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第73回(公社)全日本鍼灸学会学術大会宮城大会レポート

公開日:2024年6月6日

第73回(公社)全日本鍼灸学会学術大会宮城大会が、5月24~26日、仙台国際センターにて開催され、3日間の参加人数は、オンデマンド配信方式を含めて延べ1,519人にのぼった。今大会のテーマに「つながり、通じ、いかす鍼灸 ―多様性の探求と連携医療への展開―」を掲げ、東北地方では3回目の開催となった。本学会会長の若山育郎氏を筆頭に、大会会頭に高山真氏、実行委員長は三瓶真一氏が務めた。

本学会会長の若山育郎氏。今大会が、鍼灸に関する多様性と連携の必要性をさらに広く周知し、それが日本国民に根付いてくることを願っていると想いを綴った若山氏。写真は総会でのひと幕

大会会頭講演、大会副会頭講演、基調講演

大会会頭講演「鍼灸でつながる診療、教育、研究」にて、高山真氏(東北大学大学院医学系研究科 漢方・統合医療学共同研究講座特命教授)が登壇。最先端の東北大学の医療にプラス鍼灸を併用し、臨床効果が認められるものを共有していく、鍼灸における臨床研究、基礎研究を行うために大学での理解を深めることを続けていくと語った。鍼灸のこれからは、人材育成、国際交流、また伝統医学としての役割、一般化や普及することは重要だが、最終的にはひとりひとりの患者に対しての個別化として応用することを強調。医療、看護、福祉など相互理解とその活用の重要性、ケースレポートや論文など学術的なつながりを継続すること、さらに鍼灸の良さを国民に向けて、時代や社会の変遷に合わせた多様なコンテンツでアピールすること。これらを念頭に置くことで鍼灸の今後の発展に寄与できると総括した。

大会副会頭講演「家庭鍼灸医療学と鍼灸院経営」中沢良平氏(一寸法師ハリ治療院院長)では、経営主体と治療主体の違い、治療の本来目的、盛業の条件といった従来の経営理念と治療理念について、また、患者中心の医療、家族志向型のケア、地域包括プライマリ・ケア、人口減少社会における鍼灸医療について講演を行った。 

基調講演「東北の意味と意義」では、浦山きか氏(東北大学史料館・協力研究員)が東北の意味を中国の『礼記』『周易』などの古典を引き合いにし、東北地方の日本医学史における意義を資料から探るとして教鞭を執った。

特別講演

特別講演1「東日本大震災時の多組織・多職種連携に基づく災害保険医療活動」では、今大会の顧問でもある石井正氏(東北大学病院総合地域医療教育支援部教授)が担当し、災害対応の考え方として災害医療救護活動は応用問題の連続であり、すべてをマニュアル化することはそもそも不能である。すべてを想定すると想定外のことに対応できなくなる。マニュアルはあくまで体制確立のための手段、手段を目的化してはいけないと伝えた。続けて応用問題に対応できる体制、基盤を早急に確立することに焦点を絞ることが良いと述べた。

特別講演3「慢性疼痛診療ガイドライン ―最新研究を踏まえた痛み治療のup to date―」でマイクを握った伊藤和憲氏。慢性疼痛に対する鍼灸治療の現状として、慢性痛患者の6割が病院以外で受療し、その中で鍼灸治療を受診している割合は最も高いと報告。鍼灸院に来院している慢性痛患者は多く、療養費の適応も疼痛疾患に限られていること、慢性痛に対する治効機序、評価、効果、対費用効果のエビデンスも確立しつつあるとまとめた。

教育講演、教育セミナー

大会プログラムが組まれた25日の幕開きとなる教育講演1「不妊鍼灸の特別演題入りとこれから」で初陣を飾った三瓶真一氏(三瓶鍼療院院長)。今大会には多職種連携企画「生殖医療における鍼灸の役割(難治性不妊の治療の現状と未来)」といったシンポジウムや実技セミナー「男性不妊に対する鍼灸治療」、ランチョンセミナー「生殖医療から始まる鍼灸の可能性と未来(医師からの信頼を得るために)」など、不妊鍼灸に関するセッションを盛り込んだ内容であることを明らかにした。

教育講演2「理学療法士から見た鍼灸の役割」冨田健一氏(医療法人清生会谷口病院リハビリテーション科理学療法士長)は、鍼灸師と理学療法士の両側の視点で、運動の三要素(個体・環境・課題)、鍼灸のミクロな役割(他職種を知る)、鍼灸のマクロな役割(第一発見者になる)の3点を取り上げて病鍼連携、チームアプローチ、地域包括ケアと進行した。

教育講演3「若い世代の学生をどう理解し、どう付き合うか」本田伊克氏(宮城教育大学教育学研究科高度教職実践専攻長・教授)は、増えているハラスメントの種類や名称を列挙し、現代の学生との向き合い方について、「今の若者は」「Z世代は」など決めつけたような表現を避けるといった具体的な指導法から世代論の難しさを説いた。

教育講演4「認知心理学の観点から考える学習者支援」にて、藤江里衣子氏(藤田医科大学医学部医療コミュニケーション講師)は、教育において学習者が抱える困難にヒントを与えるものとして認知心理学の視点にフォーカスし、記憶のプロセスとその途上で生じ得る躓きや対策を紹介。

教育講演5「多職種にも伝わるカルテの書き方」佐藤健太氏(北海道公立大学法人札幌医科大学総合診療医学講座/南檜山地域医療教育学講座特任助教)は、鍼灸師らしさと読みやすさを両立するためにという副題のもと、高齢患者の抱える問題が多領域にまたがり、病院内外での専門職との連携が求められ、そのために他の職種が読んで理解できるカルテの必要性を唱えた。医師と看護師のカルテの基本から、鍼灸の独自性を反映させるヒントを提言した。

教育講演6「医療機器である鍼灸針について」では、西村直也氏(セイリン株式会社医療・企画推進課係長)が、鍼灸師にとって必需の鍼について、ディスポーザブルの鍼灸鍼が普及した1980年代から紐解き、海外へ拡がった経緯、関連法規やリスクマネジメントに適した書籍を供覧した。

教育講演7「総合診療および膠原病領域に対する鍼灸治療の可能性」増田卓也氏(三井記念病院総合内科)は、鍼灸は安価で重篤な有害事象は皆無であり、問診や身体所見、患者の物語を重視する医学の完成形のひとつであると定義。医学的に説明できない状況(Medically Unexplained Symptoms: MUS)や西洋医学で対処困難な症状にアプローチすることが可能であり、さらに初期の慢性疼痛で鍼灸の治療感受性期が存在するか、医師と鍼灸師の共同した検証を望むとメッセージを贈った。

教育講演8「鍼灸師が知っておくべき漢方診療と漢方薬」有田龍太郎氏(東北大学大学病院統合地域医療教育支援部・漢方内科)は、はじめに近年における漢方薬市場の拡大について、漢方の生産金額が10年間で1.5倍に増えており、医療用としての漢方とドラッグストアで購入できるセルフメディケーションとして使用する漢方の両方で需要が高まっている結果を報告。現代では医学生も漢方を勉強する時代と、その汎用性について言及し、漢方の中でも頻用される大建中湯、抑肝散、芍薬甘草湯などの構成生薬や作用について指南した。              

教育講演9「鍼灸師が知っておくとよいエコーの診方」

①「可視と不可視の交錯、大衆化する医療機器」

小林只氏(弘前大学医学部附属病院総合診療部)

経穴・経絡は知覚できるか。医療機器を使用できるのは誰かと問いかけ、見えるもの、見えないものの扱い方、時代で変わる医療の在り方を題材としてビデオデモンストレーションによる講演が行われた。

②「東洋医学と西洋医学を繋ぐファシアとエコー」

銭田良博氏(一般社団法人日本臨床リカレント教育研究センター(JCREARC)理事長)6981

・教育セミナー「集まれ若手鍼灸研修者!統計解析ハンズオンセミナー EZRを使ってみよう」加用拓己氏(福島県立医科大学会津医療センター附属研究所漢方医学研究室)では、多変量回帰モデルや傾向スコア法といった観察研究で頻用される統計解析を無料の統計ソフトウェアEZRで実行する方法について、事前に最新バージョンのインストールと、架空の解析用データのダウンロードのうえ、実習が行われた。

シンポジウム

・日韓シンポジウム

2023年11月11、12日に韓国ソウルで開催の大韓鍼灸医学設立50周年記念式典及び記念日韓シンポジウムにて発表された「東西医学の統合へルスケア」について、同テーマの発表が行われた。

①“The Western and Korean Medicine Collaborative Treatment Approaches at the Korea National Rehabilitation Center: A Comprehensive Overview and Future Directions”

SON Chi Hyoung (Korean National Rehabilitation Center)

②“Integrative Approach to ERAS-K: Enhanced Recovery after Surgery Program for Spine -KHUHGD”

SEO Byung-Kwan(Kyung Hee University Hospital at Gangdong)

③“Acupuncture Educational in Medical School of Japan and Tohoku University Hospital Coordination with the Regional Acupuncture Clinic”

TAKAYAMA Shin(Tohoku University Graduate School of Medicine)

④“Clinical Acupuncture at the University Hospital of Japan and Clinical Acupuncture Studies at the Graduate School of Medicine”

KANEKO Soichiro(Niigata University of Health and Welfare)

・シンポジウム1多職種連携企画「生殖医療における鍼灸の役割(難治性不妊の治療の現状と未来)」 

①「生殖医療の現状と課題、鍼灸によせる期待」

菅沼亮太氏 (福島県立医科大学附属病院生殖医療センター)

②「不妊カウンセリングの経験と鍼灸への展望」

本田明奈氏(同センター)

・シンポジウム2「診療ガイドラインにおける鍼灸の現状と今後の展望〜専門医学会との連携と専門鍼灸師の育成に向けて 〜」

①「昨今の診療ガイドライン事情―矛盾と課題」

大川祐世氏(森ノ宮医療大学医療技術学部鍼灸学科)

②「頭痛の診療ガイドライン改訂から考える多職種連携に向けた未来」

石山すみれ氏(茨城県立医療大学保健医療学部医科学センター)

③「顔面神経麻痺診療ガイドラインにおける鍼治療の課題と野望」

堀部豪氏(埼玉医科大学東洋医学科)

④「機能性消化管疾患診療ガイドライン―過敏性腸症候群における鍼灸―」

谷口博志氏(東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科)

・シンポジウム3スポーツ委員会報告「若手アスレティックトレーナー・鍼灸師の現状と問題点~臨床・研究の狭間で~」

玉井伸典氏(独立行政法人日本スポーツ振興センター)、川口健太郎氏(呉竹学園東洋医学臨床研究所)、斉藤海氏(西早稲田整形外科)、村越祐介氏(新潟医療福祉大学リハビリテーション学部鍼灸健康学科)、細井聡氏(東京スポーツメディカル専門学校)

・シンポジウム4多職種連携企画「地域医療(在宅医療)」

①「仙台市の在宅重度障碍者を支える連携の仕組み」

遠藤美紀氏(株式会社くりはら介護塾)

②「福島県奥会津地域における在宅医療と鍼灸」

津田恭輔氏(会津医療センター附属研究所漢方医学研究室)

③「長野県伊那市営長谷鍼灸治療所の紹介と多職種連携」

大木島さや香(伊那市役所長谷総合支所市民福祉課保健福祉係技術主査/長谷鍼灸治療所院長)

④「地域診療における漢方治療の役割 在宅医療、高齢者施設診療での漢方薬の活用」

齊藤奈津美氏(東北大学病院漢方内科)

・シンポジウム5経穴委員会主催「教育・臨床・研究の視点からの経穴詳解―三陰交・合谷・百会について―」

①「教育の視点から―鍼灸師教育における気血の位置づけと課題」

仲村正子氏(森ノ宮医療大学医療技術学部鍼灸学科)

②「教育・臨床・研究の視点からの経穴詳解―三陰交・合谷・百会― 臨床家はどうやってツボを取っているのか」

山見宝氏(愛媛県立中央病院漢方内科鍼灸治療室) 

③「陰交、合谷、百会を研究の視点から検討する 臨床試験での対象疾患と刺激方法の現状」

小井土善彦氏(せりえ鍼灸室院長)

・シンポジウム6教育研修部主催「東洋医学教育の多様性―古典教育と電子教材、授業展開と取り組み―」

①「古典教育と電子教材について 正しい伝統医学教育は可能か」

浦山久嗣氏(仙台赤門医療専門学校)

②「東洋医学協会 電子教材(経穴)の運用」

松下美穂氏(森ノ宮医療学園専門学校)

③「古典医学を楽しく学んでもらうために日常のどこにもある東洋医学と経絡経穴」

船水隆広氏(呉竹学園臨床教育研究センターマネージャー)

・シンポジウム7「災害と鍼灸:災害鍼灸への期待、現状、課題」 

①「災害と伝統医学(漢方、鍼灸)歴史と経験から考える課題」

高山真氏((東北大学大学院医学系研究科 漢方・統合医療学共同研究講座 特命教授) 

②「東日本大震災の支援と業団体としてのその後の取り組み」

稲井一吉氏(稲井はり灸院院長)

③「長期的な災害支援から広がる鍼灸の可能性」

森川真二氏(はり灸レンジャー院長)

④「災害鍼灸の課題 JLCDAMによる災害支援窓口一本化の取り組み」

小野直哉氏(日本災害鍼灸マッサージ連絡協議会:JLCDAM)

⑤「被災地で求められるノンテクニカルスキルとテクニカルスキル」

小早川義貴氏(国立病院機構本部DMAT事務局福島復興支援室)

パネルディスカッション

・パネルディスカッション1「ここぞ鍼灸の出番~ダブルライセンス鍼灸師(鍼灸師×医師、理学療法士、看護師、薬剤師)の視点から~」

①「ここぞ鍼灸の出番―ダブルライセンス鍼灸師の視点から―」

冨田健一氏(医療法人清生会谷口病院リハビリテーション科理学療法士長)

②「医はき師 てらぽんとしての活動」

寺澤佳洋氏(口之津病院内科・総合診療科)

③「鍼灸がもっと身近になるために 鍼灸師になった看護師が思うこと」

野村美香氏(はりきゅうSORA院長) 

④「ここぞ鍼灸の出番ダブルライセンス鍼灸師×薬剤師の視点から 漢方薬との併用、または鍼灸優先のポイント」

生出拓郎氏(おいで薬局おいで鍼灸院代表)

・パネルディスカッション2「医師・鍼灸師連携について 今後の医療を見据えて」 

①「鍼灸と精神医療の相互連携 APネットワークの取り組み」

中村元昭氏(昭和大学発達障害医療研究所)

②「熊本赤十字病院での取り組みと病棟内鍼灸師の確立について」

加島雅之氏(熊本赤十字病院総合内科総合内科) 

③「鍼灸の臨床研究における医師と鍼灸師の連携:その意義と課題」

増田卓也氏(三井記念病院総合内科) 

・パネルディスカッション3「未来を変える「評価」の取り方〜学会発表にあと一歩が踏み出せないあなたへ〜」

①「泌尿器科症状に特化した鍼灸院における患者評価の実際」

伊藤千展氏(烏丸いとう鍼灸院院長)

②「鍼灸の臨床研究における評価指標の活用について 腰痛治療における実例を切り口として」

松田えりか氏(筑波大学大学院人間総合科学学術院)

③「治療成果(アウトカム)の評価 アウトカムの性質に着目して」

大川祐世氏(森ノ宮医療大学医療技術学部鍼灸学科)

ワークショップ

・ワークショップ1安全性委員会ワークショップ(臨床情報部主催)「有害事象文献レビューと鍼灸安全対策マニュアルの紹介」

菅原正秋氏(東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科)

福世泰史氏(常葉大学健康プロデュース学部健康鍼灸学科)

宮脇太朗氏(鈴鹿医療科学大学保健衛生学部鍼灸サイエンス学科)

気胸など鍼灸における有害事象の事例や防止策を挙げ、注意喚起を行うとともに、2020年版の鍼灸安全対策ガイドラインを基に作成された鍼灸安全対策マニュアルの刊行について触れた。 

安全性委員会のホームページから鍼灸安全対策ガイドラインのダウンロードが可能と菅原氏。学校には鍼灸の安全について学ぶ科目がないため、カリキュラムを変えていくと示唆した
気胸の発生頻度についてなど会場からの質疑に応答した。左から福世氏と宮脇氏

・ワークショップ2「医療従事者向け鍼灸体験」古川雄一郎氏(仙台赤門医療専門学校)では、セイリン(株)、セネファ(株)といった鍼や灸のメーカーを招き、参加者の痛みや熱さの先入観を取り払うように、実際に体感し、安全性と有効性を確かめた。

セイリン(株)西村氏より個装されたディスポーザブル鍼が配布され、学生らに向けて取り出し方から、持ち方、注意点などをレクチャーした

特別企画コンセンサスミーティング、特別提言

特別企画コンセンサスミーティング「月経前症候群・月経前不快気分障害診断治療管理指針コンセンサスミーティング~鍼灸師の皆様のご意見をお聞かせください」では、武田 卓氏(近畿大学東洋医学研究所)が壇上より、女性ライフサイクルにおけるゆらぎ、月経症候群(PMS)月経前不快気分障害(PMDD)に関する西洋医学的なエビデンスを概説。さらに指針案を提示し、意見交換を求めた。

特別提言「鍼灸教育モデル・コア・カリキュラム―鍼灸学系大学協議会からの発信―」では、現行の「国家試験出題基準」の内容は教科書の項目を大中小に整理したものに過ぎず、実際の教育現場では海図なき航海のごとく進められてきた。本提言では、『鍼灸学系大学教育モデル・コア・カリキュラム』を広く紹介し、参加者とともに今後の鍼灸教育の海図を共有することを目的として各演者よりスピーチが行われた。

鍼灸学系大学協議会の主目的からモデル・コア・カリキュラムの作成に取り組んだ背景について振り返った矢野忠氏(鍼灸学系大学協議会理事長)
座長、演者を兼任した左から河井正隆氏(明治国際医療大学准教授)と坂井友実氏(東京有明医療大学教授)
福田文彦氏(明治東洋医学院専門学校学科長)は、教育の質を保証し、時代に応じた見直しを行うとして、今後の検討事項に5年を目処に改定作業を行う、臨床実習ガイドラインの作成、第三者評価機構の設立などを挙げた

実技セミナー

実技セミナーは2日間で計8題セッティングされ、どのコマも会場内は駆けつけた聴講者でいっぱいになっていた様子。

・実技セミナー1「バランステストによる診察法と治療法 ―診察法の紐解き-」

川嶋睦子氏(ガネーシャ鍼灸院)

・実技セミナー2「呼吸器疾患に対する鍼灸治療」 

前倉知典氏(前倉鍼灸院院長)

・実技セミナー3「長野式」 

村上裕彦氏(鍼灸治療院尚古堂院長)

・実技セミナー4「顔面神経麻痺」 

堀部豪氏(埼玉医科大学東洋医学科)

・実技セミナー5「男性不妊」 

伊佐治景悠氏(SR鍼灸グループ総院長)

中髎刺鍼による精巣血流の変化や鼠径部の鍼通電刺激などを示した後、実技を披露したSR鍼灸グループの辛島充氏。中髎へ刺入する様子

・実技セミナー6「アトピー性皮膚炎に対する鍼灸」 

江川雅人氏(新潟医療福祉大学リハビリテーション学部鍼灸健康学科 教授)

冷えを伴う皮膚炎の特効穴として大椎を提示。第7頚椎棘突起下に取穴し、温灸を行うとした。風門穴、肺兪穴、腎兪穴とともに施灸する刺激法をアドバイスした江川氏

・実技セミナー7「YNSA」 

神谷哲治氏(広胖堂はりきゅう治療院MATAHARI院長) 

・実技セミナー8「操体法と鍼灸」 

小泉直照氏(はり処愈鍼院長) 

報告、市民公開講座

・報告1教育研究部企画「鍼灸師への鍼灸団体に対する意識調査」

鈴木沙有理氏(セイリン(株)医療企画推進課・日理工鍼灸作業部会)

・報告2 JLOM部/辞書用語部/AMED研究班/鍼灸電子カルテ会議合同報告会

①「令和5年度の鍼灸を含む日本の伝統医療を取り巻く国際情勢の概説 鍼灸を医療・文化・知的資源と捉えるために」

小野直哉氏((公財)未来工学研究所特別研究員)

②「ISO/TC249の現状と対応」

新原寿志氏(常葉大学健康プロデュース学部健康鍼灸学科)

木村友昭氏(東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科)

森田智氏(千葉大学医学部附属東洋医学センター墨田漢方研究所)

③「WHO-FIC年次総会TMRG(伝統医学関連グループ)報告

田口太郎氏(九州看護福祉大学鍼灸スポーツ学科)

④全日本鍼灸学会辞書用語部における活動について 鍼灸学用語集のWeb掲載に向けて」

和辻直氏(明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科)

⑤鍼灸電子カルテの標準参照仕様の現況について

山下幸司氏(鈴鹿医療科学大学 医用工学部 医療健康データサイエンス学科)

⑥鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定を目的とした実態踏査第2報―全区に92施設のカルテ状況の把握と検討

村橋昌樹氏(埼玉医科大学東洋医学科)

⑦市民公開講座「おうちで薬膳 心も体も健やかに」

横須賀まな美氏(本草藥膳学院・薬膳料理研究家) 

ポスター発表、企業展示

一般演題として181題のポスター発表が行われ、たくさんの参加者から耳目を集めていた。

また、同会場内には企業展示も催され、鍼、灸、治療器や書籍と計31社が軒を連ねた。

25日の全プログラムが終了後には、同会場の展示棟にて懇親会が盛大に開かれた。杜の都、穏やかな仙台の中で、本大会が行われた期間、この一帯は熱気を帯びていた。

来年の開催地は名古屋を予定している。

尚、大会の様子はアーカイブ配信より視聴可能となっている。

※式典、ポスター発表、ランチョンセミナーなど一部を除く

【配信期間】2024年6月17日〜7月22日 12:00

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