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DVD『スクイーズ』江川明祥氏インタビュー [2012.01.09]
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交感神経による緊張は、体全体の筋肉の過緊張として現れます。この1月に発売になるDVDブック『スクイーズ-症状緩和のための骨格筋押圧法-』は、筋肉の過緊張を、骨格筋を圧迫刺激することで取る押圧法です。凝った筋肉の神経支配領域の筋肉を段階的に押圧するだけなので、とても実践しやすく、治療の一環としてすぐ取り入れられます。今回の発売にあたり、著者である江川明祥氏(整形外科医)にスクイーズについて、話を伺いました。 |
――スクイ―ズを始めたきっかけと最初の反響はどうでしたか?
江川 私は平成2年に沖縄県宮古島市の県立病院に赴任してきました。宮古島はサトウキビを主とする農業地域で、オジイ・オバア(おじいさん、おばあさんの 方言)が元気にサトウキビ栽培に参加しています。今でこそ機械化されてきましたが、当時はすべてが手作業でしたので、かなりの重労働でした。あちこち痛く なり農繁期には整形外来も膝痛・腰痛の高齢の患者さんであふれかえっていました。
即効性の痛みどめを希望される方が多く、「足腰がくぱれる」とみなさん おっしゃっていました。私は最初、この「くぱれる」という言葉の意味がわかりませんでした。尋ねたところ、“筋肉が強く凝って痛い”ということだとわかり ました。小生も腰痛やふくらはぎがつることがよくあり、自宅で子供に足で踏ませて軽快しておりました。
そのころラジオの短波放送で医学講座の放送があり、ちょくちょく聞いていたのですが、母校の生理学教室の先生が「骨格筋を持続圧迫すると緊張緩和が得られる」という治験結果を報告されていました。早速、整形外科外来でマッサージとして患者さんの了解を得ながら持続圧迫をしたところ、「“くぱれ”が取れ た!」と大喜びされ、それがスクイーズの始まりです。
より効果を高めようと強く押圧し過ぎて患者さんから怒られたことも何度もあります。そんなことを繰り返しながら、なんとか現在の段階的押圧法にたどり着きました。
――叩いたり、マッサージしたりするのではなく、どうして押圧がよいのですか?
江川 そのときのラジオ講座は結果報告だけだったので、私は「骨格筋を持続圧迫すると緊張緩和が得られる」というその理由を一生懸命考えました。そして “骨格筋を押圧することでその筋肉内に電気が発生し、発生した電気は電圧に従い高いほうから低いほうに流れていく、すなわち電気的な相殺が起こり、興奮の おおもとである交感神経中枢の興奮を制御するのではないだろうか”との考えに落ち着きました。
叩いたりするのではなく、持続的に押圧することで大きな電気 的相殺が起こり、より筋肉が緩和されると私は思うのです。
――凝った筋肉を直接押すのと、凝った筋肉と重なる神経支配領域の筋を押すのでは、どういった点が違うのですか?
江川 凝った筋肉はすでに過緊張の状態のため、わずかな押圧でも痛みが生じてしまいます。また直接押すことによって、いわゆる張り返しが起きたり、筋膜の炎症が生じていたりすると症状が増悪してしまったりします。それを回避したいということがまずあります。
そして深層にある筋肉など、押圧しにくい場所にあ る筋肉の凝りは緩和させるのが難しいですが、凝った筋肉と重なる神経支配領域の筋を押すことで、それが容易に解決する、といった理由からです。
たとえば、 腰痛の原因は大腰筋にあることが多いのですが、その大腰筋は深くてなかなか直接的には押せません。そういった時も神経分節を考え、大腰筋と重なる神経領域 にある下肢の筋を段階的に押すことで緩和することができます。
――スクイーズは鍼灸治療や他の手技療法と併用して行うことはできますか?また併用して行うことで相乗効果はありますか?
江川 現在勤務している療養所でも実際、スクイーズを鍼治療や理学療法と併用してより高い効果を得ている症例が多くあります。理論的にも競合することはなく、温熱療法や鍼治療の緊張緩和の原理と協調できると確信しています。
スクイーズは時や場所を選びません。他の治療法とぶつかることがないのでどちらを先行させてもよいと思います。ただ置き鍼は鍼がとれてしまう可能性があるので、同時には行わないでください。
温熱療法などは先に温熱療法を行ってからスクイーズをしたほうが効果が上がります。
――最後に、これからスクイ―ズを学ぼうとしている方にメッセージをお願いします。
江川 このスクイーズは手軽に短時間で行え、高い効果が得られる方法なので、腰痛、肩凝りはもちろんのこと、いろいろな試してみて下さい。
今回は骨格筋が過緊張する理由とその緩和法を執筆させていただきました。しかしまだまだ助走段階と思っています。スクイーズが役立つ疾患はこれからスクイーズを行おうとする皆様方によっても広がっていくと思います。私といっしょにこのスクイーズを育てていってください。
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