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千里の道も 一人から!鍼灸受療率アップ大作戦!

第4回 「鍼灸FACTBOOK改訂大作戦!始動」

●患物DATA●
『鍼灸FACTBOOK』2007年9月に鍼灸関連4団体AcuPOPJが発行。 鍼灸のPR活動の報道基礎資料として制作された。発行から10年。 一般の人に鍼灸を知ってもらい、受療率アップに役立ちそうだが、 情報更新の必要がある。

読売巨人軍・澤村投手への鍼施術報道によって、開業鍼灸師をはじめ鍼灸業界全体が風評被害にさらされたことは小誌11月号での報告のとおりである。「あの報道のあと、来院しなくなった患者がいる」という声もあった。鍼灸を必要としている人に、鍼灸が届かなくなってしまった。11月7日付で読売巨人軍は回答書を出したが、「鍼を受けたことのない人への影響」を拭い去ることはできない。澤村報道は「鍼灸受療率アップ大作戦!」においても、立ちはだかる「巨神兵」(byナウシカ)ならぬ「巨人兵」になるだろう。 気を取り直して、前回の「大作戦!」の続きを報告する。

【ブーム到来!? 】

  前回の「初めて患者」、熊本市在住のF.Sさんが最初に鍼灸治療を受けた中村鍼灸院には、FさんのひいおじいさんであるF.Aさんが通っていた――。意外な縁が明らかになり、Fさんと一緒に驚いたわけだが、その後、Fさんはおばあさん(F. Aさんの娘)を連れて、中村氏の治療院を訪ねたという。あいさつのため?と思いきや、治療のためだった。Fさんに聞いてみた。

編集Y  おばあさんを中村鍼灸院に連れていかれたそうですね。
Fさん  おばあちゃんは膝や腰が痛いというので、連れていきました。昼休みの時間に車で連れていけるのがいいですね。

おじいちゃんが通っていた中村鍼灸院に、今おばあちゃんが通っていることを、脳梗塞の後遺症がある叔母さんに話しました。叔母さんは最初は「怖いから行かない」と言っていたけれど、治療を受けてみたら夜よく眠れるみたいで、今、2週間に1回中村鍼灸院に通っています。中村先生にお灸を据えるところに印をつけてもらって、家でお灸を続けているみたいです。棒でモグサを伸ばして、灸点紙を貼って据えていますよ。雨の日は眠れないといっていたのが、眠れるようになったみたい。お母さんも、痛みがある人を連れていこうかな、と言っています。
編集Y  そうなんですか! おばあさんだけでなく、叔母さんも……。しかも、1回ではなく通っていらっしゃる。Fさんの周りで、鍼灸がブームになっているみたいですね(笑)。
Fさん  ええ。なんだか、大変なことになっています(笑)。

  鍼灸は広告制限がある。しかし、中村鍼灸院の院長・中村篤行氏が「一番大事なことは患者さんが患者さんを連れてくること」と言っていたように、口コミの力は大きい。中村鍼灸院は「患者さんとその家族、その親戚が通ってくることが多い」とのことだが、身体が「よくなる」という実感があってこそ、である。
   熊本での「大作戦!」により、鍼灸体験者が1人から3人に増えた。この一歩から普及の芽が育ち、痛みで悩む人に鍼灸という選択肢があることを知ってもらうきっかけになればと思う。

  今回の記事に目を通した中村氏からは、次のような感想が寄せられた。

中村  受療率アップの概念が、ただ単に鍼灸のイメージアップと患者による口コミの効果であるような書きぶりですが、一番の本質はその治療院の施術をする人間が病気を治す能力を持っていて、その実績をつくり上げることだと思います。言い換えるならば、患者の病気を治すことができないならば意味がないということです。

  こういった指摘を受け、今後「大作戦!」をさらにブラッシュアップしていこうと思う。

  ところで、Fさんの親族が中村鍼灸院に通い始めたあと、読売巨人軍・澤村投手への鍼施術報道が流れた。不安に思ったFさんは、報道内容について中村氏に尋ねたという。「だって、叔母さんも、おばあちゃんも鍼の治療を受けていますからね。何かあったらいやですよ」とのこと。中村氏が的確に答え、Fさんはひとまず安心したようだ。
   そしてもう一人、Fさんを紹介してくれたイラストレーターのH. Mさんからも、澤村報道について感想が寄せられた。

H.M  私自身は、赤ん坊のときから結構長く鍼に行っていたそうです。私は覚えていませんけれど。祖父母の勧めだったらしく、母親は「断れず行った」とか。
  (夜寝ない子で、夜泣きがひどくてその対策に行っていたらしいです。ちなみに、鍼に行った夜はよく寝たそうですので、効果はあったと思われます)
   しかし、妹のときは行きませんでした。やはり母は「怖い」という気持ちがどこかにあったみたいですね。それ以降、鍼の世話になるようなことはなかったのですが、巨人の報道を見たときに、母は「ほら、やっぱり怖い!」と、また思ったそうです。 < br />「普通の病院でも、誤診や薬間違いだってあるよ?」と言うと、「まあそうだけど……」という感じで、やはりあまり浸透していないのだなあと感じましたね。

  鍼灸のよさはなかなか浸透せず、風評被害は簡単に拡大。患者に説明を求められたとき、小誌11月号の「緊急報告」が少しでもお役に立てば本望である。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2017年12月号」でお読みください。