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「第9回統合医療展2013」が東京ビッグサイトで開催 [2013.02.25]

2月19日、20日の2日間にわたって、東京ビッグサイトにて「第9回統合医療展2013」が開催された。この展示会は、セミナー開催や企業の展示を通して医師、看護師、薬剤師などの医療・福祉関係者を対象に、今後の医療のありかたとして西洋医学に東洋医学や各種の補完医療や伝統医学を組み合わせた「統合医療」を提唱することを目的としたもの。今回は、統合医療を実践する医師や鍼灸師によるセミナーが20講演行われ、70の企業や団体がブースを出展した。2日間の来場者数は11,978人にのぼった(同時開催の「メディケアフーズ展」の入場者数も含む)。

19日のセミナーでは、日本医科大学名誉教授で老人病研究会会長の川並汪一氏と後藤学園中医学研究所所長で老人病研究会常務理事の兵頭明氏が、「統合医療における“認知症専門鍼灸師Gold-QPD”育成講座の将来展望」と題した講演を行った。


川並氏は、2007年に日本医科大学武蔵小杉キャンパスに「認知症相談センター」を設立し、認知症が疑われる高齢者に対し、認知症専門医やケアの仕組みを 紹介してきた。認知症の治療はアリセプトなどによる薬物治療を主としており、これらの効果・効能は認知症の進行を抑制するもの。

 

もっと効果的な治療はないかと探していたところ、天津中医薬大学教授の韓景献氏が鍼で認知症の治療を行っていると知り、2009年に「認知症国際フォーラム」のシンポジストとして韓氏を招聘。韓氏は自身で開発した鍼治療により、認知機能の改善や周辺症状が緩和できることを報告した。

 

このシンポジウムをきっかけに、川並氏が主宰する老人病研究会は、認知症治療を専門とする鍼灸師を育成するための「認知症専門鍼灸師Gold-QPD育成講座」を設立した。 「Gold-QPD」の名称は、ギリシャ神話のキューピッドに由来するもの。キューピッドは黄金と鉛の矢を持ち、黄金の矢で射られると人は恋に目覚めるという。この矢を鍼に見立てて、認知症の高齢者を元気にする鍼灸師を育成するという目的で命名された。講座の開催に際して、兵頭氏が教育に当たることとなった。

 

 

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「認知症専門鍼灸師Gold-QPD育成講座」について解説する兵頭明氏

 

この講座では、研修プログラムをブロンズコース・シルバーコース・ゴールドコースの三段階に分け、認知症と高齢者の不定愁訴、鍼灸の技法、高齢者の介護と接遇などを学ぶ。ゴールドコースでは、地域の認定施設において鍼灸治療を実践する。


兵頭氏は、専門鍼灸師が治療を行った症例を報告し、笑顔や会話が増えた、裁縫を再開した、風呂のスイッチを使えるようになったなど、精神状態やQOLの改善が見られた事例を紹介した。


最後に兵頭氏は、「現在、『認知症専門鍼灸師Gold-QPD』の認定を受けているのは全国で約70名。将来は、高齢者入居施設に一人は『認知症専門鍼灸師Gold-QPD』がいるようになるのが目標だ。そのために、人数をもっと増やしていきたい」と今後の抱負を述べた。


午後のセミナーでは慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師で鍼灸師の鳥海春樹氏が、「代替医療の科学化-鍼灸から見たその価値と可能性-」と題した講演を行い、同大学病院における鍼治療の試みについて紹介した。


鳥海氏は資格取得後、治療院での修業を経て自身の治療院で頭痛の患者を主に治療していたが、なぜ鍼が効くのか分からないまま治療を行っていた。頭痛はいまだに病態が分かっていない部分が多く、頭痛の病態が解明できれば鍼が効く理由も分かるのではないかと考え、病態研究を目的に慶應義塾大学大学院医学研究科 に進学した。


鳥海氏は現在慶應義塾大学病院神経内科の「はり外来」にて、週1回診療を行っている。専門医による3カ月以上の薬物治療で改善しなかった重症の患者の治療を担当している。鍼治療により、3カ月で頭痛が起きる日数が減少し、重症度が低下し、痛み止めの薬が効くようになるという。治療と並行して、「なぜ鍼が頭痛に聞くのか」を解明するための基礎研究、病態研究を行っている。


この経験を踏まえて、「現在私は神経内科の専門医と共に頭痛患者の治療に取り組んでいるが、他の診療科でも同様に医師と鍼灸師が協同して治療にあたることができると思う」とした。そして「鍼灸に限らず、他の 東洋医学や代替医療が行っている治療を、医学的に『なぜ効くのか』を研究すべきだ。自分たちがやっている医療と、一番近いことをしている分野の医師と一 緒に考えていくのがよいと思う」と語った。

 

このほか、全国鍼灸マッサージ師協会は「ツボ刺激で美と健康にスイッチオン!」と題したプレゼンテーションセミナーを開催。セミナーでは、胃点・餓点・渇点などの耳のつぼに小さな粒状の鍼をシールで貼り、つぼを刺激することで食欲を抑え、痩身につなげるという施術を実演で紹介した。


同協会のブースでは、耳つぼ施術の無料体験が行われ、2日間で約800人が無料の施術を体験した。初日の午前中は医療関係者が多かったが、午後からは一般の参加者の割合が多かった。ブースには、施術を希望する来場者が次々に訪れていた。

 

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耳つぼへの刺激の効果を説明する中山哲志氏

 

次回の第10回統合医療展は、2014年2月19日・20日に東京ビッグサイトにおいて開催される予定だ。

 

 

 

 

 


 


 

 

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