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長期・頻回な施術の場合に償還払いに戻す仕組み 令和3年7月1日以降の施術分から適用開始

公開日:2021年5月6日

厚生労働省は、鍼灸・あん摩マッサージ指圧における長期・頻回な施術の場合、個々の患者ごとに支払方法を変更することについて、Webサイト上に通知を掲載した。令和3年7月1日以降の施術分から適用され、保険者は施術管理者から提出された資料から施術効果を超えた過度・頻回な施術が疑われると判断した場合に、当該患者の施術について償還払いに戻すことが可能となる。

厚生労働省は4月30日、鍼灸・あん摩マッサージ指圧における長期・頻回な施術の場合、個々の患者ごとに支払方法を変更することについて、Webサイト上に以下の通知を掲載した。

●「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費に関する受領委任の取扱いについて」の一部改正について(令和3年4月28日 保発0428第1号)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/20210430_01.pdf
●「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」の一部改正について(令和3年4月28日 保医発0428第1号)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/20210430_06.pdf

本制度は令和3年7月1日以降の施術分から適用され、初療日から2年以上施術を受けていて、かつ直近の2年のうち5カ月以上にわたって月16回以上の施術を受けている患者が対象。
上記条件に該当する場合、まず当該患者と施術管理者に長期・頻回を警告する通知が届く。

施術管理者はこの通知が到着した月の翌月以降に、さらに月16回以上の施術を行う場合、療養費支給申請書を提出する際に「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」を添付する必要がある。
保険者は施術管理者から提出された「1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書」と「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」を確認し、そこで施術効果を超えた過度・頻回な施術が疑われる場合には、施術管理者と患者に対して償還払いに変更する旨を通知する。

なお、当該患者が施術所や保険者を変更していたとしても、変更前の施術所での初療日が基準となり、また月16回以上の施術についても変更前の保険者のものを含めるとされている。

※鍼灸・あん摩マッサージ指圧における長期・頻回な施術への対応については、昨年10月に開催された社会保障審議会(医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会)にて議論された(同審議会の模様については【第22回「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」が開催 】にて紹介)。

【参考リンク】
●厚生労働省Webサイト「療養費の改定等について」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/01.html