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2011年春季東京操体フォーラム分科会開催 [2011.05.11]

2011年4月29日、東京都・千駄ヶ谷津田ホールにて、春季東京操体フォーラム分科会が開催された。今回は「快適生活のススメ―今よりワンランク上の生活を目指す生き方」がテーマであった。

 

操体では、自己最小限責任生活必須条件である「息食動想」の生活背反が、ボディの歪みと症状疾患に至ると考える。この4つの営みを、個々単独のものとしてではなく、生命全体を一体の総和としてとらえている。テーマ発表ではフォーラム実行委員が「息食動想」をいかに生活に活かすか、その実践法を発表した。なお、各発表テーマは「般若身経(身体運動の法則)」(岡村郁生氏)、「息(随意呼吸と不随意呼吸)」(辻知喜氏)、「食(食性)」(福田勇治氏)、「動(連動)」(西田尚史氏)、「想(救いと報い)」(畠山裕美氏)であった。

 

また、同フォーラムでは3年前から、手技療法の業界以外の分野において第一線で活躍中の方々を特別講師として招いている。操体は単なる治療技術ではなく、生き方そのものをとらえており、一流の方々は、その生き方(仕事)のなかに真意を貫いている。それが学びのヒントとなり、我々の日々の臨床に活かせるからである。今回は理事長と三十年来の交流があり、音楽プロデューサーとして四十数年にわたり日本のミュージックシーンを見守り続けている、ドリーミュージック・エグゼクティブプロデューサー、新田和長氏を講師に迎えた。数々の大ヒットを世に送り出し、現在も第一線の現場でアーティストと共に、作品を生み出している新田氏であるが、長きにわたる操体のよき理解者でもある。若いアーティストからも学ぶことがあるという姿勢、ビートルズという大スターを抱えたために、新人発掘を怠り、衰退していった米キャピタルレコードの話、横山大観の富士山の話、孔子、世阿弥の言葉(基礎ができてこそ、花が咲く)など、バラエティに富んだ講義であった。
 

その後、理事長三浦寛氏による講義が行われた。今回は「未来に向けての診断法についての考察」であった。目に見える現象や、触れて診る、からだの見方やとらえ方では、臨床そのものに限界があるのではないか。目に見えぬ不可視な世界(生命の本質)に目をむけてこそ、これからの臨床に結びついてくるのではないか、という内容であった。また、軟部組織の硬結、骨格の配列異常を治す、正すという発想をするよりも、まず循環(ながれ)をよくすれば、硬結も骨格の配列異常も改善できる。そのような試みがなされるべきではないかという提言でしめくくり、フォーラムは終了した。
 

なお東京操体フォーラム in 京都は、大徳寺塔頭玉林院にて8月28日開催予定。

(東京操体フォーラム常任理事 畠山裕美氏・報 白井智氏・写真)

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