冷え症患者に対する ハーブボール 温熱ケアの活用法

ひだまり堂 加納由美

  冷え症の患者への養生指導として皆さんはどのような提案をされているだろうか? 食事や運動療法などさまざまな方法が挙げられるが、簡単で、気持ちよく、効果が出やすいものでなければ、なかなか患者は継続してくれず、養生指導に悩む方も多いのではないかと思う。
  そこで本稿では、タイの伝統療法であるハーブボールによる冷え症患者のための温熱ケアをご紹介したい。多くの冷え症の改善に役立てていただけると幸いである。

ハーブボールについて

  ハーブボールとは、数種類のハーブを布に包んでボール状にしたものを蒸し、それを身体に押し当て、転がしながらマッサージを行うタイの伝統療法の一つである。旅行先のタイで初めてハーブボールマッサージを体験したとき、ハーブの香りと温かくゆったりとしたリズムの施術に、体の芯まで温まり心まで癒された筆者は、その心地よいマッサージに魅了され、その後何度もタイに足を運び、さまざまな土地でハーブボールについて学んだ。
  タイの伝統医療は、約2500年前インドのアーユルヴェーダと、中国の漢方医学を融合して成立したと考えられており、「セン」と呼ばれる経絡に似たエネルギーラインの考え方など、私たちの学ぶ東洋医学と共通する点も多い。ハーブボールもそのなかの一つで、主に民間療法として受け継がれてきた。
  現在タイでは、国立病院などで治療や産後ケアとして行われるほか、治療院、観光客向けのタイマッサージサロンやSPAなどで取り入れられるなど、さまざまな形で普及している。

 

ハーブボールの効果・活用法

  ハーブボールの特徴は、ハーブの薬効成分を直接肌から取り入れられること、温めながらマッサージすることで得られる温熱刺激と押圧刺激の相乗効果による温熱作用、血行促進、筋緊張の緩和や、ハーブの香りによるリラクゼーション効果が期待できることにある。  
  これらは、血行不良や自律神経の乱れからくる冷えの症状の改善に対しても有効であり、治療院での施術に用いるほか、自宅での継続的なセルフケアとして冷え症に対する養生指導を行うことができる。  
  ハーブボールは、タイから直接輸入したり、インターネットで購入したりするほか、自分で作ることも可能である。筆者の治療院ではハーブボールを使ったセミナーも人気で、ハーブボール作りに興味を持つ患者も多く、楽しみながら身体のケアの方法を伝えるツールとしても活用できる。  
  そこで次に、ハーブボールの作り方と基本的な使用方法を説明したい。

ハーブボールの作り方

  ここでは、ハーブボールの基本的な作り方を紹介する。
【材料】
①ハーブ フレッシュハーブの場合は約250g、ドライハーブの場合は約150gのハーブを用意する。
②木綿の布  40㎝×40㎝の木綿の布を使う。
③タコ糸  150㎝のタコ糸を使う。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2014年11月号」でお読みください。