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今、話題のCBDとは?安全性から効果まで解説

公開日:2022年8月9日

欧米を中心に広く知られている「CBD」。本記事では、近年、日本の医療や健康分野でも取り入れられるようになったCBDの、安全性や効果について解説していきます。

今話題のCBDとは

CBDとはCannabidiol /(カンナビジオール)の略称で、ヘンプやカンナビス(大麻)に含まれる天然成分で、身体機能の調節や恒常性維持をつかさどる「エンド・カンナビノイド・システム (ECS) 」をサポートする効能があるとされています。

ECSとは、人間の体内にある生化学的な信号伝達システムで、私たちの生理機能、気分、日常生活に大きな影響を与える睡眠・食欲・疼痛・認知などの調整に欠かせない役割を果たします。
そのようなECSの働きを補う成分として注目されているのがCBDです。

CBDの成分

CBDは、ヘンプやカンナビス(大麻)の茎や種子に100種類以上含まれている「カンナビノイド」という成分のひとつです。「超臨界二酸化炭素抽出 (CO2抽出) 」「アルコール抽出」などの方法で抽出されます。
野菜や果物などと同様に天然由来の成分で、精神作用や中毒性がない自然界のファイトケミカルとして知られています。
ファイトケミカルとは、植物が紫外線や昆虫などの外敵から自身を守るために作り出す、非栄養性の生理活性物質の総称です。抗酸化作用があるため、ヘルスケアに有用とされています。

安全性について

ヘンプやカンナビス(大麻)由来と聞くと、「違法では?」と心配になる人もいるかもしれませんが、日本で正規に取り扱われるCBDオイルは法律でも認められた安全なものです。

日本では、大麻草は麻薬の一種として「大麻取締法」によって所持や摂取が禁じられています。

しかし同法律は「大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)、並びに大麻草の種子及びその製品を除く」と定義しており、ヘンプやカンナビス(大麻)の茎や種子から抽出されるCBDは合法物です。

また、CBDは2017年に世界保健機関(WHO)からも“良好な安全なプロフィールをもち、一般的に良好な忍容性(許容性)がある”“乱用あるいは依存可能性を示唆する作用を示さない”と認められています(出典『カンナビジオール(CBD)事前審査報告書』)。

2018年にはWADA(世界アンチ・ドーピング機構)でもCBDをドーピングリストから除外することが決定されました。これにより、アスリートの間でも急速に使用が広まっています。

CBDとTHCについて

「THC(テトラヒドロカンナビノール)」も「CBD(カンナビジオール)」と同じように、ヘンプやカンナビス(大麻)に含まれるカンナビノイドのうちの1つです。

麻薬成分として問題視され、日本で規制対象になっているのはTHCです。

【CBD(カンナビジオール)】

  • ヘンプやカンナビス(大麻)の茎や種子から抽出される成分
  • セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質に反応する
  • 鎮静化作用がある
  • 精神活性作用はないため、高揚感や多幸感は得られない
  • 中毒性・依存性もなく過剰摂取のリスクが低い

【THC(テトラヒドロカンナビノール)】

  • ヘンプやカンナビス(大麻)の花穂や葉、根から抽出される成分
  • 脳神経に働きかけるため精神を高揚させ、多幸感が溢れるといわれている
  • 中毒性や依存性がある
  • 使用しすぎると認知・記憶障害や幻覚、被害妄想 (パラノイア) がみられることも
  • 日本では麻薬に分類される違法成分

製法によって異なる、3種類のCBD

CBDは、製法の違いによって3つに分けられます。ここでは、それぞれの合法性や安全性を解説します。

フルスペクトラムのCBD

「全範囲」の意味をもつ「フルスペクトラム(full spectrum)」のCBDは、ヘンプやカンナビス(大麻)の成分が全て含まれています

もちろんTHCも含まれていますので、日本ではフルスペクトラムのCBD製品を所持しているだけでも違法です。

ブロードスペクトラムのCBD

「広範囲」の意味をもつ「ブロードスペクトラム(broad spectrum)」は、フルスペクトラムのCBDからTHCが除去されたものです。CBD以外の成分は含まれたままでTHCは取り除かれているので、ブロードスペクトラムのCBDは合法製品です。

 THCを除けば、ヘンプやカンナビス(大麻)には生体にメリットをもたらす成分(カンナビノイド)が幅広く含有されています。

それらを併せて摂取することで相乗効果が発生するとされ、合法でありながら高い効果期待される製品とされています。

アイソレートのCBD

「アイソレート(isolate)」とは、英語で「分離」「隔離」を意味します。その名の通りCBD以外の成分を除去し、CBDのみを抽出する製造方法によるもの。最も純度の高いCBDです。もちろんTHCは含まれておらず、合法製品です。

ドーピングにも該当しないため、アスリートにも広く愛用されています。

アイソレートは、結晶化した高純度粉末であり、パウダー状で無臭なため、経口摂取しやすいのが特徴です。食品やドリンクに混ぜるなど使いやすいです。 

ブロードスペクトラムとアイソレート製品は、日本でも安全かつ合法的に購入できます。

国内と海外の取り扱いの違いについて

日本ではTHCが含まれているものは輸入できません。少しでもTHCが含まれていると違法となるため、国内におけるCBDの生産・流通量はあまり多くありません。

しかし、世界的にはCBDの需要が非常に高まっており、それに伴い、大麻草を品種改良した産業用ヘンプを認可する国も増えてきています。

産業用ヘンプのTHC含有の基準は国によって異なるものの、いずれも0.3以下や0.2以下など低い値です。

CBDは、日本国内でも新たな健康素材として徐々に認知されており、これからブームになることが予想されています。国内には販売専門店や、コーヒーやジュースまたはフードに、種類や濃度が異なるCBCオイルを組み合わせたメニューを提供するCBDカフェも登場しています。

CBDオイルの摂取方法

CBD製品の種類には、オイル・クリーム・サプリメント・歯磨き粉・プロテインなどがあります。ここでは一例として、CBDオイルの摂取方法について説明します。

主な摂取方法

【舌下摂取】

スポイトを使って舌の下におく方法。30秒から90秒舌下でキープしたのち、飲み込みます。

【経口摂取】

ドリンクやフードに入れ、口から飲み込みます。

【経皮吸収】

肌に直接塗って皮膚から吸収する方法。マッサージオイルとしても使用されています。

摂取する際の注意点

CBDオイルの摂取量は明確に定められていません。メーカーが推奨する量から開始するのがよいでしょう

大量に摂取しても中毒症状が現れることはないと研究報告されていますが、CBDは天然成分であるため、効果に個人差があります。眠気を感じやすい方もいますので、メーカーの使用上の注意を読み、まずは少量からはじめて、自分自身の適量を見つけましょう。

自分に合った量を摂取することでより効果を発揮することができるとされています。

CBDアイテムを選ぶ際の注意点

先に紹介したとおり、日本と海外ではTHC含有量の基準が異なり、海外で販売されている商品には、日本では違法となる製品があります。

日本でCBDを輸入するためには、厚生労働省の輸入許可が必要です。国内ショップで正規に販売されている製品は、厚生労働省や関税の審査をクリアしています。

安心して使用するために、信頼できるCBD製品を選ぶように注意する必要があります。

海外・国内での施術シーンでの利用

一足先にCBD製品が流通し始めている海外では、マッサージにCBDオイルを積極的に取り入れる治療院やサロンが増えています。

まだCBDオイル自体の流通量が多くない日本国内でも、その実効果や消費者側からのニーズの高まりに応じて、治療院やサロンの新メニューとして目にするようになってきました。もし見かけた際には、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今、話題のCBDについて、安全性から摂取法までご紹介しました。

日本で正規に販売されて取り扱われているCBD製品は、法律で認められた天然由来成分です。安心してご活用ください。

毎日の健康サポートとして、生活のさまざまなシーンでぜひCBDを試してみてください。

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