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【書籍紹介記事】わずかな刺激で驚きの効果!ミステリアスな経筋の魅力に迫る「誰でもできる経筋治療」 

公開日:2025年10月10日

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。

古典に眠っていた治療法の驚きのパワー

  首肩、腰、膝の痛みなど、運動器疾患の多い鍼灸の臨床。 しかし、局所の治療をいろいろ試みても、なかなかすっきり治らないことも。 

そんな悩める治療家に、解決策を提示してくれるかもしれないのがこちら、「誰でもできる経筋治療」です。 

古典の記述と数々の研究をもとに、明らかになった驚きの効果と実際の治療方法を徹底解説した本書についてご紹介していきます。  

こんな人におすすめ

✔️ 運動器疾患にはっきりとした治療効果を出したい人
✔️ 経筋や経絡について理解を深めたい人
✔️ 局所だけでなく手や足の経穴を使って治療の幅を広げたい人

「誰でもできる経筋治療」の概要

 動作時に、つっぱる、ひきつる、痙攣する、痛む等の症状があれば、それは「経筋病」である。安静時痛や夜間痛が特徴の「経脈病」や「臓腑病」と思いこみ、同じ治療をしていてはいないだろうか?「経筋病」であれば、疼痛部分と一致する経筋を特定し、その異常経筋上の末梢にある滎穴または兪穴を皮内鍼でわずか0.5ミリ程度刺鍼するだけで、驚くべき効果が即現れる! 明治鍼灸大学附属病院外来で多くの臨床実績をあげてきた篠原教授が、古典に眠っていた

スタンダードな治療法を紆余曲折を経て探りあて、カンタンかつ確実で効果的な鍼治療として復活。経筋、そして経絡の不思議を楽しめるテクニックを結集!! 

 収納コンテンツ

はじめに
第1章 経筋とは
第2章 経筋治療の実際
第3章 疾患別経筋治療
第4章 証の重層構造と経筋治療の限界
付録1 トリガーポイントと十二経筋
付録2 経筋の変遷〜資料〜
参考・引用文献
あとがきにかえて 

偶然の出合いから始まった経筋研究と驚きの治療効果 ! 

そもそも「経筋」とは何でしょうか。 

著者自身も当初は、経絡の1つという知識はあっても、それが運動器系愁訴とこれほど密接に関連するものであるという認識は持っていなかったといいます。 

しかし、あるとき患者さんの手足の滎穴、兪穴にわずか1本切皮程度の置鍼をしただけで、即効果が現れ、症状が消失してしまったことに驚いた著者。 

「まったくの偶然といっていいものである」と経筋研究の入り口となった症例との出合いを振り返ります。 

さらに、当時行っていた現代的病態把握による鍼治療から東洋医学的な治療を模索するようになったきっかけになった患者さんのある言葉。 

本書の冒頭では、これらが当時の心情なども交えて語られていきます。 

こうして始まる著者の数々の経筋研究の詳細とその驚きの治療効果に、治療家ならば興味を掻き立てられてしまうに違いありません。 

古来、経筋病と考えられて、診断・治療されてきた運動器系愁訴。 しかし、「現在、経筋の概念はカリキュラム上で通りすぎるのみで、その有用性や臨床的価値についてはほとんど知られていない」と著者はいいます。 

本書では、『霊枢』に記述された経筋の概念、流注、経筋病の特徴に触れながら、経筋を応用した鍼灸治療について、わかりやすく解説していきます。 

なかでも注目したいのは、十二経筋の図解です。 

著者自らの臨床経験をもとに、歴代医家の研究成果から経穴名を追加して、理解しやすいように独自に編集。 各経筋の図とともに、流注と病証を載せ、対応する筋肉、代表的な疾患やその具体的な治療方法、選穴がわかるようになっています。 

経筋と経脈のルートの類似しているところ、違うところが明確になり、臨床への活用アイデアが湧いてくる興味深い内容です。 

痛みなどの症状が出ている部位を通過する経筋を特定し、その末梢の手や足の滎穴や兪穴へ非常に軽微な刺激をすることで起こるダイナミックな変化。 

運動器系愁訴の患者さんに向き合う治療家にとって、新たな扉を開いてくれる一冊です。  



実際の経筋治療の診断、治療を詳しく解説 !経筋について知ることで経絡学説の深義が見えてくる

「第2章経筋治療の実際」では、第1章で確認した各経筋の走行ルートをもとにして、異常経筋の選択、決定、治療点の決定、治療方法といった具体的な診断プロセスを解説していきます。 

患者に苦痛を与えることなく、異常経筋及び治療穴を探索する指頭接触負荷試験(FCT:Finger Contact Test)の方法も紹介。 

治療法についても、皮内鍼の使用方法を刺入深度、向きなど具体的に解説していきます。 

さらに「第3章疾患別経筋治療」では、寝違い、頚部痛、肩関節痛、腰痛など臨床で多い疾患について解説。 症例をもとに、病態把握の仕方や治療法、治療穴の選択、その後の治療経過まで詳しく知ることができます 

そして、「第4章証の重層構造と経筋治療〜もし局所治療のみで治らなかったら〜経筋病以外の症状を合併していたケース」は必見。 

「少ししか効果が現れないか、ほとんど効果が得られない場合は、経筋以外の経脈病証、臓腑病証あるいは外感病等の病証が関与している可能性を考慮すべき」という著者。 

冷えや天候、ストレスなどと関連する場合など、鑑別のポイントも解説されています。 経筋について学ぶことで、経絡というものの全体像が見えてくる、鍼灸臨床の核心に迫る読んでおきたい一冊です。 

「誰でもできる経筋治療」まとめ

・古典に眠っていた経筋治療の驚きの効果を明らかに
・臨床で活用できるように診断、治療の方法を具体的に解説
・経筋治療について知ることで経絡全体への理解が深まる

異常のある経筋を特定し、皮内鍼などでわずかに刺入するだけで驚きの効果を発揮する経筋治療。
経絡についての理解を深め、治療の幅を広げてくれる一冊です。
ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。

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