【鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師のための、治療院開業マニュアル】第3回:治療院コンセプトはどう決めた?先輩の声を紹介

卒業し、国家試験に合格した後、治療院勤務のため就活をはじめる方はもちろん、特に30〜40代の方の中には開業を目指す方も多いのではないでしょうか。
医道の日本Onlineは、<鍼灸マッサージ治療院マニュアル>としまして、ゆくゆくは開業を考えている方を対象に、開業に必要な知識を紹介します。
目次
治療院のコンセプト決めはムズかしい?
前回の記事で、開業にはコンセプト作りが大切だとお話をしました。
前回の記事はこちら
【鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師のための、治療院開業マニュアル】第2回:知っているようで知らない?開業するまでに最低限決めておきたいこと
でも「どのように決めていけば良いのか?」難しく、なかなか開業に踏み切れない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コンセプトは、実はそれほど難しいものではなく、自分が開業を考えた「きっかけ」や「思い」をベースに考えていくと良いと思います。
そこで、今回は、先輩たちが実際にどのようにコンセプトを決めたいったのか、実例をご紹介していきます。ぜひ参考にして、自分なりのコンセプトを考えてみてください。
先輩の声「治療院コンセプトはどのように決めましたか?」コンセプトやコンセプト決めの一例をご紹介
コンセプト例①
1人開業1人運営の鍼灸専門治療院です。「痛みへの治療」ではなく、自分が興味ある自律神経の乱れによって起こる諸症状を専門に治療する治療院を目指しました。
コンセプト例②
以前勤務していた治療院の近くの開業だったので、勤務時代から感じていたその地域の患者様の需要と、自分の性別やライフスタイルからターゲットを「働く女性」にしぼりました。
コンセプト例③
鍼灸に対する「古い」「痛い」イメージを変え、美容を入口にして鍼灸の需要をもっと増やしたいと願って開業しました。その主軸をベースに「全身治療」、「オーダーメイド治療」、「痛くない美容鍼」、「丁寧な接遇」など、プラスアルファの特徴を色々と決めていきました。
コンセプト例④
鍼灸整骨院に勤務していましたが決められた僅かな時間内で、画一的な治療をしていることに疑問を感じて、開業するならば一人ひとりにオーダー的な治療をしたいと考えていました。その後、勤務先の鍼灸整骨院の方針と溝が深くなり、独立を決意しました。
コンセプト例⑤
卒業して、現代鍼灸を行う治療院にスタッフとして勤務していましたが、患者としてある鍼灸院に行き、経絡治療と出会ったのが転機となりました。そこからは、自分が開業するなら経絡治療でやっていこうと思うようになりました。勤めていた治療院が、自由にやらせてくれるところではなかったので、「経絡治療をやるなら開業するしかない」 と考えて、コンセプトを「経絡治療」とする治療院の開業に踏み切りました。
コンセプト例⑥
整形外科の勤務経験のみで、鍼灸院や治療院の雰囲気がまったく分かりませんでした。
一般の鍼灸院を知らないことを逆手にとり、コンセプトを「明るく、鍼灸院らしくない治療院」にしました。
また、マッサージは併設せず、HPにも「なんでも治療できます!」ではなく、鍼灸専門の内科的な症状の治療を中心とした鍼灸院とコンセプトをしぼりました。
コンセプト例⑦
「鍼灸」は古いイメージがあり、「鍼灸=接骨院」 というイメージが強いと思うので、そのイメージから離れて、若い人にも魅力を感じてもらえるような治療院づくりを目指しました。院の雰囲気が人の心を左右すると思い、「入りたくなる治療院」「興味を持ってもらえる治療院づくり」というコンセプトはずっと決めていました。
治療院のコンセプトは、自分の「こうしたい」を見つけ、そこから具体的に考えていくと良い
いかがでしょうか。自分の持つ「こうしたい」というイメージをスタートにコンセプトが作られていったことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
まずは、自分の「こうしたい」を見つけ、そこから具体的に考えていくと良いでしょう。
本記事が、コンセプト作りの一助になれば幸いです。ぜひ、自分なりの治療院コンセプトを考えてみてください。

本記事は、弊社出版のはじめての鍼灸マッサージ治療院開業ベーシックマニュアルからの抜粋となります。記事を読んでご興味をもたれた方は、ぜひこちらから書籍をお求めください。