ISO/TC249
第5回全体会議・第5回ワーキンググループ(WG)会議報告

東京有明医療大学 東郷俊宏

  去る2014年5月26日〜29日、「ISO/TC249」の第5回全体会議がハイアットリージェンシー京都で開催された。参加国は12カ国で計211人が参加。これまでで最も参加人数が多かった前回の南アフリカでの170人を大きく上回った。鍼灸関連のWG3とWG4の検討を進めているメンバーとして、日本からは筆者のほか、学会関係者では形井秀一(筑波技術大学)、木村友昭(東京有明医療大学)、松本毅(千葉大学)、和辻直(明治国際医療大学)の各氏と、北里大学と富士通研究所のグループ等が、またメーカーからは日理機工から中野亮一、金安義文、斉藤健司の各氏が参加した。
  1日目の午前中に全体会議を行い、1日目の午後・2日目・3日目は5つのワーキンググループ(WG)が個別に開催され、4日目にWGで検討した内容を踏まえて、再び全体会議を行い、議決文を確定するという流れとなった。

【第5回全体会議】

  今回、全体会議の焦点となったことの一つに、アーユルヴェーダを議論の対象に入れるべきかどうかという議題があった。「アーユルヴェーダの薬物のうちいくつかは中国医学で用いられるものと重複するため、検討項目に入れたほうがいい」という意見が上がるなど、賛否が分かれるなか、日本は「検討項目にいれるべき」というインドの立場をサポートした。最終的には後日、正式な投票を行うことが決まった。
  また、教育サービスに関係する規格についても、議論の対象に入れるべきかどうかが話し合われた。世界中医薬学会(WFCMS)の提案で検討が行われることになった議題だが、日本・ドイツなどの国から反対の声が挙がり、現時点では入れないことが確定した。
  さらに今回の会議で、医療機器や医薬品の安全な使用と普及にかかわるものに限定することが全体の議決文に盛り込まれ、それをどのように使っていくかという臨床的な実践(clinical practices)に関するものや、どういう病気に使うかなど医療機器や薬物の実際の適応(application)については、議論の対象としないことが決まった。これについては、後述するWGでの検討内容のところでも説明していきたい。

【WGについて】

  WGのうち本稿では、2日目に開催された鍼に関するWG3(鍼灸鍼の品質及び安全性)と3日目に開催されたWG4(鍼灸鍼以外の医療機器の品質と安全性)について報告する。
  WG3とWG4については、2月14日、15日にオーストラリアのシドニーで合同会議が行われて以来の開催となった。

【第5回WG3会議】

①安全性のガイドラインについて
  WG3では前回のシドニー会議にて、鍼灸治療に使う鍼だけではなく、鍼灸領域の安全性まで検討対象を広げることで合意を得たため、それを踏まえて検討が進められた。
  今回、中国からは「危険なツボに対する刺鍼のガイドライン」の提案が、韓国からは「鍼灸治療の安全性コントロールに関するガイドライン」の提案がなされた。韓国案はあまりにも幅が広いので感染のコントロールに限定して次のステップに進めることでWG内での合意を得た。日本は、中国案に対しても、WHOのガイドラインを踏まえつつ協力すること、また韓国案に対しても参画する姿勢を示した。
  しかし、最終日の全体会議で、ドイツから中国提案については、「危険なツボに対する鍼灸治療のガイドラインを決めることは、臨床的な実践(clinical practices)を除外する全体会議の決定に違反するのではないか」という反対意見が挙がり、WG3のディスカッションに差し戻されることになった。

②皮内鍼について
  韓国から提出されて、日本が共同プロジェクトリーダーを務めることになった皮内鍼(Intradermal needle)の規格については、引き続き規格文書の作成を進めていくことが報告された。今後は日本が中心となって規格開発が進められる予定である。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2014年7月号」でお読みください。