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本・DVD紹介

劉勇氏の『治療を変える70のことば』
出版記念・特別公開セミナー開催

数々の著名人、アスリートを治療してきた劉勇氏の最新刊『治療を変える70のことば』が発売になりました。4月15日、同書の出版を記念した特別公開セミナー「患者様の心をつかむ真髄」(主催:Dr. Liu Method劉臨床塾)が開催されましたので、ここではその模様をレポートします。

『治療を変える70のことば』(以下、『70のことば』)には、劉氏が数十年にわたる臨床と研究で培ってきた治療哲学や治療家としての心構えが記されています。また本の後半には、鍼の刺し方や刺激方法、腰痛治療や膝痛治療の手順などが写真で解説されています。

 

セミナーは、治療を3回行っても改善が見られない患者さんが実はがんだったという、昔の治療エピソードからスタート。このケースでは、病気のすべての原因ががんであることを治療している過程で突き止めないと、延々と主訴に対する治療を繰り返してしまいます。劉氏は腹診で異常を察して、がんの存在に気づいたそうです。

 

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講演中の劉氏

 

ここからわかるのは、病気を熟知しておくことの大切さです。鍼灸マッサージ師は身体のことを熟知しておかなければいけないと、『70のことば』にも書かれています。セミナーでも劉氏は次のように受講生に語りかけました。


「学校で習ったことは覚えていますか。それぞれの脳神経が出る場所を覚えていますか。すぐ忘れてしまいますよね。私もそうでした。でも、それではだめなんだ。知識は商売道具だから」

 

また、がんなどの腫瘍に対しては、腫瘍そのものを鍼で取ることはできないと劉氏はいいます。「できる部分とできない部分を分けていかないといけない」と述べ、治療方針を説明する大切さを解説しました。

 

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痛くない鍼をする前に、患者の緊張をゆるめる必要があると劉氏は説明する。まくらはそのために足首の下に置いている。患者が緊張しているか、したいないかは汗でわかるので、鍼が初めての患者なら1、2回の治療で手に汗をかかせないよう気持ちの良い鍼をする。

 

 

そして、『70のことば』では、脳を動かす治療にも言及されています。セミナーでも脳への刺激伝達の重要性が述べられ、鍼刺激に加え、患者の意識を脳が作用するように持っていくことで痛みの消失を狙うようにアドバイスがありました。また、劉氏といえば、ビートたけし氏の顔面神経麻痺を治療したことでも知られています。顔面神経麻痺にも使える、脳を動かすツボが紹介され、さらに五十肩で効果のあるツボも紹介されました。

セミナーの後半では、劉氏が実技を紹介しました。痛くない鍼の刺し方、置鍼に対する考え方などを、受講生の質問に答えながら、細かく指導していきます。また、セミナーの前半に解説があった、顔面神経麻痺や五十肩のツボに対するマッサージ(圧の入れ方)や刺鍼テクニックについても紹介がありました。大事なのは鍼の角度ということで、効かせる方向に合わせた角度設定について詳しい説明がありました。

 

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【左写真】「刺した後、すぐに雀啄したり、回旋する人もいるが、焦らないように」とアドバイス。また、「鍼を入れるときと同じくらい出すときも大事だ」とも。
【右写真】顔面神経麻痺に対するツボの刺し方の説明のため、耳に鍼管を置いて、角度を説明する劉氏

 

 

セミナーの最後には、劉氏からいくつかのアドバイスが受講生に送られました。その中からいくつかを以下に紹介します。


・自信を持って治療すること。
・医療では財布を計算しないこと。
・患者さんに方向性を教えてあげること。

 
鍼灸師にとって、大事なことはテクニックだけではないと劉氏は言います。


「患者さんの身体を誰よりも触っているのだから、我々は患者の病気の細かな兆候をつかみ、その後のこともしっかり指導できるようにならなければいけない」

 
これは『70のことば』でも書かれている、劉氏の伝えたいことの1つです。


2時間のセミナーが終わった後も、熱心に指導を繰り返す劉氏。受講生1人1人に「頑張って!」と声をかけ、握手している姿を見て、なぜ劉氏が患者さんから支持されているか、その理由がわかるような気がしました。

 


≪劉氏から読者へメッセージ》


本書を書き終わった直後ですが、私自身がもう一度、この本で勉強したいと考えています。というのも、我々臨床家はとにかく忙しい。臨床を続けていると、ついつい忘れてしまうことが多々あります。物忘れぐらいだとたいしたことにはなりませんが、治療の考え方や患者さんへの接し方のポイントを忘れると臨床では大きな問題となります。つまり、それは治療の見落としや、患者さんへの言葉足らずな部分が出てくることを意味します。また、それによって、患者さんの回復度合いが異なり、患者さんの病気の理解度にも大きな差が出てくるからです。


いかに患者さんの心と身体と一体になり、治療をしていけるか。本書はこのような考え方に基づいて執筆されており、臨床で使える“ことば”がたくさん載っています。本書で使えると思ったことはどんどん試して、他の臨床家の方にも伝えていっていただきたいと考えています。それが鍼灸界全体の発展にもつながるし、病気に苦しむ人を助けることにもつながると自負しています。


鍼灸治療は自由診療だから、保険診療より効果を出すことが求められます。効果が出ないと患者は来ません。しかし、効果を出すことができれば、医療費の削減にもなるし、社会にも貢献できます。ぜひ本書を手にとっていただき、たくさんの人に広げていただければと思います。


 

 

劉勇(りゅう・ゆう) Dr. Liu Yong


医学博士、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
Dr. Liu Methodハリアップ院長、Dr. Liu Method劉臨床塾代表、北里大学薬学部客員教授、東北楽天ゴールデンイーグルスコンディショニンググループ顧問、瀬田クリニック新横浜 がんケア・リハビリセンター鍼灸・疼痛緩和ケア外来監修。中国北京中医薬大学顧問、中国認証外国専門家。

 

 

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