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治療家教育最前線! ケアプラスの事業所合同勉強会 [2013.06.10]

在宅療養者向けの訪問療養マッサージ事業を展開する、株式会社ケアプラス。同社は北海道から九州まで、全国に21の営業所があり、約500人の施術者が利用者のケアに当たっています。多くの施術者を抱えるため、スタッフの教育にはさまざまな工夫を凝らしている同社。その一つが、WEBを活用した複数の事業所による合同勉強会です。教育・研修担当の千葉武志氏にお話をうかがいました。

――ケアプラスでは、スタッフ教育にWEBを活用し、複数の事業所による合同勉強会を実施しているとお聞きしました。


千葉 私たちは、WEBカメラを活用して、離れた事業所同士をつないで合同で行う勉強会を定期的に開催しています。これはWEBを通して、例えば本社と名古屋、福岡などの事業所が、同時に同じテーマについて勉強するシステムです。この手法は、3年前から取り入れています。

元々、当社では施術者の教育に力を入れていました。全国21の事業所に、500人近くの施術者を抱えていますから、その施術レベルを一定以上に保っていくことを重要課題として捉えています。WEBを活用する前は、教育・研修担当の私が全国に出張して直接、技術指導や研修会を行っていました。しかし、限られた時間で事業所を回るのは限界があり、経費もかさみます。

どうしたものかと思っていたときに、ある事業者さんから「WEBカメラを活用してみませんか」という提案があったのです。それで実際に使ってみたら、パソコンとWEBカメラの機材があれば簡単にでき、事業所合同での勉強会も可能になるという利点が生まれました。しかも私が出張して研修を行うよりも、断然に低いコストで運用できています。


――WEBカメラを使った勉強会はどのように行っているのでしょうか。


千葉 勉強会にはいくつか種類があり、①事業所単体で行う勉強会、②事業所合同で行う勉強会、③社外の方々をお招きして行う勉強会に大別しています。WEBカメラを使って行う勉強会は主に②になります。「症例検討」や「施術ミーティング」といった内容が多いですね。③は、医師や理学療法士などの医療職の方に講師をお願いして行う大規模型の勉強会で、一部のケースではWEBカメラを使用します。

新人研修にもWEBカメラを活用しています。各事業所に配属された新人同士がWEBを通して一同に介し、仕事で不安に感じていることを共有し、話し合っていきます。最初は1カ月ごと、慣れてきたら3カ月に一度のペースにして、徐々に療養マッサージのスキルアップをテーマとした内容に移行していきます。

 

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WEBカメラを使った勉強会。本社と全国の事業所をつなぐ。

 


――事業所合同で行う勉強会の流れを教えてください。

 

千葉 合同勉強会は、基本的には本社を含めて4つの事業所が集まって行います。モニターを4画面に分割して、お互いの顔が見えるようなかたちで進行します。4つの事業所が集まると、約10人の施術者が一同に介すことになります。

症例検討をテーマとした勉強会の場合、流れとしてはまず、皆で自己紹介と近況報告を行い、本社からの連絡事項を伝えた後、症例検討をスタートします。勉強会の事前に施術者それぞれが、担当している利用者の症例を情報として書類にまとめておきます。症例は基本的に1人につき2つずつ出し合います。挙げる症例には基準があり、「施術のしやすさ」で4段階にグループ分けした利用者の中から、もっとも「施術しやすい」と感じるグループから1症例、もっとも「施術しにくい」と感じるグループから1症例です。

「施術しにくい」というのは、例えば施術を拒否する利用者や、意思疎通がとれない利用者、難病を何年も抱えているような利用者が当てはまります。施術者が個別に抱える困難なケースにどのように対応していくか、皆で検討して、施術プランを改善していきます。一方で、「施術しやすい」症例もなぜ検討するのかというと、そのような基本的なケースにもしっかりと対応してサービスを提供できないと、施術レベルの底上げにつながらない、という考えからです。

症例検討では、例えばパーキンソン病を抱える利用者が挙がったら、そもそもパーキンソン病とは何かといった病理学的な視点から、症状の特徴として筋肉が固くなることを踏まえて、どのような点に注意してマッサージしなければならないのか、という技術的な視点まで話し合います。皆で意見を出し合いながら、課題点や改良点を明確にして、その症例を挙げた施術者の施術プランに反映していきます。

 

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4つの事業所が参加する場合は、モニタを4分割

 

 

――勉強会で大切なことは何ですか。

 

千葉 継続して流れを追っていくということですね。勉強会を終えて「ああ、新しいことを学べてよかった」で終わるのではなく、新しく得た知識を実践に活かし、利用者のQOLを上げていくという効果を出してこそ意味を持ちます。ですから、施術者が症例として挙げた利用者さんについては、3カ月後、半年後と期間を置いて、継続して状況を報告してもらうようにしています。


――WEBを活用して行う勉強会のメリットは何でしょうか。

 

千葉 営業所同士の垣根を低くする、という点が挙げられると思います。他の事業所のスタッフと一緒に集まって、モニター越しではありますが、顔を合わせて勉強するというのは、それだけで楽しいものがあります。先ほどお話した新人研修でも、他の事業所に同時期に入った仲間がいて、それぞれ頑張っていることを知るのは刺激になるようです。

WEBカメラは勉強会だけでなく他の業務にも活用しています。事業所同士の所長会議を始めとした全国規模の会議や、顔を合わせたかたちで連絡し合ったほうがよい事柄については、WEBカメラを使うようにしています。これによって事業所同士の横のつながり、チームとしての連携がだいぶ強化されたと考えています。

チームとしての連携が強まったことが、教育にもいい影響を与えています。以前は、苦労して培ってきた技術を共有したくない、という考えを持つ施術者もいました。しかし、現在の勉強会のスタイルに移行してから、チームで学び、チームで向上していくという意識が浸透してきました。他者に教えることが自分の学びにもなりますし、そのような互いに教え合う関係が、よい職場風土を構築していくと思います。

 

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お話をおうかがいした千葉武志氏

 

 

――教育に力を入れることで、さまざまな面でよい効果を得られているのですね。

 

千葉 施術者の教育環境を整備して、一人ひとりのレベルアップを図ることが、ひいては利用者のQOL向上につながるからです。また、新しく私たちの仲間に加わろうとしてくれる人にも、充実した教育環境は魅力になるはずです。あん摩マッサージ指圧師という専門職として、常に新しい知識を学んでいく。私たちがその学びをサポートすることが、質の高い訪問療養マッサージの根幹だと考えています。

 

 

――教育環境の整備は利用者と施術者、両方にとってよいことなのですね。本日はありがとうございました。

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