TOP

筋膜機能障害へのファシャル・マニピュレーション
-Stecco🄬メソッド症例集-

この筋膜アプローチで、世界中の手技療法家が評価・施術の限界突破!

Fascial Manipulation®-Stecco® method(ファシャル・マニピュレーション-ステッコメソッド、 FM®)は、イタリア人理学療法士のLuigi Stecco氏が提唱する新たな生体力学モデルと、それを裏付けるfascia(ファシア)に関する解剖学的・生理学的エビデンスに基づく徒手的治療法であり、世界中の多くの臨床家に支持されています。

FM®は、治療コンセプトにとどまらず、特に既往歴を重視する問診の手順、具体的な評価と治療の方法、治療戦略の立て方までが確立されており、筋骨格系機能障害および内部機能障害を理解し治療するための革新的かつ具体的な道すじを提案しています。

本書は、FM®では初となる症例報告集です。本書を編集したFM®の上級ティーチャーであるJulie Ann Day氏は、世界各国のFM® のティーチャーや、FM®の研修コースに参加した他の治療手技にも精通するセラピストに執筆を依頼して本書を完成させました。

これまでの臨床経験をすべて覆すものではなく、深みを与え活かしてくれる全く新しい切り口であるFM®という視点で、様々な手技療法の専門家による臨床現場での実践症例を豊富な考察と共にまとめています。

全体を俯瞰して患者の体の中で起った深筋膜や浅筋膜の高密度化ないし変性が、筋肉や内部臓器にいかなる機能障害をもたらしているかを探り出し、症状に対する従来のアプローチでは改善が見られなかった症例も、随伴症状とともに一網打尽にしていく思考過程も詳しく解説しています。

すでにFM®を学んだことのある治療家には、大いに参考にしていただくことができるでしょう。本書の前付にはFM®の歴史や理論、実践方法が概説されているため、FM®を学びはじめるきっかけにもおすすめの1冊です!
ISBN978-4-7529-1408-2
Editor(編集)Julie Ann Day
学療法士(PT)、 Azienda ULSS 6 Euganea, Padova, Italy 、 Fascia! Manipulation® シニアティ ー チャ ー、 Fascia! Manipulation協会創設メンバー
Foreword(巻頭言)Luigi Stecco
Stecco®メソッド創始者、 イタリア出身 理学療法士(1973年~)
監訳小川大輔
目白大学保健医療学部理学療法学科 准教授、 一般社団法人日本Fascial Manipulation協会 代表理事 、 Certified Fascia! Manipulation® Teacher、 理学療法士/理学療法学博士
酒井春樹、志村圭太、菅原和侑、田島嘉人、中村雄一、長谷川真人、半田瞳
仕様B5判 並製 184頁
発売年月2023/3/30
価格7,480円(税込)

目次

監訳者のことば
謝辞
寄稿者一覧
巻頭言
序文
用語解説
はじめに

第1章 筋骨格系機能障害
 1. 女性アスリートの腰痛治療
  著:マルコ・ブランチーニ Marco Branchini
 2. 足部から反対側肩部へ広がる機能障害の治療
  著:竹井仁Hitoshi Takei
 3. ストリートファイター、元プロボクサー、ベトナム帰還兵の治療ー複雑な症例
  著:ステファン F.オズワルド Stephen F. Oswald
 4. 若年性関節炎患者における顎関節機能障害の治療
  著:アンジェラ・マッケンジー Angela Mackenzie
 5. このメソッドは魔法だろうか?もちろん魔法ではないー3つの症例報告ー
  著:エラン・マンジェル Eran Mangel

第2章 内部機能障害
 6. 筋骨格系の緊張による代償から内部機能障害に……あるいはその逆?
  著:アンドレア・ハンーニ Andrea Pasini/ロレンツォ・フレスキ Lorenzo Freschi
 7. 自動車事故後の慢性的な頸部痛に対する治療
  著:シェリル・メガロス Cheryl Megalos
 8. プロの音楽家における胸郭出口症候群と反復性運動過多損傷の治療
  著:ティナ・ラーティネンースオパンキ Tiina Lahtinen-Suopanki
 9. 慢性多尿症治療におけるFascial Manipulation for Internal Dysfunction (FMID)
  著:ヤロスロー・チチョムスキー Jaroslaw Ciechomski
 10. 乳頭温存乳房切除術後の部分乳頭虚血性壊死の解消
  著:ナタリー・ブレットラーNatalie Brettler
 11. ベル麻痺の治療
  著:ラリー・スタインベックLarry Steinbeck
 12. ランナーの分娩後尿失禁の管理における内部機能障害に対するFascial Manipulation(FMID)
  著:コリーン・ホワイトフォード Colleen Whiteford

第3章 その他の視点
 13. 機能的ポイントと病理的ポイントを区別する:治療の修正の可能性
  著:ウォーレン.I.ハンマー Warren I. Hammer
 14. 慢性頸部痛患者における3回の治療後の姿勢の変化
  著:ロレンツォ・コペッティ Lorenzo Copetti
 15. 中枢神経系の小児患者に対する治療
  著:ニタ・トルヴァネン Nita Tolvanen

おわりに
索引

ページサンプル

Stecco®メソッド創始者 ルイジ・ステッコ氏を紹介

イタリア出身の理学療法士(1973年~)。
プロトコル通りの運動療法と電気療法で行うリハビリテーションに疑問を持ち、より効果が高い治療方法を模索。様々な徒手療法を学び、その中からヒントを得て、現在のFascial Manipulation®(FM®)法を開発。
1987年以降1990年「Il dolore e le sequenze neuro-miofasciali(英訳:‘Pain and the neuro-myo-fascial sequences’ 疼痛と神経-筋-筋膜配列)」2004年「Fascial Manipulation for Musculoskeletal Pain(筋骨格系疼痛のためのFascial Manipulation)」、2009年「Fascial Manipulation for Musculoskeletal Dysfunctions: Practical Part(筋骨格系機能障害に対するFascial Manipulation:実践編)」を出版。著書は11カ国語に翻訳されている。
解剖学の教授である娘カーラ・ステッコ博士と、リハビリテーション専門医である息子アントニオ・ステッコ博士とともに筋膜の解剖学、組織学、生理学を探求し続け、2008年にFascial Manipulation協会、2016年にFascial Manipulation研究所を設立。資格を持つ講師陣が世界中でFMコースを教えている。