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経絡治療学会学術大会の見所を聞く!
小林靖弘氏インタビュー [2013.03.04]

3月30日~31日の2日間にわたり、京都府の京都平安ホテルにて、第28回経絡治療学会学術大会関西大会が開催されます。「時を貫くもの―過去から未来を紡ぐ伝統医学」をテーマに掲げた今大会の見所について、会頭を務める小林靖弘氏にお話をうかがってみました。

――今大会のテーマ「時を貫くもの―過去から未来を紡ぐ伝統医学」には、どのような狙いがあるのでしょうか。

小林 今回の大会テーマは、関西支部で公募をして決めました。集まったテーマ候補の中から「これがいい!」と全員一致で選んだのが、この“時を貫くもの”です。

“時を貫くもの”には何があるかというと、伝統です。伝統という言葉を連想できたのが、テーマ決定の要因でした。経絡治療は、伝統医療や伝統鍼灸という言い方もあるからです。そこでサブタイトルに「過去から未来を紡ぐ伝統医学」をつけて、意味を補いました。

過去・現在・未来は綿々とつながっています。過去に生まれ、現在まで受け継ぎ、未来につないでいくのが伝統です。その伝統は、必要だからこそ、これまで受け継がれてきたのです。伝統医療である経絡治療を、過去と現在を踏まえた上で、未来へとつないでいこう、そういう思いを込めています。

 

 

――初日の午後には、小林先生の会頭講演「Creative the Tradition~伝統を創造する」があります。

 

小林 先ほどお話ししたように、伝統は過去から受け継いできたものです。しかしそうかと言って、過去にあったものをそのまま遺してきたわけではありません。時代ごとに、自分たちの地域や文化に合ったものへと変化させてきたはずです。おそらく、それは“創造”とも呼べるものです。

私たちは古典を学びますが、「古典は古いからいい」と短絡的に考えてしまいがちです。大切なのは、伝統として受け継がれてきている古典から、いまの臨床において、何が変わって、何が変わらないのかを見極めていくことです。そこに古典を学ぶ本質があると思います。

先代たちが遺し、受け継いできた伝統医療である経絡治療を現代にどう活かし、創造して、未来につなげていくか、そのあたりのことをテーマにお話ししたいと考えています。

 

 

――今回は特別講演が2つ、教育講演が1つと、講演が充実していますね。

小林 初日の特別講演は、香老舗「松栄堂」社長の畑正高先生にお願いしています。松栄堂は京都市にあるお香の老舗で、300年以上の歴史があります。「温故知新―香りとともに」と題して、時代を超えて受け継がれてきたお香の世界を紹介していただく予定です。

二日目の特別講演では、(財)電力中央研究所の林直樹先生が「鍼灸が変える―人口統計学と農村計画学の視点から」をテーマに登壇します。林先生は、人口統計学や農村計画学を専門に研究なさっていて、今回は高齢化が進む農村や無医村などに鍼灸師がどうかかわっていけるか、といった農村計画側が期待する職能につ いてお話ししていただきます。

二日目はさらに、(財)未来工学研究所の小野直哉先生の教育講演があります。「ある日の真実が、永遠の真実 ではない。見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさいー未来の鍼灸 展望と課題」と題して、今大会にも通じる“未来の鍼灸”のあり方について語っていただく予定です。

今大会ではシンポジウムなしでプログラムを構成しました。シンポジウムはどうしてもシンポジストの講演のようなかたちになってしまいがちなので、それだったらきちっとした「講演」という場を設けようと、特別講演や教育講演を充実させました。

 

 

――大上勝行先生と南谷旺伯先生の実技もあります。

小林 大上勝行先生は、経絡治療学会の関西支部をずっと支えていただいた池田政一先生に師事されていました。池田先生の研修会が毎月受けられたのは関西支部しか なく、関西で経絡治療を広めてこられた大恩人です。そこで今大会の実技に関しては、池田先生の“直系”のお弟子さんである大上先生にお願いするしかない、と思っていました。大上先生の技術解説はとてもわかりやすいのが特長です。

南谷旺伯先生には、接触鍼、“散ずる鍼”を披露していただきます。南谷先生は故・井上恵理先生の内弟子で、井上先生から学ばれた散鍼を長い臨床の中で発展させてこられました。あまりメディアに出られる機会が少ない先生ですから、必見です。

 

 

――二日目最後の岡田明三先生の会長講演はどのような内容でしょうか。

小林 岡田明三先生には「経絡治療はケアかキュアか」をテーマに講演していただきます。鍼灸が社会に受け入れられるようになったのは、当初はキュアの側面からで した。つまり、痛みの治療です。それに加えて最近は、社会ニーズの変化から予防医療の側面や癒しの側面も要求されるようになりました。これはケアの鍼灸で すね。

私自身は、鍼灸はキュアの側面を追究していくことによって、人々に貢献できるものだと思っています。また鍼灸の場合は、ケアもキュ アに含まれるのではないか、という考えです。岡田先生の講演をきっかけに、皆さんにも鍼灸と経絡治療におけるキュアとケアの側面について、考えていただけ るのではないかと期待しています。

 

 

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学術大会への意気込みを語る小林靖弘氏

 

 

――最後に、参加予定の方にメッセージをお願いします。

小林 私は皆さんに「京都に行けば、何かある」「京都から、何かが始まる」というメッセージを送りたいと思います。参加していただく方が何かを見つけて、喜んでいただけるような大会になるよう準備を進めています。

大会プログラムだけでなく、会場の京都平安ホテルも本大会の見所です。日本でも有数の庭園がありますから、ぜひ楽しんでください。庭園は中に入って散策でき るそうです。素晴らしい会場の雰囲気の中で、素敵な大会を創出したいと思っています。皆さんのご参加を心からお待ちしています。

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