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「アクティブ・リリース・テクニック」セミナーレポート [2013.03.18]

アメリカのMLBやNBAといったプロスポーツや、トライアスロンの世界大会などで公式治療法となっている「アクティブ・リリース・テクニック」のセミナーが、2月10 日から13日にかけて、明治薬科大学紀尾井町サテライトラーニングセンター(東京都千代田区)にて開催された。この治療法の創始者で米国公認カイロプラクティックドクターのマイケル・リーヒー氏、同じく米国公認カイロプラクティックドクターの新井一臣氏らが講師陣を務め、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの医療有資格者23人が参加した。

アクティブ・リリース・テクニック(以下、ART)とは、身体の筋肉や腱、靭帯などといった“軟部組織”を治療する手技療法である。解剖学や生体力学に則った施術を行う点に特長があり、アメリカでは医療特許を取得している。

ARTでは、筋肉(軟部組織)を使いすぎて生じた痛みの原因は、“癒着”にあるとしている。癒着とは、筋肉の傷が治る過程で、筋肉の内側にある血管からにじみ出たタンパク質や白血球によって、筋繊維・筋膜内が結束して硬くなったものを指す。この癒着がある状態のままだと、運動や時間の経過で痛みが再発しやすいという。ARTは癒着をとぎほぐして、身体のもつ治癒力を高めて痛みを解消していく。

ARTの治療の流れは、まず施術者が患者に「どんな時にどのように痛いのか」を問診し、症状の原因となる筋肉や腱を調べる。例えば、肩こりであれば、僧帽筋と肩甲挙筋が癒着しているのか、あるいは肩甲挙筋と棘上筋が問題なのか、施術者が仮説を立て、その上で触診を行って施術する部位を決定していく。

痛みの原因となる筋肉が決定したら、施術を行う。施術者は、痛みの原因となる筋肉に応じて、ゆっくりとした手つきで患者の首や腕などの身体を動かしていく。ときには、圧をかけながら身体をさまざまな角度に操縦する。ARTにおけるこの身体の動かし方は、医学的根拠に基づいており、“正しい方向”に動かすことで癒着を取り除くことができるという。創始者のリーヒー氏は、「ARTは筋肉をリラックスさせるだけの手技ではなく、筋肉にある問題を、患者自身が持つ治癒力を促進させて解消する手技と言えます」と、痛みの根本的な治療がARTの真骨頂だと説明する。

 

 

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セミナーでの実技の様子。新井氏が「上肢」の施術テクニックを指導する。

 

 

今回のセミナーは、そのARTの施術における「上肢」をテーマとしたプログラム。筋肉や靭帯などの組織ごとに細分化された106通りのテクニックの習得を目指す。施術方法は映像やテキスト(ともに日本語)を用いて解説し、講師陣によるデモンストレーションもある。実技では、参加者と講師陣が一緒になって練習を行う。プログラムのメインは実技で、割かれる時間は実技8割、講義2割といった構成だ。アメリカでリーヒー氏の指導の下、ARTの公式認定を取得した新井一臣氏は「セミナー期間の4日間でARTの106のテクニックを習得しなければならないわけですから、参加者に課せられる情報量は膨大です」とした上で、「参加者たちはセミナーでARTを体験・学習していく中で、この治療法の有効性を感じられるはず」と期待を込める。

ARTのメリットについてリーヒー氏は、今回のセミナーにおけるエピソードを交えて次のように説明する。「他の手技療法ではなかなか治らなかった筋肉や関節のトラブルが、ARTを受けることで治ることがあります。今回のセミナーでも、腕が痺れて字がうまく書けない患者さんに協力していただいたのですが、私がデモンストレーションで5分ほど施術を行うと、字が書けるようになりました。ARTはこのような即効性があり、なおかつ施術者のゆっくりとした手技によって、安全に治療できるテクニックなのです」。

セミナー最終日には、実際の患者に治療を行う実技テストがあり、これをクリアした参加者がARTの施術者として公式に認定を受けるという。

 

 

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セミナー講師陣。左から新井一臣氏、マイケル・リーヒー氏、阿部郁子氏。リーヒー氏は現在、

NFLのデンバーブロンコスのチームドクターや米軍特殊部隊のドクター等を務めている。

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