【書籍紹介】医師が患者から学んだ、東西医療臨床で確信した「効く鍼灸」の実際『東洋医学見聞録(上巻)』

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。
目次
教科書どおりにいかない頻出愁訴の壁
肩こり、腰痛、膝痛。来院頻度は高いのに「毎回同じ治療法では通用しない…」そんな経験はありませんか。教科書や講習会で学んだ方法を試しても、「本当にこれで効くのだろうか」と迷う場面もあるはずです。
『東洋医学見聞録(上巻)』は、症状別に見立て、症例、使用穴、選穴理由までを追える形で整理した一冊。西洋医学と東洋医学を併用してきた医師が、臨床で使った手順を症例と根拠付きで記録しています。
今回はそんな本書の魅力をご紹介していきます。
✔️ 再現性ある治療法を身につけたい鍼灸師
✔️ 東洋医学を「臨床の組み立て」として身につけたい医師
✔️ 選穴の理由を言語化し、説明できる臨床力をつけたい学生・若手治療家
「東洋医学見聞録(上巻)」の概要
本シリーズは上巻・中巻・下巻の3冊構成で、上巻は頻出愁訴を中心に東洋医学的な見立てと治療の組み立てを扱います。肩こりや頚部の問題、五十肩、腰痛、膝関節痛を軸に、皮膚疾患、ストレス性の不調、しゃっくり、逆子、アレルギー性鼻炎、気功遍歴まで収録。
症状をただ分類するのではなく、原因の捉え方から症例、使用穴、選穴理由、取穴方法までセットで書かれており、エッセイ風の語り口で読み進めやすいのも特徴です。
収納コンテンツ
序言
第1篇 東洋医学との出合い
第2篇 肩凝りの治療
第3篇 頚椎症の治療(寝違いと鞭打ち症)
第4篇 肩関節疾患の治療(五十肩、肩の捻挫、打撲、スポーツ障害など)
第5篇 腰痛の治療
第6篇 膝関節痛の治療
第7篇 皮膚疾患の治療
第8篇 ストレス性疾患の治療
第9篇 シャックリの治療
第10篇 逆子(異常胎位)の治療
第11篇 アレルギー性鼻炎の治療
第12篇 気功遍歴

「効く」を偶然にしない再現性のための“考え方と手順”
本書が重視するのは、東洋医学の概念を深掘りすることよりも、愁訴に対して「どう治療を組み立てるか」を具体化することです。
単に「この症状ならこの穴」という暗記ではなく、見立てから選穴理由までが言語化され、「この状態をこう捉えるから、この穴を選ぶ」という筋道で読むことができます。
また、筆者は医師として西洋医学の診療を続けながら鍼灸・漢方も併用してきた立場。東洋医学を「信じる、信じない」に寄せず、日々の診療で使えるかどうかという観点から症例を提示しています。東洋医学に慣れていない読者でも、手順として追いやすい構成です。

序論では、「再現性のあるものを記録し、効果が得られなかった方法は捨てた」と明言しています。各テーマで見立てと症例、使用穴と選穴理由が揃うため、「なぜその経穴なのか」「どの順で考えるのか」を再現しやすい。試す前の迷いを減らし、次の治療の一手に繋げやすい点が本書の強みといえるでしょう。
頻出愁訴を症状別の手順で確認
ここでは上巻の中から「腰痛」を例に紹介します。筆者も「成人なら腰痛を経験しない人はいないのでは」と述べるほど、臨床では避けて通れない愁訴です。
本書は、いきなり手技や配穴に触れるのではなく、まず原因の整理から入ります。同じ腰痛でも実証・虚証で仮説が異なり、さらに実証は風寒湿・風湿熱などといった外邪のタイプまで分類。外邪が違えば侵されやすい経絡も変わり、狙う経穴も変わってくるのです。
扱う経穴も常用穴だけに留まらず、交会穴・奇穴・華陀夾脊穴、取穴法まで触れられています。原因ごとに症例が提示され、問診の様子まで追える点もポイントでしょう。

「東洋医学見聞録(上巻)」まとめ
・見立て、症例、使用穴、選穴理由が揃い、再現性を意識して読み進められる
・医師として東西併用してきた視点で、現場での検討に落とし込みやすい
臨床で迷いやすい頻出症状を、
「どう考えて、どう選ぶか」の流れで追えるのが本書の魅力です。
序論で筆者は「本当の師匠は患者さんだ」と述べています。
患者の反応を基準に積み上げられた記録だからこそ、
再現性のある治療法を自分の中で確立したい方にとって、
手に取る価値がある一冊ではないでしょうか。






































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