トピックス

ゴッドハンド・妻木充法氏の
南アフリカワールドカップ現地レポート(4) [2010.07.08]

FIFA(国際サッカー連盟)の要請を受けた妻木充法氏は、南アフリカで開催されているサッカーワールドカップの審判へのメディカルサポートに参加しています。前回のレポートでは、治療スケジュールや治療を行う場所の様子が伝えられました。妻木氏は日本対パラグアイ戦で審判のフィジオ(トレーナー)として帯同、試合前に岡田武史日本代表監督と無言の握手を交わしたそうです。2人は以前から知り合いだったようです。

みなさん、こんにちは。

日本はそろそろ梅雨が明けたでしょうか? 上の写真は、盆踊りの練習ではありません。太極拳(Tai Chi)を復習しているところです。一緒にやっているスペイン人のJose-Maria 氏が2006年ドイツワールドカップの時からの私の先生です。今回は、幸運なことに、彼の先生(Jose Sanches Garcia)がFIFAスタッフで参加していて、大会期間中、一日も休まず、指導してくれました。そのおかげで、今まで心身ともにダウンしないで済んでいます。

太極拳に加えて、気功(Qigong)は、審判も参加して行っています。朝の8時から30分ほどやるのですが、多いときは20人くらい集まります。写真の後ろ向きの白いシャツが先生のJoseです。写真は朝の気功をしているところです。

 

 

0707-2.jpg


いろんな国の審判(たとえば、日本、ウズベキスタン、メキシコ、ブラジルなど)が参加しています。Joseは、スペイン人ですが、太極拳と気功だけでなく、漢方や日本の武道にも造詣が深く、毎日味噌汁を飲んでいるというステキな先生です。

 (JOSEのホームページ http://www.escuela-wuchi.com/



●試合への帯同

ベスト8を決める日本対パラグアイ戦の審判にフィジオ(トレーナー)として帯同しました。今回の審判は、ヨーロッパのベルギーのトリオです。試合開始2時間前に着き、すぐに全員でピッチの様子を見に行きました。ついでに、ベルギーの審判と試合前に記念写真を1枚撮りました。


0707-3.jpg


ベルギーの審判は、チャンピオンリーグなどで場馴れしているのか、マイペースで静かに準備を進めます。我々フィジオが介入することはあまりありません。エアコンや、氷や飲み物の確認をして、あとは彼らの邪魔をしないようにするだけです。下の写真は、控室でお湯のチェックをしているところです。飲んでいるわけではない!です。

0707-4.jpg


 南米の審判は、十人十色で、フィジオにオイルマッサージやホットクリームを希望する審判がいたりや鼻拡張テープや日焼け止めが必要になったり・・・かと思えば、静かにお祈りをする審判もいます(もちろんテーピングや鍼などをすることもあります)。

いろいろな状況に対応するため、下の写真のようなトレーナーバッグとウエストバッグを試合には携行しています(中身は、テープ類やホットクリームのほか、黒のマジック、体温計、円皮鍼、ビニール袋など多岐に渡ります、AEDもあります)。


0707-5.jpg


ところで、選手がウォームアップをする時には、審判もセンターライン付近でアップします。我々もピッチに出て審判の動きを観察します。しかし、この試合は、どうしても日本代表に注意が行ってしまいました。なぜならば、25年前に私が日本代表のトレーナーをしていたとき、選手に岡田監督がいたからです。試合前のチームの雰囲気は、痛いほどわかります。それゆえ、岡田監督とは試合前に無言で握手をしただけです。

下の写真は1985年の日本代表チームです。2列目右から4番目が岡田監督です。左端が私です。

5.jpg

審判のフィジオですから公平であるべきですが、祈るような気持ちで、ロッカー内のテレビで試合の流れを見ていました(現場にいてもテレビ観戦です)。90分戦った後、延長、PKとなり、結果はご存知のとおりです。ロッカーに戻ってきたベルギーの審判は、肩をすくめて、Sorry Mitsu(私のニックネーム)と言ってくれました。

下の写真は、テレビではお馴染み、この試合のKICK OFF BALLです。


0707-7.jpg

●審判とメディカルスタッフの生活の場

審判は、下の写真のようにレストランやオフィスから少し離れた美しいシルエットのロッジに住んでいます。このロッジは、見た目とは違って、暖房があまりきかないことと鳥が入り込むのが難点です。


0707-8.jpg

われわれFIFAスタッフは幸運(?)なことに新しい建物を使っています。下の写真のように瀟洒でおしゃれな建物です。部屋も広くきれいです。

0707-9.jpg


エントランスの雰囲気は最高ですが。

0707-10.jpg

見た目と同様、ロッジより快適です。しかし、次の写真を見てください。これは1年前に撮りました。コンフェデ杯の時で、建設中の写真です。どうやら、地震は決して起きないことを前提に建設されているようです。

0707-11.jpg


●多様な食事

食事は、三食とも、プールサイドのこの瀟洒なレストランでとります。



0707-12.jpg

食事は、バイキング形式で、サラダやパン、肉や魚、温野菜、そしてデザートやフルーツもあります。ビーフ、ラム、ポーク、チキンだけでなく、ダチョウやスプリングボックといった肉もでます。また、パスタを茹でたり、日によっては、ピザを目の前で焼いてくれます。下の写真はサラダバイキングです。

0707-13.jpg


なぜ、こんなに多様なのかというと、宗教によって食習慣が違うからです。お祈りしていないポークは食べられない、ビーフは神聖だ、肉は一切ダメなど、いろいろあるので、それぞれ食べられるものが出されているわけです。イスラム教徒は、毎日5回お祈りします。そして、ラマダン(断食月)、の間は、日の出から日の入りまで何も食べず水も飲みません。厳格なイスラム教徒は、夕方になると、眼がくぼんでいます。


夕闇が迫るころ、このレストランの2階にあるレストルームの暖炉に火がともります。ほんのり温かく、ソファーに腰掛けると何とも言えずいい気持ちです。これで、一杯あれば最高ですが、大会期間中です。残念ですが、原則としてアルコールはありません(ゼロではないのですが)。

0707-14.jpg



次回は、私とマリオのコンビネーション治療の実際をお話ししましょう。

私のブログもご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/tmsblog-tsumaki


それでは、また。




妻木充法(つまき・みつのり)


1952年静岡県生まれ。日本大学文理学部心理学科卒、東洋鍼灸専門学校卒。鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。順天堂大学大学院医学研究科修了。東京メディカルスポーツ専門学校副学校長。元ジェフユナイテッド市原・千葉チーフトレーナー。元横浜F・マリノスアスレティック・アドバイザー。2002年日韓W杯レフェリー部門マッサー、2006年ドイツW杯フィジオ。日本体育協会公認アスレティックトレーナー・トレーナーマスター。

業界ニュース&トピックス

ディスプレイルーム

〒108-0075
東京都港区港南2-4-3 三和港南ビル5F
TEL 03-5461-3050
営業時間 AM10:00~PM6:00