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続・クル―ジング鍼灸師便り(最終回)
豪華客船のスパ [2010.09.20]

ダイナミックな氷河の間を縫って進むアラスカクルーズに乗船、活動中の森田智氏。その森田氏からクルージング便り第4弾(第123弾)が届いた。美しい景色で、日本のうだるような暑さを忘れさせてくれた森田氏からのレポートだが、9月で仕事を終え、いよいよ帰国の途につく。降船後も「豪華客船で働きたい日本人鍼灸師の力になれるような活動をしていきたい」と語る森田氏。乗船レポートは今回が最終となる。

ついに最終回となりました。4カ月半の乗船期間でしたが、あっという間に過ぎていきました。今回は私の職場のスパの写真を中心に紹介していきたいと思います。どの会社の豪華客船もスパは前方にあり、最上階に位置しています。見晴らしがいいからでしょうか? きっと素人にはわからない理由が何かあるのだろうと思います。スパにはジム、サウナ等も併設されているので、我々の治療やサービスを受けないお客さまもしばしば行き交います。特にシーデイ(一日中 海の上にいる日)は大抵混雑していますね。

 

受付です。ここで予約を取ったり、お会計を済ませたりします。プリンセスクルーズのスパはロータススパと言い、日本語では蓮を意味します。なので蓮と聞くと、暫くはこの船の事を思い出してしまうと思います。

 

 

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スパの中心部にはプールもあります。船の会社によって、スパの作りはコンセプトが違うのですが、プリンセスクルーズでは和風を意識しているようです。おかげ様で日本人の私は居心地がいいような気がします。プールの底に見えるのは、プリンセスクルーズのシンボルです。女神様の髪がなびいているイメー ジらしいですよ。それにしても海の真ん中でプールに入れるなんて贅沢な話ですよね(笑)。

 

 

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私の待合室です。ここで問診しながらカルテに記入していきます。左の黒いファイルには痛みやストレスに対する鍼灸の効果の統計や、今までに来院して頂いた患者さんからの感想が入っています。英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、日本語とそれぞれの国の方々から母国語で書いて頂きました。ただのコレクターにならないように気をつけたい所です(笑)。

 

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アメリカ、テネシー州出身のRobertさんです。治療に何度か通って頂いたのですが、鍼灸の効果に驚いていましたよ。満足して頂けたようで、私もとても嬉しかったです。治療目的以外でも、わざわざスパまで足を運んできてくれて、若い時に鳴らしたアメリカンフットボールの武勇伝をたくさん語ってくれました(笑)。後ろの山を見ながら、「こう言うアイスクリームあるよね」って言ってたのが印象的です。確かに(笑)。

 

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カナダのバンクーバーです。アラスカクルーズの寄港地では一番好きな港です。私は3年間アメリカのワシントン州にあるコミュニティカレッジに留学していたのですが、バンクーバーには週末になると友人達と毎週のように行っていました。ここに来るとあの頃を思い出し、何とも言えない気持ちになります。


写真にある白い三角形の建物は、カナダプレイスと言う名前の埠頭です。もちろん私の船の停泊する場所です。学生時代は物知らずも手伝って、 「あの白い建物はなんなのだろう」といつも気になっていましたが、こんな形で明らかになるとは思ってもみなかったです。この契約はバンクーバーで下船なので、3日程観光をしてから帰国する予定です。この仕事はこう言う点も気に入っています。他の鍼灸師の先生も欧州やアジア各国に立ち寄ってから、帰国したり しているみたいですよ。

 

 

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最後にスパのメンバー全員で記念撮影をしました。これだけ長い間、同じ空間で暮らしていると、だんだん家族みたいになってきます。みんな個性豊かで、いつも冗談を飛ばしあっていますよ(笑)。苦楽を共にしてきた仲間だけあって、別れは特別悲しいものですが、世界は広いようでいて狭いです。きっとま た会える事もあると思います。今はインターネットのおかげで、世界中どこにいても簡単に繋がっていられますしね。何年経っても、連絡は取り続けていきたいです。

 

 

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豪華客船の仕事を始めてから、時の流れの早さをより実感しています。この2年間を振り返ってみれば、2/3以上を船上で生活していました。初契約の 乗船前に会社の上司から「日本人鍼灸師で豪華客船に乗るのは、あなたが初めてです」と聞かされた時は、「本当に私なんかで大丈夫なのかな~」と、とても不 安な気持ちになった事を今でも覚えています。初めはわからないことだらけで、恥ずかしい思いも、失敗もたくさんしました。しかしすべて含めていい経験、そ して素晴らしい思い出となりました。世界の国々を自分の目で見てまわれた事はもちろん、友人、同僚、患者さんにも恵まれ、いろいろな国の人達に鍼灸という 仕事を通して、真剣に接する事ができたのが、私の人生の財産になっていると思います。時代は国際化社会で、もちろん鍼灸も今まで以上にグローバル化してい き、需要も一層高まっていくと思います。そんな中、私が日本で培った鍼灸技術を少しでも世界に広げる事ができたのだとしたら、とても嬉しく思います。私自 身、これからも船で働き続ける可能性もありますが、この先、豪華客船で働きたい日本人鍼灸師が出てきたら、橋渡しとなれるような活動もしていきたいと思い ます。短い間でしたが、本当にありがとうございました。

 

 

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