生薬とからだをつなぐ【神麹】
(動画あり)

鈴木達彦 氏

【生薬を含んだ発酵性産物】

神麹は、白麹または小麦粉に赤小豆、杏仁、青蒿の汁(キク科カワラニンジン。抗マラリア治療薬のアルテミシンを含んだクソニンジンとすることもある)、蒼耳の汁(キク科オナモミ)、野蓼の汁(タデ科植物)などを加えて成形し麹菌などにより発酵させたものである。麹に由来するとみられるアミラーゼやリパーゼなどの消化酵素のほか、フェルラ酸が含まれ、滋養、消化作用があるとされている。

ただし、麹を使って複数の生薬とともに発酵させる神麹は、生産する地域によって性質が異なるとされている。そもそも発酵の様相は多様であり、米と麹からつくられる日本酒や、麹と大豆からなる味噌でさえ、つくり手によってあまたの種類がある。神麹は、さらに複数の生薬の成分を含んで発酵させるから、規格化は困難とみられる。

【穀物の発酵と胃気の選択】

麹が穀物から酒をつくることは、古くから知られていた。今日では、麹の消化酵素により、デンプンがアルコールへと変わるので、麹を含む神麹には消化を促進させる作用があると理解される。しかしながら、これだけでは東洋医学的な解釈には不十分であろう。本連載では中国伝統医学が消化の概念に乏しかったことをたびたび述べてきたし(単行本『生薬とからだをつなぐ』201ページ)、消化酵素を利用したいだけなら、麹のほかに複数の生薬を入れる必要性がどこにあるか理解に苦しむ。

一つの理解としては、穀物の精と胃気の関係性であろう。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2019年6月号」でお読みください。


鈴木達彦氏によるセミナーの様子をYouTubeに公開しました。

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