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治療家のセルフケア(5)
花粉症に効くマクロビオティック [2013.04.01]

患者さんによい施術を行うためにも、治療家として自分自身の健康管理は万全でありたいものです。本コーナーでは、治療家の先生方が日常の中で取り入れているセルフケアを紹介します。今回は、寺子屋TAO塾代表・食育エコロジストの波多野毅先生に、花粉症が悩ましいこの季節にうってつけのマクロビオティック料理を教えていただきました。治療家だけでなく、花粉症に困っているすべての人にオススメです。

 

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私は鍼灸・指圧の資格を取得した後、マクロビオティックに関心をもちました。そこで、マクロビオティック研究者のさきがけである久司道夫先生が創設した、アメリカのKushi Instituteという研究所に留学して勉強し、現在はマクロビオティックに関する講演や料理教室などに携わっています。

マクロビオティックは、ハリウッドスターやスーパーモデルたちが健康と美容のために実践していることをメディアが取り上げたため、数年前から日本でも注目され始めました。しかしマクロビオティックの大元は、日本の伝統食にあります。つまり、玄米や麦といった穀物、野菜、海藻などを中心とした食事法です。そこに、陰陽や医食同源など、東洋医学の考え方が織り交ざっているのが特徴です。

マクロビオティックという言葉は、マクロ(macro大きな)+ビオ(bio 生命)+ティック(tic術、学)の3つから成り立っています。日本語だと「玄米菜食」や「正食」と言ったりしますが、私は食の養生と書いて「食養」と呼んでいます。毎日の食がその人の命を育み、心身の健康を支えているわけですから、食は「養生」のいちばんの基本なのです。

さて、この季節にうってつけのマクロビオティック料理を紹介しましょう。花粉が飛び交う春は、花粉症に苦しむ方が多いと思います。そのような方にぜひ試してほしい一品が「蓮根と山芋のお味噌汁」です。

花粉症は、陰陽で言えば陰性過剰の状態です。乳製品や精白された小麦粉など、陰性の食材で症状が悪化します。マクロビオティックの考えでは、この陰性過剰の状態を中和する作用を持つ「陽性の強い食材」を採ることが重要となります。その食材が今回使う蓮根や山芋などの根菜です。

蓮根と山芋には、ムチンという成分が含まれています。包丁で切ったときにネバネバと糸を引くような粘質物がムチンで、これは栄養学的にも花粉症の症状を緩和するとされています。これらの根菜に加え、麦味噌と豆味噌も陽性の強い食材なので、お味噌汁に使うすべての具材が花粉症に有効です。つくり方はとても簡単ですから、どなたでもお試しいただけます。

「医者の不養生」という言葉がありますが、治療家が意外に疎かにしてしまいがちなのが「食事の養生」だと思います。ちょっとした不調は自分で鍼灸の技を使って治せますから、食を顧みないことがあるのではないでしょうか。私は食事と鍼灸が「東洋医学の両輪」だと考えています。食事がいかに重要であるかは、黄帝内経をはじめとした東洋医学の古典にも書かれていることです。ぜひ、毎日の食事に気をつかっていただきたいですね。

 

 

蓮根と山芋のお味噌汁

くしゃみ、鼻水といった不快な症状を抑える効果のある蓮根と、粘膜を保護する山芋のゴールデンコンビです。

 

●材料(2人分)

昆布椎茸だし:2カップ

蓮根、山芋(または長芋、やまと芋など):各50g

麦味噌:大さじ1と1/2

豆味噌:大さじ1/2(味噌の分量は好みで加減)

 

 

●作り方

1)山芋は大きめの一口大に切る。蓮根は皮ごとすりおろす。

 

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2)昆布椎茸だしと、山芋を鍋に入れ、ふたをして中~強火にかけ、沸騰したら弱火で約10分~15分、山芋が十分やわらかくなるまで煮る。

 

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3)すりおろした蓮根を加え、数分煮る。さらに麦味噌、豆味噌を煮汁で溶いて加え、1、2分火を通して出来上がり。

 

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【取材協力】
波多野毅(はたの・たけし)


寺子屋TAO塾代表・食育エコロジスト。1962年、熊本県阿蘇郡小国町生まれ。大学卒業後、東洋医学・ホリスティック医学に興味を持つ。鍼灸・指圧の資格を取得後、アメリカ留学。帰国後、故郷の阿蘇で「学び、癒し、交流の場」として寺子屋TAO塾を創設。「医食同源」を一歩進めた理論として、 医・食・農は三位一体であるという「医食農同源」を提言し、講演や執筆など多方面で活躍している。現在、熊本大学大学院博士課程にて「東洋医学的健康観と紛争解決・平和構築学」を研究中。

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