鍼灸治療が効く疾患、鍼灸の考え方とは?
公開日:2021年7月9日
はりクマ | 気持ちがいいから、OLの友達が鍼灸院に通っていたんですね! |
博士 | 気持ちいいだけじゃないぞ。鍼灸治療の効果がある病気には、運動器系、神経系、呼吸系などの疾患が多く、老人性疾患や難病も含まれている。 WHO(世界保健機関)やNIH(米国立衛生研究所)なども鍼の効果に着目していて、吐き気・嘔吐、頭痛、腰痛、変形性関節症などに鍼が効果的だという研究も多くみられるんだ。 |
はりクマ | 鍼ってすごいですね。 でも、鍼を刺しただけでなぜ効果があるんだろう。 |
博士 | 鍼の治効メカニズムについてはいろいろな研究が進んでいるから、ここでは東洋医学の考え方、鍼灸の考え方について教えてあげよう。東洋医学とは、人の体を全体としてとらえ、全人的に治療しようとするものなんだ。パーツでなく、全体を治す。この考え方に基づいて、経絡や人の体に約361あるといわれる経穴(ツボ)に、鍼や灸を用いて刺激を与え、自分の体に備わっている自然治癒力を高めるのが鍼灸治療なんだ。つまり、体全体のバランスを健康な状態に戻そうとする医療とも言えるんだよ。 |
はりクマ | 健康の維持に役立つのですね。 |
博士 | その通りだね。中国最古の医学書『黄帝内経素問』には「上工は未病を治す」と述べられている。発病に至るまでに早めに病気を発見して治療したり、患者の養生や生活指導を行い、病気を予防するのが良い医療者という意味だよ。これこそが東洋医学の真髄であり、目指しているところなんだ。 |
