オステオパシーアトラス マニュアルセラピーの理論と実践

オステオパシーアトラス

アンドリュー・テイラー・スティルによって創始され、様々な手技により主に筋骨格系、頭蓋骨、内臓などにおける機能障害を治療するオステオパシー。柔道整復師、マッサージ師、理学療法士、アスレティックトレーナーなど、多くの医療関連職種が実践しているオステオパシー手技について、原理およびそれぞれの手技について系統学的に解説するとともに、わかりやすく整理されている。
本書では、カウンターストレインやマッスルエナジーテクニックなどよく知られた手技に加え、靱帯張力バランス、リンパ手技、ファシリテイティッド・ポジショナル・リリース、高速低振幅(HVLA)手技、頭蓋骨オステオパシー、スティルテクニックなどオステオパシーで用いられるほとんどすべての手技を網羅し、手技の手順は1000枚以上のカラー写真を用いて解説している。また、写真上の矢印と注釈に従えば、読者は手技を容易に理解できるよう工夫されている。骨格筋の構造検査、可動性検査、触診検査、脊柱と骨盤の分節間検査など、読者が症状の診断基準と治療手技を関連付けられるようになっている。

ISBN:978‐4‐7529‐3090‐7
著者アレクサンダーS.ニコラス/エヴァンA.ニコラス
監訳赤坂清和(埼玉医科大学大学院教授)
仕様B5判 502頁
発行年月2010/08/03
3090-7
定価 本体 6,000円+税
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目次

オステオパシーの原理(検査、触診)
軟部組織テクニック
筋筋膜リリーステクニック
カウンターストレイン
マッスルエナジーテクニック
高速低振幅(HVLA)手技
ファシリテイティッド・ポジショナル・リリーステクニック
スティルテクニック
靱帯張力バランス・靭帯性関節ストレイン
内臓テクニック
リンパ手技
関節手技および混合手技
頭蓋骨オステオパシー

ページサンプル

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著者インタビュー

『オステオパシーアトラス マニュアルセラピーの理論と実践』には、オステオパシーで用いられる様々な手技が凝縮されています。マニュアルセラピーの使い分けやテクニックに関する最新情報などについて、著者の1人であるアレクサンダー S. ニコラス氏(Alexander S. Nicholas, D.O., F.A.A.O)に話を聞きました。

――『オステオパシーアトラス』にはオステオパシーで用いられる手技がほぼ網羅されています。アメリカではこれらの手技をどのようにして臨床で応用しているのですか。

 
A.S.ニコラス オステオパシーの手技がどのような使われ方をするかは、患者のタイプにより異なります。

 

もしじっくり患者と向き合えるようであれば、軟部組織テクニック(soft-tissue techniques)、マッスルエナジーテクニック(muscle energy techniques)、筋筋膜リリーステクニック(myofascial release techniques)、カウンターストレイン(counterstrain)、高速低振幅手技(HVLA)が、最もよく行われるでしょう。

 

もし患者を病院で治療するなら、リンパ手技(lymphatic techniques)と内蔵テクニック(visceral techniques)がより頻繁に使われるかもしれません。また、小児の患者であれば、頭蓋骨オステオパシー(cranial treatment)や間接的な治療がより一般的になるかもしれません。

 

つまり、術者側の理由によって判断するものではないのです。長年にわたり、軟部組織テクニックと高速低振幅手技が最も一般的な手技でした。というのも、それらの手技は、我々が最も扱うことが多い筋骨格系の疾患やそれに基づく関節疾患と同様に、筋筋膜の問題も治療することができたからです。また、他の手技と比べても、比較的すぐに行うことができましたからね。

 

 

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共著者のエヴァン A. ニコラス氏

――どんな症状のときにこの手技を用いればいいのかなど、もう少し具体的に教えていただけますか。

 

 
A.S.ニコラス 基本的には、問題が①急性か慢性かどうか、②病因が軟部組織由来のものか、それとも関節性のものか、③患者の全身的な健康状態がどういう状態かによって、手技の選択は変わってきます。ただその手技が現在適用可能であっても、患者の姿勢が少し異なれば、禁忌になることも考えられます。ですから、臨床では、術者はその手技が持つ力学的作用をよく理解し、患者の組織にどのような影響を与えるかによって、その手技を評価すべきものなのです。

 
手技の具体的な方法については、加速的な手技に限っていえば、書籍で学ぶには多少限界があるかもしれませんね。私たちの大学では、実技演習やビデオ、DVDを使って、『オステオパシーアトラス』で取り上げている実技を学んでいます。この点がこの本の改訂のときに反映できるかどうか、出版社とも検討することになるでしょう。

 

 

――今、最もホットな話題は何ですか。

 

A.S.ニコラス 『オステオパシーアトラス』には全米のオステオパシーの学校で教えられている手技がすべて含まれています。手技のある部分については、たとえば筋筋膜リリースを容易にしたり、低振幅/低速度の手技を行ったりするために、打診用ハンマーを用いるパーカッション的な手技(percussion technique)なども教えられたりしていますが、それほど普及はしていませんね。あと、内臓テクニックは、Barralによって有名となった型が加えられて近年復活してきています。

 

 

――ニコラス先生自身はどんな手技に関心がありますか。

 

A.S.ニコラス 私は『オステオパシーアトラス』におけるほとんどすべての手技を使っていますが、興味があるのはHVLAですね。というのも、HVLAは古典的な手技でありながら、最も国際的に研究されているからです。

 

ですが、それらの研究は、HVLAを二次的な手技に降格されるようなものがほとんどを占めています。機能障害に対する治療は速くて効果的な手技を求めてきた歴史があります。しかし、オステオパスたちは臨床のシフトをじっくり治療する間接法の手技に移してきました。こういった観点から、私はHVLAの直接法と間接法の対立に興味があるのです。

 

 

アメリカのオステオパシーの業界では、HVLAは直接法としてとらえるのが一般的です。一方、ドイツでは運動制限よりも疼痛部位に着目した使い方で関節法的にHVLAが用いられています。

 
また、リンパ系の病気とその研究が増えているので、私はリンパ手技にも関心を抱いています。

 

 

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生徒とディスカションする両氏

――日本の読者に一言。

 

A.S.ニコラス オステオパシーの治療と診断は、アメリカで生まれた医療体系です。その昔、アメリカの中西部には治療制度に失望していた術者たちがいました。彼らは東洋医学の哲学が西洋で一般的となるずっと前から東洋医学と西洋医学の両方を役立たせる制度を発展させるという考えを持っていたのです。

 
手で患者と対話し、治療する行為は、現代医学が忘れてしまっているように見える人との交流を継続させ、患者と医療関係者をむすびつけることに役立ちます。その関係はとても有益でお互いを補完し合うものかもしれません。オステオパシーは他の対症療法で改善の望みがないときにでも、患者にとてもよい利益をもたらす可能性を秘めたものであると私は考えています。

●アレクサンダー S. ニコラス

1971年、ペンシルバニア州立大学卒業。フィラデルフィア・オステオパシー医学カレッジ卒業後、同大学で教鞭を取りながら複数の病院にて臨床に従事する。米国オステオパシー学会(AAO)の理事などを歴任。現在、同大学オステオパシー手技医学科・教授兼学科長。

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