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第5回社会鍼灸学研究会が開催
はり師きゅう師免許とは何か? はり師きゅう師とは何か? [2010.08.25]

注目を集めた森ノ宮医療大学の坂部昌明氏

注目を集めた森ノ宮医療大学の坂部昌明氏

8月7日、8日、筑波技術大学で第5回社会鍼灸学研究会が開催された。同会は鍼灸の問題点を社会学の観点から考察することを目的に、同大学の形井秀一氏や箕輪正博氏らを中心に2006年に立ち上げられ、年1回発表の場が設けられている。

 

今回は「日本鍼灸の存在意義を探る―いま、改めて日本鍼灸を問う―」をテーマに開催。7日は若手研究者による研究発表会が行われ、8日は招待講演「現代における日本鍼灸の存在意義」(明治国際医療大学・矢野忠氏)などの発表があった後、全体討論が行われた。

 

中でも注目を集めたのは「はり術、きゅう術とは何か―法律の視点から―」を発表した、森ノ宮医療大学の坂部昌明氏。医業類似行為などの議論を紹介しながら、はりきゅう術が医行為であるととらえられるかについて話した。現在、はりきゅうに関係する法律には「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法、あはき等法などと略される)」がある。鍼灸界の問題点をつきつめていくと、この法律に帰結し、はりきゅう術とはり師きゅう師を分けて議論せざるをえないことが今回の討論でも強調されていた。坂部氏は従来から議論されているあはき法の問題点について多方面から考察。その上で、「あはき法は成立から60余年経過し、その内容は現状に合致していない。鍼灸師は自らの位置づけに明確な態度を示すことが要請される」と述べた。

 

研究会には、矢野忠氏(明 治国際医療大学)や小野直哉氏(財団法人未来工学研究所)も参加。矢野氏は世界の鍼灸から見た日本鍼灸の存在意義や、侵襲の少なさなど日本鍼灸の特色を紹 介した。小野氏は討論で、「これまでの西洋医学対伝統医学の構図が変わり、伝統医学内部の国同士の対立になった。人類の文化や英知の多様性の保障、伝統的 知識の多様性の保護・継承の観点から論議が必要だが、ナショナリズムに陥らないようにしたい」と警鐘を鳴らした。


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