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東洋医学的な五行タイプと
心理学的な恋愛タイプとの関係について

新津成哉 古里亮磨 中村真通

【Ⅰ. はじめに】

  五行学説とは、自然界や人間などのさまざまな現象を木・火・土・金・水の5つの性質に分類し、その関係性を考える古代中国の哲学理論である。東洋医学においては五臓を中心とした五行分類によって組織・器官および生体現象の相互の関係性を整理、認識する。さらに心身一元論(心身一如)の考えから、五行の色体表には怒・喜・思・憂・恐といった五志や、これに悲・驚を加えた七情といった情動・情緒も配当、分類されている。
  一方、社会心理学の分野では恋愛感情の研究も行われている。Lee(1973)は恋愛のタイプを6類型に分類しており、本邦ではLeeの考えをもとにしながら松井ら(1990)が恋愛類型尺度Lee’s Love Type Scale 2nd version(以下LETS-2)を作成している。この尺度の特徴として、6類型は円環をなしており、同じ類型にある者同士は互いに理解も容易であるが、その対角線上にある恋愛のタイプは相性が悪いとされているなどの特徴を持っている。このように類型による関係がみられる点も興味深い。
  恋愛感情は社会心理学の研究対象であり、誰しも経験する感情であると思われるが、東洋医学のなかで恋愛タイプの分類を五行学説に当てはめる報告はみられない。そこで東洋医学的側面からみた五行分類と恋愛類型に関連がみられれば、古代東洋医学と現代社会心理学との関連性や患者や学生とのカウンセリング的かかわり、さらに身近にある恋愛に関するトピックスとして紹介することで、東洋医学に対する興味・関心の動機付けの一助となると考え、今回その関連性について検討した。

【Ⅱ.方法】

1. 調査対象者および手続き
  2016年11〜12月にかけて書面によるインフォームドコンセントを得た18歳以上の男女156人に質問紙を配布し、特定の人物への恋愛感情を想定して回答した137人について検討した。

2. 質問紙の構成
  質問紙の構成は以下の通りであり、「五行学説と恋愛タイプとの関連性」という名称で、自記式にて行った。中医学的問診票は、一般の人にも理解しやすいという理由から、『東洋医学の仕組み』(新星出版社)に掲載されている「兵頭式 健康度チェック表」を用い、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の5つのタイプを判別した。あわせて恋愛タイプについてはLETS-2を用い、「ルダス」「マニア」「プラグマ」「エロス」「ストルゲ」「アガペ」の6つのタイプを判別した。

(1)中医学的問診票
  「兵頭式 健康度チェック表」について、選択式にて回答させた。教示内容は「チェックシートA〜Eの10項目について当てはまる数字を1つだけ◯をつけて下さい」というものであった。回答方法は5(まさにあてはまる。ふだんから常にそうである)、4(あてはまる。ふだんからしばしばそうなる)、3(ややあてはまる。ふだんからときおりそうなる。体調が悪くなると必ずそうなる)、2(ふだんはあてはまらないが、体調が悪くなるとしばしばそうなる)、1(体調が悪いとそうなることがまれにある)、0(経験したことはない。まったくあてはまらない)の6件法であった。チェックシートのAでは肝、Bでは心、Cでは脾、Dでは肺、Eでは腎に関連しており、A〜Eのシートごとに集計したうえで合計得点が高いものほどその臓に不調があるとみなした。なお最低得点0点、最高得点は50点となる。



(2)LETS-2
  LETS-2について、選択式にて回答させた。質問紙は2部構成であり、項目42までは特定の人物を想定させて答えさせる。教示内容は「恋人や好きな人もしくは、家族以外であなたにとってもっとも親しい異性についてうかがいます」と「あなたの異性観や、恋愛に対する意見や経験についてうかがいます。以下の文章を読み、あなた自身にあてはまるところに〇をつけて下さい」であった。回答方法は5(まったくあてはまらない)、4(少し当てはまらない)、3(どちらともいえない)、2(少し当てはまる)、1(良くあてはまる)の5件法であった。逆転項目はなく単純加算によって尺度得点を算出するが、尺度の傾向が強いほうが得点が大きくなるように調整する。具体的には、ストルゲを除く5尺度は、(46-合計得点)を尺度得点とする。ストルゲは項目が1つ少ないので(41-合計得点)である。最低得点1点、最高得点はストルゲ33点、その他は37点である。

3. 調査項目の分析
(1)中医学的問診票とLETS-2の各カテゴリーの得点について、平均値と標準偏差を算出した。
(2)中医学的問診票とLETS-2の最も高い得点であったカテゴリーの割合について、χ2検定とカテゴリー間の関係を視覚化するコレスポンデンス分析を行った。
(3)中医学的問診票とLETS-2の各カテゴリーの得点について、スピアマンの順位相関係数を算出した。
  統計処理はSPSS Statistics Version 20で行い、有意水準を5%未満とした。

【Ⅲ.結果】

1. 各カテゴリーの得点について
  中医学的問診票は肝20.4±7.0、心18.8±7.5、脾20.2±7.2、肺14.8±8.5、腎18.3±9.8であった。LETS-2はルダス17.0±7.0、マニア18.5±8.2、プラグマ15.0±7.5、エロス21.2±6.7、ストルゲ19.3±6.2、アガペ19.4±7.4であった。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2018年4月号」でお読みください。