TOP

ファシア その存在と知られざる役割

ファシア その存在と知られざる役割

原因不明の痛みや機能不全が、「ファシア」抜きで語れなくなってきた。

「筋膜(myofascia)」と似て非なるものといわれつつ、長い間、解剖学的に「不活性」「不要」とされていた体組織、「ファシア(Fascia)」。2018年の国際疾病分類・第11回改訂版(ICD-11)でこの正式名称を授けられ、医療者や治療家にとどまらず、幅広い層からさらに注目を集めている。このファシアが運動器だけでなく内科・泌尿器科・婦人科・耳鼻咽頭科・眼科・麻酔科などのあらゆる分野で、これまで原因不明とされてきた病態と関係する可能性についても、さらなる研究が進んでいる。

本書ではファシアがどのように医学界で見いだされ、その価値を認められてきたか、長い歴史を掘り起こしながら、現時点で明らかになっているその形態や機能について、全身の連続性というマクロの視点から、細胞レベルというミクロの視点まで横断的にまとめている。そして、世界中で展開されているファシアを対象とした鍼や徒手療法についての解釈を提示し、未来の治療へのヒントを与えてくれる。

日本発のファシアリリース治療「エコーガイド下ファシア・ハイドロリリース」を考案した木村裕明医師と小林只医師らを中心とした一般社団法人日本整形内科学研究会(JNOS)主要メンバーの熟考された監訳と充実の訳注により、ファシアの世界の核から触れられる1冊。
ISBN978-4-7529-1179-1
David Lesondak
監訳小林只
訳者(五十音順) : 浅賀亮哉 今北英高 鵜川浩一 木村裕明 黒沢理人 鈴木茂樹 須田万勢 銭田智恵子 銭田良博 谷掛洋平 並木宏文 渡邉久士
協力一般社団法人日本整形内科学研究会(JNOS) 
仕様B5判 165頁
発行年月2020/2/20
価格4,950円(税込)

目次

第1章 ファシア: 躍動する組織とシステム系
第2章 ファシア: マクロ(テンセグリティー構造)とミクロ(細胞)の関連
第3章 ファシアと解剖学
第4章 ファシアと神経系システム
第5章 ファシアと脳
第6章 ファシアと臓器
第7章 ファシアの病態を評価する
第8章 ファシアを対象とした治療方法

ページサンプル