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書籍『よくわかる指圧テクニック―術者の体にもやさしい呉竹指圧―』著者インタビュー [2011.06.27]

学校法人呉竹学園東京医療専門学校で指導されてきた指圧テクニックは、"呉竹指圧"と呼ばれ、臨床でたくさんの患者を治療しても疲れが出にくいような様々なコツが凝縮されています。この指圧法を築き上げたのは、同校の講師を長きにわたり務めた榊原豊氏です。榊原氏の薫陶を受けた、本書の著者である岡本雅典氏に呉竹指圧の特徴や習得のアドバイスなどをお聞きしました。

―― 岡本先生も東京医療専門学校で講師を務められていますが、なぜ今回、呉竹指圧の書籍をつくろうと考えたのでしょうか。


岡本 巷で出ている指圧の解説書などを読むと、腰に負担のかかる姿勢で指圧のデモンストレーションを行っているような写真をたくさん目にします。私は常々、「こんなやり方で臨床に当たったら術者の体に疲れがたまって、何人もの患者さんを連続して治療できないよな」「術者が腰痛になってしまうよな」と思っていました。正しい型を身につければ、体に疲れをためずに指圧ができます。実際に東京医療専門学校では臨床で疲れをためにくい指圧法を指導しております。


今回はこういう指圧法もあるのでぜひ知っていただきたいという思いが強くなったので出版に至りました。あと、もう1つは、学校で指導してきた指圧法を本やDVDで残しておかないと、型がどんどん崩れていってしまうのではないかという危機感もありましたね。

 

 
―― 東京医療専門学校で指導されていた指圧、つまり呉竹指圧には、患者を連続して指圧しても体が疲れにくい要素がもともと入っていたということですね。


岡本 呉竹指圧では、垂直圧をかけるための型を重要視しています。では、垂直圧をかけるためにはどうすればいいのか。これを実践するためには、立ち位置、姿勢、体重移動の方向と量の“3要素”を定めることが重要になります。つまり、この3要素を正確に定めて、垂直圧をかけることが指圧の奥義なのです。

 
また、それと関連するのですが、「疲れない指圧をするための5ヶ条」と呼ばれるものも呉竹指圧にはあります。

 
指圧は臨床で使える技術でなくてはいけません。学校の90分間の授業で腰が痛くなるようでは話になりません。腰などに疲労がたまりにくい指圧が実践できるのも、呉竹指圧の特徴です。

 

<疲れない指圧を行うための5ヶ条>


その1:「テコの原理」や「地面反力」を多用すること。
その2:左右の肩の高さをそろえて「腰に負担がかからない姿勢」をとること。
その3:「安定した持続圧をかけるための姿勢」をとること。
その4:体重移動の量を必要最小限にすること。
その5:術者の下肢の動きを封じたまま、中腰姿勢をとらないようにすること。

 

 


―― 疲れない指圧を学べるだけでなく、本そのものにも、たくさんの工夫が見られますね。


岡本 まずこの本には、学生がおかしやすい「悪い例」の施術写真が載っています。長い教員生活から、学生がどういう間違いをおかしやすいかは全て私の頭の中に入っています。やはり間違った施術例を見せて、正しい施術と見比べることが重要です。読者が「こういうふうに直さなければならないんだな」と思えるような、そういう本づくりをしたかったというのがもともとありましたね。

 
また、疲れない指圧をするためのコツ、つまりどういう点に気をつければいいかを具体的にわかりやすく示すため、注目しなくてはならない箇所にマル印をつけたり、矢印をつけたりしています。さらにはそのマル印や矢印をつけたところと、解説文を番号でリンクさせ、より見やすくて、かつ勉強しやすい本づくりを心がけました。

 

 
画像 117.jpg―― この本を手にとった方にはどのようなアドバイスがありますか。

 
岡本 まずは手の形がきちんと決まるようになることですね。手の形とは母指のMP関節を突き出し、四指のMP関節も少し屈曲させて、母指の中手骨に体重が載せられるような形です。
多くの学生は手の形ができていない。だから、まず手の形をつくることが先決です。それができるようになったら、次は体の深部に浸透するような圧を患者さんに入れられるようになることを目指すといいでしょう。

 
そのためには先ほどの、立ち位置と姿勢、体重移動の方向と量が大事になってきます。この3要素をしっかり学び、強押しを身につけ、その後、弱押しができるようになると、やっと一人前と言えるのではないでしょうか。もちろん臨床では患者さんにとって適量刺激となるように心がけてください。

 

 
―― 先に強押しを学ぶのでしょうか。


岡本 弱押ししかできない人は強押ししても圧がひん抜けてしまいます。立ち位置と姿勢、体重移動の方向と量を定めて垂直圧を入れないと、強押しができないんですよ。だから、まずは強押しを身につけることが先決です。逆に言うと、圧が垂直圧になっていれば、弱押しでも効果のある指圧になります。

 
でも、習得はそう簡単ではありません。あん摩マッサージ指圧は職人仕事なので、「石の上にも3年」ではないですが、ちゃんとした技術を持っている先生のもとで、最低3年、5年ぐらいはしがみついて、練習に当たらないといけません。今の人は1、2年で辞めて次のところに行きたがってしまいます。それでは得るものも得ずに辞めていくということになってしまう。やはり技術がしっかりとした腕の良い先生を見つけたら、給料なんか安くたっていいから、その先生に一生懸命ついていきなさいと言いたいです

 

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岡本雅典(おかもと・まさのり)


1969年、東京都生まれ。日本大学法学部政治経済学科卒業。1996年、東京医療専門学校鍼灸マッサージ科卒業、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指 圧師免許取得。1998年、東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成課程修了後、同校に講師として勤務。2004年、東京都立川市に「治療室ホスピター レ」開業。開業の傍ら、指圧実技の講師を継続し、多忙な日々を送っている。

 

 

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