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勉強会に行ってきました!(2)
鍼灸経絡治療夏期大学 [2012.09.17]

全国で開催されているさまざまな勉強会や研究会に、鍼灸学生が参加し、その様子をレポートするこのコーナー。第2回目は、専門学校浜松医療学院鍼灸学科2年の石井律江さんに、「鍼灸経絡治療夏期大学」を体験取材してもらいました。今年で54回目を迎えた夏期大学。毎年多くの鍼灸師、鍼灸学生たちが集い、3日間かけて経絡治療を学んでいます。

鍼灸経絡治療夏期大学を体験して 石井律江

 

2012年8月5~7日の3日間、鍼灸経絡治療夏期大学に参加しました。経絡治療には以前からとても興味があったのですが、学校の先輩たちや先生方の強い薦めがあり、今年初めて参加することになりました。

1日目は、10時から岡田明三先生による講義「経絡治療入門とその到達点」がありました。鍼麻酔がきっかけで経絡治療が広がったこと、日本鍼灸の昔から現在に至るまでの歴史、西洋医学は局所的だが東洋医学は体全体を診ることができる「顔が見える」医学であるということ、TPPが導入されれば保険制度が変わるので、お金のない人が病院に行けなくなってしまうおそれがあるという社会的な問題や、リハビリ系の鍼、スポーツ鍼の普及についてなど、多くのことについてお話されていました。

さらに、四診、証の立て方、本治法、全身の気血調整についてなど、経絡治療の基礎についてもお話されており、まだ勉強中の私にとっては少し難しく感じることも多く、頭の中で組み立てていきながら講義を受けました。

岡田先生の話はどれも納得のいくものばかりで、聞いているうちにどんどん引き込まれていきました。

特に印象に残っているのは、バイオリニスト・千住真理子さんと名器・ストラディバリウスを例に、「経絡治療には感性が一番大切である」とお話されていたことです。バイオリンの音色が弾手によって変わるように、鍼灸治療も鍼灸師によって変わってしまいます。知性(物事を知り、考え、判断する能力)と感性(物事を心に深く感じ取る能力)を身につけ、鍼灸だけでなくいろいろな物、事柄などにこだわってみることが大切だとお話されていました。

「体温の高い人は足が臭い」という話も印象的でした。「女の人でも臭いですよ」と岡田先生が言うと、会場からどっと笑いが起きました。また、鍼灸師は手が温かいほうが好ましく、「腹診のときなどは冷たい手は患者さんを余計に緊張させてしまう」ともお話されていました。このときふと、鍼灸を始めるより前は、自分の手は冷たかったけれど、今は少し温かくなっているな、と思いました。

さらに、岡田先生はご自身の生活についてもふれ、「早起きをする生活リズムは健康的で、病気もしない」とお話されていました。自分の生活を振り返ると、思い当たる点があり、なかなか実行できていないと反省しました。

1日目の午後は、途中から班に分かれて講習を受けることになりました。私の班は全員鍼灸学校の2年生で、10人ほどでした。担当は鹿児島県の大竹野久先生です。先生自身もちょっと緊張されていたようでした。

講義では蔵象、脈診でどのように診ていくかについて学びました。続いて実技演習に入り、寸口、関上、尺中への指の当て方などについて教えていただきました。私の場合、どうしても指に力が入ってしまって、脈を感じ取るところまではどうしてもいけませんでした。
 
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同じグループの人たちと、交代で脈を診ました。最初はほとんど脈を感じ取ることができませんでした

 
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大竹野先生は、脈のイメージを分かりやすく図解してくださいました

 

2日目は、前日と同じ班のメンバーで集まり、2グループに分かれて実技演習を行いました。5人のメンバーで、交代で患者役をやりながら、お互いの脈を取っていきました。2日目になって、私も少し慣れてきて、「人によって脈の打ち方や速さが少しずつ違うんだ」と分かってきました。でもまだ自分の判断に自信がなく、どこが虚しているのか決めかねました。演習の終わりには、グループのみんなから意見を聞くのですが、1人は「肝虚だ」と言えば違う人は「いや、腎虚では…?」と言ったりして、みんなの答えがなかなか揃いませんでした。

また、取穴の場所に押し手を作る指の使い方は、学校で習ったやり方と違ったため、なかなかできませんでした。指は軽く滑らかに浅く、深く切皮しないなど、大竹野先生からアドバイスをいただいたので、ペアを組んだ人に何回も練習させてもらいました。

最終日の3日目には、グループのみんなともすっかり打ち解けていました。3日間いろいろな話をしていくうちに、生活習慣や性格、考え方についてもちょっとずつ知ることができ、そこから患者役の人の主訴についても分かることが増えていきました。また、脈診をする際の指の加減にもだんだん慣れてきて、ちゃんと脈を診ることができました。

2日目までは、グループのみんなが違う意見だったのに、最終日には全員で同じ答えを出すことができました。また、学校の授業で難経「六九難」の「虚すれば母を補う」を習いましたが、実際に体験したことで、「ここで繋がるんだ!」と思い、うれしくなりました。

3日目の最後に行われた全科共通実技では、いろいろな先生の実技を目の前で見ることができました。灸だけを使って治療される先生もいらっしゃり、鍼の中でも、中国鍼のように深く長い、強い鍼刺しもあれば、接触鍼のような体に優しいものもあって、鍼灸にもいろいろな道があり、いろいろな方向性があるということがわかりました。
 
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賀川秀眞先生は、接触鍼を取り入れた施術を見せてくださいました。滑らかで柔らかい鍼の使い方だと思いました

とても実り多き夏期大学でした。参加を薦めてくれた先輩方、夏期大学の先生方はじめ関係者の方々には、心から感謝しています。

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