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DVD『神経系モビライゼーション』のMr. Doug Alexanderインタビュー

DVD『神経系モビライゼーション』の「下肢編」が、「上肢編」に続き、治療家の注目を集めています。神経に着目したこの徒手療法は、アメリカでは比較的認知されていますが、日本ではこれから浸透していくと思われる新しい治療法といえるでしょう。DVDに出演したDoug Alexander氏に、神経系モビライゼーションのポイント、治療する上での注意点などについてうかがいました。

――最初に、先生のご経歴を簡単に教えてください。


Alexander 1982年にカールトン大学(Carleton University)で生物学の学士号を取得し、科学にも通じていましたが、実習指導をするうちに、自分は基礎ができていないと感じるようになりました。その後、人生に生きがいを感じるためには、相手ときちんと向かい合って積極的に重大な問題に取り組む必要があると考え、トロントにあるサザーランド=チャン学校(Sutherland-Chan School)でマッサージセラピストの勉強をし、1985年に卒業しました。トロントの学生時代には多くのコースを取得し、解剖および臨床の指導員になりました。ここ20年間は、オタワ州で生活し、治療をしながら教壇にも立っています。


アルゴンキン大学(Algonquin College)では、11年前、マッサージセラピープログラムの教授として学生に教えていました。今は2つのウェブサイトを管理していて、その1つであるTouchU.caのサイトでは、オンライン教育コースを提供しています。特に、このDVDを見ている方は、私のAbductor Hallucisコースや、近く公開予定のCarpal Tunnel Syndrome (手根管症候群)コースに興味を持たれると思います。

 

NerveMobilization.com http://nervemobilization.com/
TouchU.ca  http://www.massagetherapypractice.com/index.php


――神経系モビライゼーションの特徴、そしてメリットはなんですか?

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Alexander 神経系モビライゼーションの重大かつ1番の利点は、セラピストが神経系の観点から、それらを刺激している最も重要な問題が何なのかを決定できることです。これまでのマッサージセラピーのように、すべての軟部組織を正常化させたり、筋膜のバランスを保たせたりするようなアプローチとは、大きく異なっています。


このDVDでは、運動を感作(機械的ストレスを増加する操作)する神経テンションテストによって、最も過敏になっている神経系がどこかを判断できます。そして神経内外の浮腫を軽減する流体力学テクニックや、筋緊張を低下させる除圧テクニック・ストレッチ、結合組織制限のリリースなど、多岐にわたります。インターフェース(神経周囲の組織)内で、内部が癒着しているような神経を動かすテクニックもあります。私たちは不必要に患者を傷つけたりしないよう、神経の過敏性を尊重していますが、その神経の機能障害を改善させる段階的な技術があるということは、注目に値すると思います。

 

 

――この治療法をぜひ試してほしいという疾患を、いくつかあげてください。

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Alexander 神経系が刺激されているときは、いつでも神経系モビライゼーションが非常に役立つでしょう。しびれ、感覚脱失、反射低下がある場合、この治療をするかどうか、考えてみるべきです。これらはすべて神経圧迫、または過敏症の症状かもしれません。例えば神経鞘は、痛み、つっぱり、圧迫、それに神経の一部または神経の走行に沿ってさらに不快な感覚を増加させてしまうことがあります。特に、筋肉緊張や結合組織の制限、また、患者がなお筋膜の症状を持っているように見える場合、このDVDように、神経系を検査するべきです。

 

 

――神経系モビライゼーションには、副作用などを引き起こす可能性がありますか?


Alexander 他の治療と同じく、神経系モビライゼーションは、人を治療できると同時に、傷つける場合があります。この治療法は、神経系がつい最近、過度に伸ばされた状態なら、必要ではありません。つまり、神経が衝撃的(無理)に牽引されている場合、これらのテクニックは行わないでください。さらに、手術後の神経には、どんなタイプのストレッチ方法も行うべきではありません。


何人かのセラピストは、神経系の「グライド」とストレッチングテクニックを、神経系の障害に積極的に試そうとします。しかし、神経系はこれらのテクニックに最も容易に過敏反応するので、非常に危険です。神経系に過敏症が著しく見られる患者には、いつでも神経を緩め、減圧させるよう、セラピストには神経の周りや神経内の循環低下に注目するよう強くすすめます。

 

 

――日本ではまだあまり普及していませんが、海外ではどの程度認知されているのでしょうか?


Alexander 臨床医は、神経圧迫および神経過敏症候群に関する新しい考え方を歓迎しています。何が問題なのか、優先することは何か、それを患者の神経系に尋ねるこの方法に、興味を示しています。多くの臨床医が、授業コースを取得したり、ビデオを研究した後に、新しい根拠や有効性を見つけ出しています。


私たちは2010年の夏までに「the Low Back Pain, Pelvis and Lower Extremity video」と一緒に、オンラインでのホームスタディ(自宅自習)プログラムを制作する予定です。英語での勉強が可能な読者の方は、TouchU.caで利用することができるでしょう。

 

 

――今後注目される新しいテクニック、または興味のあるテクニックは何ですか?


Alexander 脳神経への神経系モビライゼーションの適用について、今考えているところです。例えば、私は顔面神経麻痺(ベル麻痺)へのアプローチについて研究しています。また、顎関節症(TMJ)に対し、口腔内のマッサージや患者への教育などを通じて治療していくことにも、今後取り組んでいきたいですね。

 

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