創傷治癒機転に着目したICCO式美顔はり(動画あり)

田中一行 氏

【皮膚の再生力】

筆者は開業当初、美容鍼灸には興味がなかったが、患者のニーズがあり、2007年頃から美容鍼灸について調べ始めた。複数の勉強会に行き、臨床では多数の鍼を顔面部に置鍼する美容鍼灸を行っていたが、2013年にその方法にいったん区切りをつけ、1年間皮膚について学び、納得のいく機序とやり方を探した。皮膚の構造に着目したところ行き当たったのがダーマローラーである。ダーマローラーは医療用ステンレス製の針が200本ほどついたローラーで、肌表面に直接転がし、微小な刺傷をつけ、その修復によりコラーゲンが増えることによって肌を治療する。この傷の治る作用が創傷治癒機転である。鍼に置き換えて行ってみると、目に見える肌の変化が起きた。作用機序についてはこの段階で皮膚科医にも確認している。

ただ、鍼を複数本持って刺すと痛みがあり、刺鍼深度も安定しない。道具の改造を考えたが、最終的には鍼管を使って速刺速抜の動作を繰り返す方法が一番よかった。自分の膝頭を顔に見立てて練習を繰り返し、速く丁寧な刺鍼ができるようになった。技術が安定し、実際の臨床に用いる2カ月前には患者以外のモニター10人に毎週来院してもらい、施術を受けた感想や皮膚の変化を記録。効果も確認できた。そのようにして生まれたのが「ICCO式美顔はり」である。「ICCO」は「傷を付け(Injure)、修復し(Cure)、コラーゲンを(Collagen)、獲得する(Obtain)」という、作用機序を英語で表したときの頭文字である。2014年から実際の臨床に用いている。


施術の様子を本WebサイトおよびYouTubeに公開しています。

【施術時間の価値観を変える】

ICCO式美顔はりは、できるだけ早く、できるだけ短い時間で、できるだけ多くの傷をつけるのが特徴である。エステやリラクゼーションも施術時間が長ければ料金が高いという価値観があるが、ICCO式美顔はりは「ファストビューティー」を目指す。全体の治療時間を短くすれば、患者の時間の価値を高めることにもなる。短時間でも高い美容効果が得られるなら、患者は納得する。

【帝国ホテルでの施術】

2015年、当院(群馬県渋川市)の近くに整形外科、皮膚科、形成外科、リハビリテーション科を有する医療法人石井病院渋川伊香保分院が開設された。鍼灸、柔道整復、アロマテラピーなども行い、西洋医学と東洋医学を融合して患者に適した治療を提供することをコンセプトとしている。分院の立ち上げに参画していた磐田振一郎医師が、近隣の医療関係者とコミュニケーションをとりたいとのことで当院に来訪。美顔はりの説明をすると興味を持たれた。

磐田医師は2017年4月に帝国ホテル(東京都千代田区)にて関節再生医療専門の「リソークリニック」を開業。ICCO式美顔はりは創傷治癒機転を用いた「皮膚の再生」であり、コンセプトがマッチしていることから、2017年の冬に筆者は磐田医師のクリニックにて美顔はりの提供を始めた。磐田医師が手術などで他の医療機関に出向する隔週の金、土曜日に予約を受けている。初診料3,000円、施術料1回15,000円。施術料の一部は、磐田医師が代表理事を務める臨床組織再生協会で今後ICCO式美顔はりを普及する活動の運営費としている。施術時間は30分である。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2019年2月号」でお読みください。
本誌では、施術手順も詳しく紹介しています。

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