7人(9人中2人欠席)。今回は選択科目4コマで、①咳・痰、②頭痛、③胸痛、④腹痛の病態や分類、鑑別法について学んだ。

 

1限目「咳・痰」は田中清剛氏(北海道鍼灸師会、株式会社ボディマネージメント代表取締役)が講師を務めた。田中氏は咳や痰の分類や発生メカニズム、鑑別法について説明。喘息を克服した自身の経験を踏まえながら、喘息患者に対する治療法のほか、生活習慣や姿勢異常の及ぼす影響、呼吸機能改善の重要性について分かりやすく解説した。

 

2限目「頭痛」も講師は田中清剛氏。鍼灸臨床における主訴や随伴症状として多い頭痛について、一次性頭痛と二次性頭痛の分類や病態、鑑別法の講義を行った。特に、鍼灸臨床が適応となる緊張型頭痛と片頭痛の鑑別法や、上部の頚椎・頚神経の障害が関与する大後頭三叉神経症候群の病態などを説いた。

 

3限目「胸痛」は髙橋太郎氏(北海道鍼灸師会、石山通り整骨院副院長)が講師だった。胸痛に関連する原因疾患は多岐にわたるため、表在性胸痛と内臓性胸痛の分類といった、基本事項の確認について時間をかけて講義した。また、内臓性胸痛のなかでも危険性の高い心疾患を中心として、病態や臨床症状について詳細に説明した。

4限目「腹痛」も講師は髙橋太郎氏。腹痛の分類や内臓性腹痛の原因、急性腹症の鑑別点などについての講義が行われた。臓器別の痛みの部位と特徴に関して細かく解説し、正確な医療面接や身体診察の果たす役割の重要性が再認識された。

(北海道鍼灸専門学校 AcuPOPJ北海道エリア事務局 工藤匡氏・報)

 

 

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姿勢や呼吸機能の重要性について実演を交えて説明する田中清剛氏

 

 

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鍼灸臨床における腹痛の分類について解説をする髙橋太郎氏

 

 

●関東会場(第3回)

10月22日、3回目の講座を東京医療専門学校代々木校舎にて開催。受講者数は20人前後(1限:17人、2限:19人、3限:20人、4限:16人)。今回は選択科目4コマで、①神経痛、②頚肩腕痛、③腰痛、④五十肩の各鑑別と治療法を学んだ。

1限目「神経痛の鑑別と治療法」の講師は田山盛二氏(神奈川衛生学園専門学校)。神経痛の定義と概念、顔面の神経痛の分類・症状と特徴、胸部神経痛の特徴と症状、鍼灸臨床における神経痛の評価法と鑑別などを講義した。神経痛に対する鍼灸施術の目的と効果を説明し、医療連携の必要性にも触れた。

 

2限目「頚肩腕痛の鑑別と治療法」も田山盛二氏が講師を務めた。鑑別と各疾患の症状、頚肩腕症候群に似た症状との鑑別と病態、頚肩腕症候群の重症度判定と身体所見、養生法・セルフケアの方法と効果などを提示した。各疾患に対し鍼灸効果がある経穴や、トリガーポイントについても言及した。

 

3限目「腰痛の鑑別と治療法」は臼井明宏氏(東海医療学園専門学校)が講師を務めた。国民生活基礎調査の有訴者率と通院者率の統計を示し、腰痛に対する危険因子、鑑別、病態および症状、養生などを解説。特に腰痛症の症状と最新のガイドラインを用いた鑑別を講義した。

 

4限目「五十肩の鑑別と治療法」も講師は臼井明宏氏。五十肩の定義と統計、肩痛の鑑別と鍼灸施術の適応疾患、分類と医療面接所見、ADL評価法、鍼灸施術の有効性・治効原理、症状と肩関節の運動療法を講義した。受講生からは「肩関節痛に対して上腕回旋動脈へ鍼灸施術する効果はあるのか」との質問があり、臼井氏は「過去の経験、文献などを含めても有効な効果が得られた報告はない」と答えた。

(東京医療専門学校 飯田双海氏・報)

 

 

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「頚肩腕痛の鑑別と治療法」の講師を務めた田山盛二氏

 

 

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「五十肩の鑑別と治療法」の講師の臼井明宏氏

 

 

●関西会場(第3回)

10月15日、3回目の講座を森ノ宮医療学園専門学校にて開催。大雨だったが、14人の受講生(コマによって増減あり)が出席し、熱心に聴講していた。授業終了後も講師に声をかけて質問し、講師も個別に丁寧に対応していた。また、大阪府鍼灸師会の準備したパソコンにより、GKカードでの受講記録の登録もスムーズに行われた。

今回は必修科目4コマで、①膝痛、②リスク管理、③紹介状と症例報告、④神経痛を学んだ。

 

1限目「膝痛の鑑別と治療法」は古田高征氏(履正社医療スポーツ専門学校)が講師を務めた。まず疫学・統計として、年齢・性別・居住地区・体重などと発症リスクの関係を示した。次に鑑別すべき膝痛のパターン分類や疑われる疾患を挙げ、重症度の判定・予後の推定・経過観察などに用いられる評価法を解説した。また、膝関節痛に対する標準的・一般的な治療法と鍼灸治療の有効性・治効原理を説明し、患者への養生指導なども具体例を挙げながら概説した。

 

2限目「リスク管理」講師は山下仁(森ノ宮医療大学)。鍼灸施術によって発生している事故の種類や頻度、気胸や脳貧血などの基礎知識と対処法を示した。山下は実際に発生した気胸の例を挙げて、状況・経緯・訴訟・判決に至るまでの経緯とその解釈を行った。これを踏まえて、事故発生時の対処、患者説明、保険会社への連絡など一連の行動指針について確認するとともに、普段から事故防止のために行うべきマネジメントについて解説した。いわゆる傷害事故だけでなく、医療廃棄物処理、情報収集、クレーム対応、セクハラ・わいせつ行為防止などについてもポイントを提示し、説明した。

 

3限目は「患者情報提供書(紹介状)と症例報告の書き方」。講師は増山祥子氏(森ノ宮医療大学)。前半は、医師に紹介状を書く必要がある場合(不適応疾患、併療、患者希望、同意書など)とよい紹介状の条件について、具体例を挙げながら解説した。後半は、症例報告の発表の仕方・書き方を講義した。症例報告については、その意義と種類について説明し、治療効果の評価判定における注意事項を挙げて解説した。次に、症例報告の構成に従って順にどのようにまとめていくのかを具体的に示した。受講生から、単一事例研究法の介入後ウォッシュアウト期間における症状再発とベースラインへの回復について質問があり、「介入後のウォッシュアウト期間については、直前の治療による持ち越し効果を排除するという意味であり、症状が再発するまでの意味ではない。ウォッシュアウト期間は研究開始前に立てた計画に基づいて実行しなくてはならないので、症状再発したから介入を始めるのではない」と回答した。

 

4限目「神経痛の鑑別と治療法」の講師は谷万喜子氏(関西医療大学)。まず神経痛の定義・概念および疫学・統計について資料を示し、各種神経痛を概説した。次いで顔面および胸部における神経痛の可能性と鑑別すべき疾患について解説し、それぞれの状況において観察されやすい身体所見や評価法を提示した。最後に、神経痛に対する鍼灸治療の目的と原理について述べ、常用される経穴・圧痛点と養生法などの指導について解説した。

(AcuPOPJ研修作業部会 山下仁氏・報)

 

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増山講師による紹介状と症例報告の書き方の講座風景

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