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本・DVD紹介

「予防医学」の観点から、患者さんに指導を
DVD「腰痛・肩こりの治療効果を高める インナーユニット・エクササイズ」

読売巨人軍、西武ライオンズなどプロ野球で13年トレーニングコーチを務めてきた宮本英治氏は、極限まで体を鍛えても腰痛や肩こりに悩む選手たちと苦楽を共にしながら、その痛みをなんとかできないか、ずっと考えてきました。そんな宮本氏が「予防医学」の観点から着目したのが、この「インナーユニット・エクササイズ」です。それは意外にも、筋力がない人や高齢者でもできる負荷の少ないシンプルな運動でした。インナーユニットとは何か、そしてなぜインナーユニットを鍛えなければならないのでしょうか。

――インナーユニットとは、なんでしょうか。

宮本 インナーユニットはコアの一部です。コアに医学的な定義はありませんが、四肢を除いた部分(体幹)をコアと考えた場合、インナーユニットはその中で腹腔壁を構成する筋群をいいます。

 

具体的には、腹横筋、多裂筋、横隔膜、そしてこれらを下から覆っているような骨盤底筋で構成され、骨盤や腰椎の安定化に貢献していると考えられます。この4つの筋は、その上下部分のように骨格で守られていないため、身体を動かそうとしたとき固定されにくい、つまり「ぐにゃっと」しがちな筋でもあります。

 

 

――そのインナーユニットが、なぜ重要なのでしょう。

 

宮本 手足がいい動きをするには、その「モト」になる部分がしっかりしていなければなりません。たとえば腹横筋はお腹の中のごく小さな筋肉ですが、人が手足を動かすとき、一番最初に収縮する筋肉だといわれています。現代人は、このインナーユニットが非常に弱くなっていると考えています。腹筋・背筋をしっかりやって、腹直筋や腹斜筋、脊柱起立筋を鍛えれば、コアを鍛えているともいえますが、プロ選手でもインナーユニットをみてみると、弱い選手が多々います。昔は生活上、自然に鍛えられていましたが、便利な現代社会であまり使われなくなっている筋だからだと思います。

 

このインナーユニットを鍛えると、まず自然に姿勢がよくなります。そして、それまで余計な負荷をかけたり、代償運動をさせていた部分にかかる負担が減ってきます。私が見ている選手もこのトレーニングを始めてから姿勢がよくなり、腰痛や肩こりはもちろん、ケガが少なくなりました。インナーユニットを鍛えたうえで、アウターユニットを鍛えることで、いいパフォーマンスができるようになったからでしょう。

 

――先生は、どうしてインナーユニットに注目されたのでしょう。

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宮本 一流の選手たちと長年一緒にいて、これほどの才能に恵まれ、最高の身体を持ち、計算され尽くしたトレーニングをしているのに故障が絶えず、最高の治療を受けてもまた再発する選手が多いのはなぜなんだろうと、ずっと考えてきました。プロ選手の宿命なんだろうかと思ったりしましたが、一流の選手をサポートするトレーニングコーチとして、そこであきらめるわけにはいきません。

 

海外の文献などを調べているうち、私もコアの考え方に行き着きました。体幹が鍛えられていないと手足もいいパフォーマンスができないとわかっていましたが、それまでも体幹は十分鍛えてきた。ならば、普段トレーニングで鍛えられていない部分、たとえばおなかの中にある筋肉を鍛えたらどうなるだろう、と考え始めたわけです。これは、プロ選手だけでなく、治療を続けていても腰痛や肩こりから解放されない一般の人にも共通することがわかってきました。

 

 

――プロ選手がやっているというと、一般の人には難しい運動なのでしょうか。

 

宮本 いいえ。腹筋や背筋ができない人でもできるような、負荷が少ない運動です。私は高齢者の方にも、レベルを調整して指導しています。特別な道具がなくてもできますし、スペースも成人男性なら畳1~2畳もあればできます。フロアマットなどを敷いて行えば、よりやりやすいでしょう。負荷も簡単に調整できるので、ごく軽い負荷から始められます。

 

正しく行うことが何よりも重要なので、最初は一番簡単な運動を2、3回からでもいいんです。腰痛や肩こりの人で医療機関にかかっている方は担当医に相談してから、治療院で治療中の方は、鍼やマッサージで痛みがとれ、急性期が過ぎたら、無理のない範囲から始めていただきたいです。

 

 

――どんな運動が多いのですか。

宮本 呼吸法が1つのポイントとなっていますが、最初うまくできなければ、ただお腹を引っ込めた状態から始めてもらっても結構です。動きは単調です。手足を上げるような運動もありますが、あまり動かない「地味」な運動も多いです。いかにも「鍛えている!」というトレーニングが好きなプロ選手にはいやがられますが(笑)、ジョークをとばしながら、でも常に正しくできているかをチェックしてあげています。

 

しばらく間があくと、間違ったやり方になっていたりもしますしね。簡単に見えても、ちょっとしたところが間違っていると効果がないので、最初はやはり誰かに見てもらったほうがいいですね。治療の仕上げの段階にさしかかったとき、治療家の方が患者さんに指導してあげると、非常にいいと思います。

 

 

――先生の運動セミナーには、幅広い層の方がいらしているそうですね。

 

宮本 いろいろな医療系の資格の方がいらしています。これからの高齢社会、治療家は治療だけでなく、患者さんのライフスタイルそのものを改善できるよう、導いてあげる力がないといけないんじゃないでしょうか。運動はその手段の1つとして、大変有効です。このDVDを大いに活用していただきたいですね。

 

 

 宮本英治(みやもと・えいじ)0426-4.jpg


鍼灸マッサージ師。西武ライオンズ、読売巨人軍などプロ野球で13年トレーニングコーチを務めた後、2010年4月、「コアスポーツ/コアスポーツ治療院」(東京都渋谷区)を設立。現在、松井稼頭央選手のパーソナルトレーナーを務めながら、一般の人々にも指導している。

 

 

 

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