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AcuPOPJが北海道会場で5回目、関東会場で4回目となる
平成29年度鍼灸師卒後臨床研修医療人研修講座を開催 [2018.01.11]

鍼灸関連4団体で構成する「国民のための鍼灸医療推進機構」(AcuPOPJ)は、平成29年度鍼灸師卒後臨床研修医療人研修講座を、北海道会場、関東会場で開催した。

 

●北海道会場(第5回)

2017年11月18日、5回目の講座を北海道鍼灸専門学校にて開催した。受講者数は9人。今回は選択科目2コマで、①がんなどの悪性疾患、②膠原病の病態や分類・鑑別法についてだった。

 

1コマ目の「がんなどの悪性疾患」では、飛野一路志氏(北海道鍼灸師会、きたひろはりきゅう整骨院)が講師を務めた。鍼灸臨床の対象として多い筋骨格系の症状の影で見落とされる危険性がある悪性疾患について、がんなどの内臓性疾患を中心に講義が行われた。複数の症例を用いて、悪性疾患の特徴や初回の医療面接時の注意点、鑑別法について解説がなされた。

 

2コマ目「膠原病」も講師は飛野氏。前半は膠原病の分類や、鍼灸師がかかわる機会のある代表的な疾患の病態について講義した。後半は近年注目されている線維筋痛症の病態や疫学、臨床症状、治療法などについて説明した。

(北海道鍼灸専門学校 AcuPOPJ北海道エリア事務局 工藤匡氏・報)

 

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自身の臨床経験で遭遇した悪性疾患について説明する飛野一路志氏

 

●関東会場(第4回)

2017年11月12日に4回目の講座を東京医療専門学校代々木校舎にて開催。今回は選択科目①高齢者、②膠原病、③下痢・便秘、④小児、⑤EBMの5コマ。受講者数は20人未満だった。

 

1限目「高齢者」は小川卓良氏(杏林堂)が講師を務めた。小川氏は高齢化社会の問題、老化の定義と変化、加齢に伴う人体機能の変化、高齢者の心理的特徴、認知症の分類と特徴などについて、医療検査なども含めて講義した。高齢者への鍼灸施術の指針として「悪い所だけを注視するのでなく、よい機能をいかに維持できるか」とポイントを述べた。

 

2限目「膠原病」の講師は吉川信氏(日本鍼灸理療専門学校)。膠原病および関連する疾患の定義、膠原病の特徴、膠原病の各疾患の症状と治療法、膠原病の各診断基準、ステロイドの役割と副作用などについて講義した。講師の診療経験を踏まえ、膠原病の治療経穴や灸の効果と免疫反応も解説した。

 

3限目「下痢・便秘」は西村辰也氏(神奈川衛生学園専門学校)が講師を務めた。下痢(急性と慢性)の鑑別、慢性下痢の種類、腸管の構造と機能、臨床症状における下痢と便秘のポイント、下痢と便秘に対する日常生活の改善策などを講義した。西村氏は、病気を見つける(診断)のではなく、鑑別し施術可能なのか医療機関を紹介するのかを判断することが大事であると強調した。

 

4限目「小児」では藤田洋輔氏(呉竹医療学園専門学校)が、小児が受診するときの注意点、小児の分類と成長による身体機能の変化、小児へ施術する時の対策、とくに小児の下痢と便秘に対する特徴や症状などを中心に講義した。受講生から「小児に対して、施術時間などの注意することは何か」との質問があり、藤田氏は「施術時間は5〜10分程度の短い時間で行うことが主である。小児でどこにどれくらい刺激をするとよいかの根拠は乏しく、そのうえで流派や先生ごとの判断で行われているのが現状。施術後の反応や様子などを聴取し、次回の施術方法などを検討することが大事」と答えた。また、一症例に対して受講生によるグループディスカッションを行った。

 

5限目「EBM」も藤田洋輔氏が講師を務めた。藤田氏はEBMとEvidenceの違いについて、EBMを実践するための必要事項、臨床研究・RCT、診療ガイドラインにおける鍼の評価、NBMなどについて、臨床上の疑問を明確化にする手段を具体的に挙げながら講義した。受講生からは「鍼灸師による鍼灸研究は利益相反的になるのか」との質問があり、藤田氏は「研究の正当性については、研究に先立ち行われる倫理委員会の審査や論文投稿での査読などにより第三者がチェックしている」と回答した。

(東京医療専門学校 飯田双海氏・報)

 

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「膠原病」の講師を務めた吉川信氏

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