花粉症を改善する薬膳メニュー

薬膳サロン 新開ミヤ子

  中医学では体内の気が充実していると、身体を守る防衛力や抵抗力を持つ衛気が、皮膚、鼻や喉の粘膜など身体の表面に目には見えないバリアをしっかり固め、気候の変化で体調を崩すことがなく、外邪の侵入を防いでくれたり、侵入した外邪を早く追い出したりする働きが身体に備わるとされている。  
  花粉症を発症するときは、この衛気の機能低下があり、花粉に対する過敏な反応を起こすが、主な原因として、体内の余分な水、または水の滞りがあると考えられる。体内で処理できない余分な水は水飲となり、衛気の働きが弱っていると、花粉の影響を受けて花粉症の症状である、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを引き起こしやすくなる。  
  水飲を作る原因は、五臓のうち体内の水のハンドリングをしている脾、肺、腎の機能低下が関与している。胃腸の機能全般をつかさどる脾、呼吸器系で宣発と粛降によってできた水を全身に運ぶ働きを担う肺、先天の気と水をつかさどる腎のなかで、どこが弱っているのかを知ることも花粉症の根本的な改善には必要とされる。特に脾、肺、腎は体内の気の生成にもかかわるため、気の低下を改善することはとても重要である。  
  また現代人はストレスにより、肝の働きが悪くなり、脾や肺に悪影響を与えていることも少なくない。中医学では、ストレスは肝を守る働きである疏泄という働きを低下させる。  
  疏泄の具体的な働きは「体内の気の巡りをコントロールする」「精神を安定させる」「消化を促進させる」の3つが挙げられる。ストレスによりこれらの働きが低下すると、胃腸へのダメージ、気の流れが阻滞されることによる体内の水の停滞など、花粉症の症状を引き起こす原因を作りやすくなる。  
  虚弱な人だけが花粉症を発症しているわけではないので、ストレスの関与も否めないだろう。

花粉症改善のメニュー

  薬膳では、これらの中医学的な考えにより、花粉症改善のメニューを組み立てていく。

1)気を補う食材
  気を補う食材として、穀物、芋類、豆類、きのこ類、南瓜、キャベツなどが挙げられる。消化吸収のしやすい料理にして使えば、衛気の働きを高められる。

2)体内の余分な水の排出を促す食材
  体内の余分な水の排出を促す食材は、小豆、ハト麦、とうもろこしのヒゲ、とうもろこし、胡瓜、冬瓜、空豆、ドクダミ、ウドなど。体内に余分な水を停滞させる原因には、甘いもの、お酒、濃い味付け、脂っこい食事などが考えられる。今控えるべきものを知ることも薬膳では大切なこととなる。  
  また胃腸が弱いと、摂取した飲食物の液体を必要な水に変えられず、病理変化させてしまい水飲を作ることがある。そんなときは胃腸に負担のかからない食材、調理法で胃腸のケアをすることも大切である。

3)脾、肺、腎を補う食材
  脾、肺、腎を補い機能を高めると、体内の気の不足を防ぎ、余分な水を停滞させない。
①脾を補う食材
  自然な甘みを持つ穀物、野菜類、豆類、きのこ類に多い。
②肺を補う食材
  薬味、スパイスなど辛味の味を持つ食材、また白胡麻、白きくらげ、蓮根、梨、百合根など白くて、潤いを与える食材。
③腎を補う食材
  黒胡麻、クコ、牡蠣、ニラ、クルミ、栗、エビなど。

花粉症のタイプ別の食材

  花粉症の症状からも食材を考えることができる。体内のバランスをどのように整えればよいかを考えていく。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2015年2月号」でお読みください。