【書籍紹介】脈診のルーツがここにある。戦国時代の名医が築いた脈診の全貌を現代に伝える『現代語訳 脈論口訣』

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。
目次
戦国時代の名医・曲直瀬道三が伝えた、脈診の奥深き世界
日々の施術で脈を診るとき、「なぜこの部位を、この指で、この圧で診るのか」という問いに、自分の言葉で答えられるでしょうか。
経絡治療における脈診の手順は、先人から受け継がれたものです。
しかしその”受け継ぎの起点”がどこにあるのかまで辿れる鍼灸師は、多くないかもしれません。
織田信長・豊富秀吉・徳川家康という三人の天下人から信頼を得た戦国時代の名医、曲直瀬道三。日本医学中興の祖として「医聖」とも称されるこの人物が著した『脈論口訣』こそ、現在の経絡治療で行われている脈診の原点とも言える書物です。
本書『現代語訳 脈論口訣』は、その全5巻を、日本鍼灸研究会代表の経絡治療家・篠原孝市氏が初めて現代語に訳し、臨床に活かしやすいよう校注と解説を付した一冊。
今回はそんな本書の魅力をお伝えします。
✔️ 脈診の理論的な背景を歴史から学び直したい鍼灸師
✔️ 経絡治療の根拠を自分の言葉で語れる臨床力を身につけたい方
✔️ 日本鍼灸の古典に本格的に向き合いたい施術家

「現代語訳 脈論口訣」の概要
本書は、室町〜安土桃山時代に活躍した曲直瀬道三による古典『脈論口訣』の、初の現代語訳版です。
道三は日本における脈診の創始者・大成者とされており、京都に啓迪院という医学校を創建し、多数の門人を育てた人物でもあります。その道三が脈診の全体像を体系的に記した『脈論口訣』は、当時の日本脈学の頂点ともいえる書物として位置づけられています。
訳・校注を担当したのは、経絡治療の系譜に連なる臨床家・篠原孝市氏。単に言葉を置き換えるのではなく、現代の臨床家が読んで使えるようにという視点が、随所に反映されています。
収納コンテンツ
・はしがき
・凡例
・序論
・目録
・第一巻
・第二巻
・第三巻
・第四巻
・第五巻
・解説

原文と現代語訳が向き合う
本書の誌面は、上段に原文の影印、下段に現代語訳と校注・解説を配置した構成になっています。
古典の原文をそのまま読もうとすれば、現代の鍼灸師にとってはかなりの負担がかかります。しかし原文をまったく参照せずに訳文だけを追うのでは、古典から直接学んでいるという実感が薄れてしまう。
本書はその両方を一つの見開きで確認できる構成をとることで、古典と現代をつなぐ橋渡しの役割を果たしています。
重要箇所には篠原氏による校注と解説が加えられているため、「この記述が今の臨床でいう何に当たるのか」という読み替えが自然に行えます。古典に初めて向き合う方でも、解説を手がかりに読み進めることができるでしょう。

脈の基礎から応用まで、5巻に凝縮された知恵
全5巻の構成は、大きく前半と後半に分かれます。
第1〜3巻では、脈診の基礎となる事項が体系的に記されています。七診の法、寸関尺の部位設定、浮沈・遅数といった脈状の分類、気血虚実の見分け方、そして二十四脈の解説など、脈を診るうえで押さえておくべき知識が網羅されています。
現在の経絡治療で当たり前のように行われている脈診の手順が、道三の時代にどのような考え方のもとで体系化されたのかが読み取れます。
第4〜5巻では、より臨床的な内容へと踏み込みます。婦人や小児に対する脈診の扱い、漢方・養生・灸法との関係、そして「医家の必用」と題された医療者の心構えまで収録されています。
道三が脈診からどのような治療体系を組み立てたのか。その思考の流れを追うことで、自分が日々行っている脈診の意味がより鮮明に立ち上がってくるはずです。
「現代語訳 脈論口訣」まとめ
・原文影印と現代語訳、校注を同一誌面で確認できる構成
・脈の基礎から臨床応用、医家の心得まで、5巻分の知恵が一冊に
脈診の技術を磨くことと、その根拠を歴史から辿ることは、別のことではないはずです。
曲直瀬道三が室町の時代に書き記した言葉が、
現代の臨床家のもとに届けられた本書。
ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。




































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