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「治療院で応用できるテーピングテクニック」岩崎由純トレーナーのイベントレポート [2012.05.14]

日本におけるアスレティックトレーナー(BOC-ATC)の先駆的存在である岩崎由純トレーナー。医道の日本社ショールームでは岩崎トレーナーを講師に迎 え、「治療院で応用できるテーピングテクニック」のインストアイベントを開催しました。参加者は先着20人限定。岩崎トレーナーのテクニックを間近で見な がら、巻き方のコツを教えていただきました。専門的な質疑応答もあり、濃密な内容となりました。

●トップアスリートへの内反捻挫予防のテーピング

  
まずは岩崎トレーナーが女子バレーボール日本代表選手にしていたというテーピングのデモンストレーションから。足部の内反捻挫を予防するテーピングです。アンカーテープ、スターアップ、サーキュラー、ヒールロック、フィギュアエイトといったテクニックを見ることができます。

  
最初に、足部の保護したい部分にアンダーラップを隙間なく巻いていきます。あとはすべてホワイトテープ(38ミリ)を使います。アンカーテープは、アメリカの教科書では2回あるいは1回ですが、岩崎トレーナーの場合は粘着面を広げてテープがずれないようにするため3回行います。

 

スターアップは脛骨から腓骨の軸に沿って内側から外側に向けて貼ります。

 

「腓骨側(内側)はそれほどテンションをかけませんが、腓骨側(外側)ではテープを若干引っ張りながら、テンションをかけます」

 

テープを巻きながらそう説明する岩崎トレーナー。それぞれのテープは、止めた箇所が1本1本広がって扇型になるようにしています。こうすることで粘着面が広がるそうです。

 

「ただし、どのテープも踵骨の上を通過するときにはほぼ同じところを通過します。これは腓骨神経を圧迫しないためです」

 

と、より詳しい解説が加わりました。


4回のスターアップのあと、サーキュラーで1回止めます。そのあと、ヒールロックをします。脛骨からスタートして外果上を斜めに通過し、アキレス腱を経由します。通常はここで1回テープを切りますが、岩崎トレーナーはそのままぐるっと回して内果から足の裏を経由してアキレス腱のほうへテープをもっていきます。つまり、1回のテープで大きなヒールロックを内側と外側に2回かけたことになります。


次に小さなヒールロックをします。そのあと4本のスターアップと2本のヒールロックを包むように、サーキュラーで止めます。


さらにホースシュー、フィギュアエイト、ヒールロックと、手早く美しく巻きながらそれぞれのテクニックのポイントを説明する岩崎トレーナー。このテーピングテクニックは、かかとの部分を何度もテープが通り、しっかりと巻くことになります。その理由の1つは、「距腿関節だけでなく距骨下関節もしっかりサポートするため」とのこと。


参加者から「重心のことを考えて巻くのか?」と質問があり、岩崎トレーナーはこう答えました。


「足裏では第4中足骨の並びのところでテープがクロスするようにしたいですね。ただ、選手が着地するとき、どれだけぐらつきがあるかを考えると、このテープのラインは足裏のほぼ真ん中にあってもいいと思います」

 

アキレス腱の上を通過するテープの、アキレス腱に入る角度をほんの少し変えると第4中足骨の並びの上にテープを持っていくことができるそうです。(このテクニックは、DVD「岩崎トレーナーのテーピングテクニックのすべて1」にも収録しています)。

 

 

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「テープは切らなければ切らないほど早く巻ける」と岩崎トレーナー

 


●膝関節へのリンパ・ファンテープ


次に紹介していただいたのが、膝関節のテーピングで今最も使われているリンパ・ファンテープです。リンパドレナージテープともいいます。このテーピングによって痛みや腫れが軽減される人が多く、ヨーロッパで大流行しているとのことです。


20センチに切ったキネシオテープを、端2.5センチを残して8等分に切りこみを入れます。これを2本使って患部を網目状に包むようにして貼ります。通常は4等分のテープがよく用いられます。


このテープの目的は、膝蓋骨の位置を少しでも上に上げ、膝蓋骨の周囲の循環を良くすること。膝関節の前方に腫脹や痛みがある場合、膝蓋軟骨軟化症などに使われるそうです。


参加者の1人がモデルになりました。ベッド上で膝を伸展位にして座位になります。岩崎トレーナーは左膝蓋骨の上縁部にペンで印をします。次に膝関節を可能な限り屈曲位にします。そしてその印のところを中心にして、2本のテープで網目状に包むようにしていきます。

 

1本目は膝関節内側の斜め45度から脛骨粗面に向けて、8等分のテープを広げるように貼っていきます。

 

「未使用のキネシオテープは、剥離紙に貼られた段階で10%ほどテンションがかかっているので、そのテンションを戻すように貼っていくのがポイント」

 

つまり、剥離紙に貼られているときよりもテープが短くなるようにします。テンションのないテープを皮膚上にのせていくような感じです。


貼り終わったあとはテープがしっかりと皮膚に密着するように、掌でテープの上から押さえます。

 

 

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岩崎トレーナーの説明のあと、各参加者がリンパ・ファンテープに挑戦

 


●リンパ・ファンテープを成功させるためのコツ

 

各参加者がリンパ・ファンテープを貼り終わったあと、岩崎トレーナーがテープを貼る位置の注意事項の説明をしました。このテープは膝蓋骨の位置を持ち上げることを目的としたテーピングですが、失敗すると立位で膝関節伸展位になったときに膝蓋骨よりも低い位置にテープの網目がきてしまいます。これではジャンパー膝、オスグッド‐シュラッター病など、膝蓋靱帯に関係する疾患へのテーピングとなってしまいます。


テープを貼る前に膝関節伸展位で膝蓋骨の上縁部に印を付け、次に屈曲位にしてその印を包むようにしてテープを貼るのは、テープの位置が下がらないようにするためだったのです。

 

 

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膝蓋骨の中央に貼ってしまう失敗例を説明

 

参加者からは4等分テープと8等分テープの違いについて質問があり、4等分がよく用いられる理由をこう説明しました。


「8等分テープのほうが網目が細かくなるので、より膝蓋骨の位置が上に持ち上げられやすくなります。しかし、実際のスポーツの現場では限られた時間でテーピングを行わなければなりません。それに4等分のほうが粘着面の面積が広いので強度が増します」

 

こういった実用的な面も次々と解説が加えられました。


最後にキネシオテープによる足裏のテーピングが行われました。その後、質疑応答の時間がありましたが、イベント終了後も岩崎トレーナーを囲んで質問をする参加者の姿が多く見られました。

 

(イベント開催日:2012年3月23日)

 

 

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DVD「岩崎トレーナーのテーピングテクニックのすべて1」の詳細はこちら

 

 

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