フロッシングバンドを使った膝関節痛へのアプローチ

岩根直矢 氏

Ⅰ.フロッシングとは

フロッシングとは、痛みを感じたり、可動性が制限されている部位に対して、滑りにくいゴムバンドを巻き、その部分を動かすことで、痛みの緩和や可動性の改善、筋緊張の改善、神経伝達速度の改善を目指す施術である。バンドを巻いた状態で行う運動(当該部位へのストレッチと自動運動)を組み合わせることで効果が増大する。また実際に痛みが出現する機能的運動を行うことで、動きのなかで発生する症状を改善できる。バンドを巻いた状態での運動時間は2分間を目安とし、運動後に一気にバンドを外す。

フロッシングの作用機序は、きつく巻いたバンドの縛りを急速に緩めることによる血流の増加や、機械受容器への刺激などがある。

本レポートでは、筋繊維の増加や肥大化ではなく、あくまで異常fascia(=結合組織)が改善されることで、異常fasciaが原因で生じていた機能障害が改善されることを期待して使用している。

Ⅱ.運動連鎖で起こる膝関節痛

股関節の中殿筋・内転筋の筋力低下によって、荷重時に骨盤が外側方にシフトしたり、足部アーチの機能低下によって荷重時に足部が外反位になることで、膝関節が外反したKnee in, Toe outの状況になる。このように正常な骨・関節の配置(アライメント)から逸脱した状態で生活したり、運動を繰り返すことで膝関節に剪断力や圧縮力などのメカニカルストレスが加わり膝痛の原因になる。Knee in, Toe outのアライメント不良は、隣接関節である足関節の可動域制限や股関節の可動域制限・筋力低下が原因で発生する。

フロッシングテクニックでは、痛みの発生部位である膝関節だけでなく隣接関節(足関節や股関節)や隣接部(大腿や下腿)の皮膚や筋膜などのfasciaの状態を評価し、硬くなっている部位や痛みのある部位に対してバンドを巻く。当該関節や影響を与える隣接部の異常fasciaの改善が、異常fasciaによって生じていたメカニカルストレスや膝痛などの問題を改善させる。

 

※つづきは、雑誌「医道の日本2019年7月号」でお読みください。

 

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