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【マメ情報】花粉の飛散状況と日常生活でかんたんにできる花粉症対策〈2024年〉

公開日:2024年3月11日

今年も花粉症の季節がやってきました。来院の患者様のなかには、花粉症に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今年(2024年)の花粉の状況とかんたんにできる花粉症対策をマメ情報としてご紹介します。

軽く読める内容となっていますので、ぜひ患者様とのコミュニケーション(会話)の“ネタ”としてお使いください。

2024年の花粉の飛散状況

日本でもっとも多いのはスギ・ヒノキ花粉症

政府広報オンラインによると、花粉症を引き起こす原因となる花粉は、日本国内ではイネ・ヨモギ・ブタクサなど約60種類ありなかでももっとも多いのがスギとヒノキということです。

花粉の飛散時期は、11月〜12月の初冬期と、1月〜2月の厳冬期の気温によって変わります。初冬期と厳冬期のうち、初冬期の気温が高かった場合には開花が遅れることから、花粉の飛散時期も遅れる傾向にあります。対して初冬期よりも厳冬期の気温が高いと開花が早まるため、飛散時期も早くなるのです。

花粉の飛散量については、前年の夏の気象に影響を受けます。前年夏の気温が高い・日照時間が長い(雨天が少ない)といった場合は花粉の量が増えます。逆に気温が低い、日照時間が短い(雨天が多い)などの比較的涼しい夏であった場合、花粉量は少なくなることがわかっています。

参考:花粉症で悩む皆さま!早めの治療や予防行動を!(政府広報オンライン)

今年の花粉飛散量は例年に比べやや多いと予測

一般社団法人日本気象協会によると、2024年の飛散量は、例年(過去10年の平均)に比べてやや多いとされています。昨年(2023年)の夏は長く猛暑日のため気温が高く日照時間も長かったことから、花粉の量に伴い飛散量も増えると予測されています。特に北海道のシラカバ花粉については、例年に比べ非常に量が多いと想定されています。

ただし、飛散量はやや多いものの、2023年の春と比較すると(前年比)、東北北部と北海道など一部の地域を除きほとんどの地域で減少傾向にあるようです。

2024年のスギ・ヒノキ花粉飛散のピークは、3月上旬から中旬にかけて、10日から1か月近く続く見込みとなっており、ほぼ例年並みのスタートとされています。

飛散量が非常に多いとされている北海道のシラカバ花粉は、4月下旬以降にピークを迎える見込みです。

また、花粉は、雨上がりの日に飛散が非常に多くなる特徴があります。
雨が降ると、空気中の花粉は雨と一緒に地面に落ちるため、一時的に飛散量が少なくなります。しかし、雨が上がると、地面に落ちていた花粉は再び空気中に巻き上げられます。加えて、新たに飛散してきた花粉と合わさり、飛散量が増えるのです。

そのため、花粉症でお悩みの方は、雨上がりの日には特に注意しておくのがいいでしょう。

参考:一般財団法人 日本気象協会

日常生活においてかんたんにできる花粉症対策

政府広報オンラインによると、外出時 / 外から帰ってきたとき / 在宅時の3つのシチュエーションにおいて、それぞれ以下の花粉症対策が効果的だと紹介されています。

いまや国民病といわれるる存在となった花粉症は、花粉に対するアレルギー反応が発生する病気です。まだ花粉症になっていない人も花粉になるべく接しないことは重要なことです。

かんたんに実施できることですので、患者様が快適に治療を受けられるよう、治療院でも実施できるところは取り入れられてはいかがでしょうか。

外出時

外出時はマスクを着用するのが効果的です。マスクを適切に着用するだけでも、花粉を約70%カットしてくれます。効果を最大に得るためにも、しっかりと鼻を覆える、顔にフィットするマスクを選びましょう。素材は布よりも、不織布がより効果的です。

また、花粉が目に入るのを防ぐために、メガネの着用も効果的です。花粉症用のゴーグル状のメガネも存在しますが、通常の視力矯正用メガネでも一定の効果を発揮します。

普段コンタクトレンズを装着している方は、花粉によって結膜炎を引き起こすおそれもあるため、心配な方は花粉の時期だけでもメガネの使用を推奨します。

服装については、花粉が付着しにくい綿・ポリエステルなどの化学繊維素材の衣服を着用するのがおすすめです。ウールはもっとも花粉が付着しやすい素材とされているため、花粉症の方は着用を避けましょう。

外から帰ってきたとき

外出から戻ってきたときは、花粉を室内に入れないために、建物に入る前に衣類を払って花粉を落としてください。

加えて、帰宅したら真っ先に洗顔とうがいをおこないます。洗顔で顔に付着した花粉を、うがいで喉に付着した花粉を洗い落とします。いずれも花粉が誤って体内に入らないよう、丁寧におこないましょう。

鼻うがいも効果的ですが、粘膜を傷つけないよう水道水ではなく、人肌程度に温めた生理食塩水を使うのをおすすめします。

在宅時

室内の換気をおこなう際は、花粉の侵入を防ぐために、窓を全開にせず10センチ程度に留めて開くようにしましょう。この際、レースカーテンをつけておくと、一定の花粉をブロックする効果が期待できます。

ただし、カーテンをつけても花粉の侵入を100%防げるわけではないため、室内はこまめに掃除をおこない、カーテンも定期的に洗濯するようにしてください。


環境省などで花粉症についての情報が提供されています。ぜひご活用いただき花粉の時期を乗り切りましょう。

■スギ花粉症について日常生活でできること(環境省)
https://www.env.go.jp/content/000194676.pdf

■花粉症で悩む皆さま! 早めの治療や予防行動を!(政府広報オンライン)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201102/2.html#thirdSection

■日本気象協会 2024年 春の花粉飛散予測(第2報) (第4報)
https://www.jwa.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/6ef797d5e4d4153712319d8bcc7bf12a.pdf
https://www.jwa.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/19d3d4815abc6d2e189842aece8ca9d5-1.pdf

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