今月の薬膳

2013

10

実りの秋のミートローフ

効く
滋陰 、潤燥 、生津 、補気血など

今月は、身体に潤いを与える白キクラゲ、りんご、梨と、気血を補うぶどう、そして肉の中では滋陰の作用のある豚肉を使ったミートローフです。からだに潤いを与え、秋の乾燥に耐えられる力を補います。

SE177_L.jpg今年は本当に、暑い暑い夏でした。湿度・気温が高く、35度を超える猛暑の日が続いたため、体調を崩す方も多かったのではないでしょうか。しかし、季節は巡り、秋が訪れ、そしてもうじき冬がやってきます。湿気と暑さの邪気から、今度は一転して乾燥と寒さの邪気にさらされる季節の変わり目を迎えます。10月は、とくに湿気から乾燥への転換の時期であり、からだを慣らさなくてはならない重要な時期です。

ところで、人体の臓腑には、乾湿の好みがあります。脾は湿潤を嫌い、乾燥を好みますが、肺は湿潤を好み、乾燥を嫌います。つまり、乾燥する秋から冬にかけては、肺の機能が落ちやすく、肺が統括する鼻やのどなどの呼吸器へダメージを受けやすくなるのです。皮膚を統括しているのも肺ですから、秋冬の季節は肌のトラブルにも気をつけなくてはなりません。五行の考え方からしても、秋は木火土金水のうち、金に属し、五臓では肺がこれにあたります。肺が影響を受けやすい季節だということです。

ここで、五行についてもう少し考えてみましょう。自然界を、前述の五つの物質の特性を基に分類したものが五行です。木は「生長、昇発、条達、伸びやか」、火は「温熱、炎上」、土は「成長、変化、受納」、水は「寒涼、滋潤、下降」そして金は「粛清、毅然、収斂」。このようなイメージで、自然界の事物や事象を分類したものなのです。あまり現代ではなじみがなさそうですが、結構この五行の名残りは、身近にも見ることがあります。例えば、金は、方角では西、色では白が配当されています。大相撲の土俵上には、西に白房がかけられています。ちなみに青房は東、赤房は南、黒房は北です(実際の方角とは違う場合もあるようです)。また、秋のことを白秋と言うこともあるようです。

ちょっと横道にそれてしまいましたが、秋の乾燥から身を守るためにはどうしたらよいでしょう。水分を多く摂取すればいいのかと言うとそうではなく、水分をしかるべきところに貯めておける保水力をつけなくてはなりません。この季節には保水力を高めてくれる滋陰の作用を持つ食材や唾液などの津液の分泌を高めてくれる作用である生津作用を持つ食材を多くとるようにしたいですね。

生津作用、滋陰作用を持つ食材にはどんなものがあるか、『中薬大辞典』からリストアップしてみると、「ナツメ、牛乳、烏梅(うばい)、サトウキビ、白キクラゲ、西洋人参、スターフルーツ、ヤマモモ、豆腐、あんず、すもも、りんご、麦芽糖の水あめ、レモン、ライチ、もも、あまざけ、ざくろ、梨、葛粉、トマト、サツマイモ、イカ、あひる肉、牡蛎、豚肉、ハマグリ、なまず、アワビ、スッポン、さより」などが挙げられます。

そこで今回は、潤いを与える白キクラゲ、りんご、梨と気血を補う作用を持つぶどう、そして肉の中では滋陰の作用のある豚肉をつかったミートローフを御紹介します。全体的にはからだに潤いを与え秋の乾燥に耐えられる力を補います。

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材料

豚ミンチ…500g
巨峰ぶどう…10粒
リンゴ…中1/4個
なし(幸水を使用)…中1/4個
白きくらげ(乾燥したもの)…5g
卵…中1個
塩…小さじ1
コショウ…適量
【ソース材料】
肉汁…50ml
しょうゆ…小さじ2
バルサミコ酢…大さじ1
砂糖…大さじ1/2
水溶き片栗粉…適量
(約4人分)

作り方

  1. 白きくらげは水で戻し、かたい部分を取り除いて、細かく刻んでおく。
  2. ぶどうは皮をむき、半分に切って種を取り出しておく。
  3. なしとリンゴは皮をむいて、芯を取り除き、大きめのみじん切りにする。
  4. 鍋に少量の水と刻んだ果物を入れ、弱火で3~4分煮込む。
  5. 4.を少しさまし、白きくらげ、とともにボールに入れ、豚ミンチを加え、手でよく混ぜ合わせる。
  6. 卵を割りいれ、塩を加え、コショウを振り、さらによく混ぜ合わせる。
  7. 材料を2等分して丸め、両手でキャッチしながら中の空気を抜く。
  8. クッキングシートを広げ、20㎝位の円筒形に包み、シートの端をひねっておく。
  9. フライパンを温め、⑧をのせて、水を100ml加えてふたをし、弱火~中火で約15分蒸し焼きにする。
  10. 肉汁にしょうゆ、バルサミコ酢、砂糖を加え煮立たせ、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
  11. ミートローフを切り分け、皿にもってソースをかける。
食材帰経効能
ブタ肉 甘鹹 脾胃腎 滋陰、潤燥
ナシ 甘微酸 肺胃 生津、潤燥、清熱、化痰
りんご 生津、潤肺、除煩、解暑、開胃、醒酒
ぶどう 甘酸 肺脾腎 補気血、強筋骨、利小便
白キクラゲ 甘淡 滋陰、潤肺、養胃、生津
鶏卵 滋陰潤燥、養血安胎
筆者プロフィール
瀬尾港二

history001.jpg1960年宮崎県生まれ。ICU理学科卒業後、85年~94年北京留学。北京中医学院針灸推拿学部卒業。卒後研修を経て、帰国。東京衛生学園を卒業後、後藤学園に就職。附属はりきゅう臨床施設院長として臨床にあたりながら、講義も担当。2010年3月退職し、同年4月港区高輪に「アキュサリュート高輪」(http://acu-salut.jp)を開設。

 

 

稲田恵子

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神戸市生まれ。養護教諭を経て93年~96年北京中医薬大学養生康復科にて中医営養学、中医養生学を学ぶ。帰国後、(株)永昌源にて勤務の傍ら中医薬膳に関する講演活動、執筆に携わる。その後㈱保健教育センターにて、特定保健指導継続支援を担当。現在、首都医校看護保健学科専任教員。保健師、看護師。

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