『ファッシャル・リリース・テクニック』(2012年)
日本での筋膜ブームの火付け役となった書籍がThomas Myers氏の『アナトミー・トレイン』(医学書院、2009年)だろう。アナトミー・トレインは、人体を走る「筋筋膜経線」を鉄道路線に見立て、姿勢や動作から全身を評価し治療する理論だ。その理論を実践的なテクニックとしてまとめたのが『ファッシャル・リリース・テクニック』(2012年)である。
本書では、7つのアナトミー・トレインの観点から、筋膜リリースの理論や構造的バランスを失った症例の姿勢や変形、それらを改善するための治療技術について具体的に解説している。
なお、本書は以下のポイントを加え、2019年に増補改訂版を出版。さらに筋筋膜へのアプローチ法を突き詰められる内容になっている。
【ポイント】
① 手技治療のプロセス写真を全面的に分かりやすい角度で再度撮影
② 全編の和訳をよりわかりやすい表現に見直し
③ 全身姿勢評価法の一つ、構造バランスの歪みやねじれを視診でとらえ、クリニカルリーズニング(臨床推論)の理解を深める「ボディリーディング」の「上級編」を各部位ごとに追加