【マメ情報】室内でも要対策!熱中症のおもな症状と予防対策
年々増える熱中症による健康被害。気候変動による真夏日や猛暑日の増加の深刻化により、本年4月から熱中症警戒アラートが一段引き上げられた「熱中症特別警戒アラート」の運用も開始されました。なお、熱中症は屋外だけでなく、室内でも多く発生しています。特に体温調節機能が低下している高齢者や小さなお子様は自宅でも注意が必要です。本記事では、近年深刻化している熱中症の主な症状とその予防策をご紹介します。
気軽に読める内容となっていますので、ぜひ患者様とのコミュニケーション(会話)のトピックとしてお使いください。
目次
熱中症とは?
熱中症とは、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節がうまくいかなくなる状態を指します。高温多湿な環境で長時間過ごすことが主な原因で、特に高齢者や子供、持病のある方は注意が必要です。
初期症状としては、めまいや立ちくらみ、頭痛などがあります。さらに進行すると吐き気や嘔吐、筋肉のけいれんがみられ、最悪の場合、意識を失ったり死に至ることもあります。
予防としては、適切な水分補給や涼しい環境で過ごすことが重要です。特に夏場は定期的に水分を補給し、無理をせず休息を取ることが推奨されます。
また、外出時には帽子をかぶるなどの工夫も有効です。熱中症の危険性を理解し、早めの対策を心がけましょう。
【コラム】暑さ指数
熱中症に注意する際の目安に、「暑さ指数」があります。暑さ指数は気温、湿度、風速、輻射熱を考慮した熱中症予防の指標です。
暑さ指数が25を超えると熱中症のリスクが高まり、28以上で警戒、31以上で重篤な症状の危険が増すといわれています。暑さ指数が高い日は外出を控え、水分補給やエアコンの使用などで熱中症を防ぎましょう。
参考:暑さ指数とは?(環境省)https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
【重症度別】熱中症のおもな症状
全日本病院協会によると、熱中症の症状は重症度によって3つの段階に分けられています。以下は、熱中症の重症度別の主な症状です。
【軽症】
- めまい:立ちくらみやふらつき
- 筋肉痛:筋肉のけいれんや硬直
- 大量の発汗:体が汗でびっしょりになる
【中等症】
- 頭痛:激しい頭痛が続く
- 吐き気:吐き気や嘔吐を伴う
- 虚脱感:強い疲労感や倦怠感
【重症】
- 意識障害:意識がもうろうとする、もしくは失う
- 高体温:体温が40度以上になることも
- けいれん:身体全体がけいれんする
上記のような症状が表れた際は、早めに対処しましょう。たとえ軽症であっても、症状がみられるようであれば、涼しい場所に移動して水分を補給してください。
熱中症は、重大な後遺症が残ることもあります。軽度の症状でも緩和されない場合や中等症以上の症状が表れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
熱中症は予防が大事!いますぐできる熱中症対策
熱中症は予防が重要です。簡単な対策を日常に取り入れて、健康を守りましょう。ここでは、厚生労働省が推奨している熱中症対策についてご紹介します。
すぐにできる熱中症対策
なるべく暑さを避ける
直射日光を避けるため、外出時は日陰を選んで歩きましょう。できれば暑い時間帯の外出を避けることが推奨されます。室内ではエアコンや扇風機を利用し、適度な温度を保ちましょう。
通気性の良い衣服を着用する
通気性の良い素材の衣服を選ぶことで、体温の上昇を防げます。また、ゆったりとした服装を心がけ、汗をかいても乾きやすい素材を選びましょう。帽子やサングラスの着用も有効で、外出時の暑さ対策に役立ちます。
こまめに水分補給をする
定期的に水分を摂取することで、体内の水分バランスを保てます。特に運動や外出時には、少量ずつ頻繁に水分を補給しましょう。スポーツドリンクや塩分を含んだ飲み物も、汗で失われた塩分を補給するのに役立ちます。
特に高齢者、乳幼児も要注意!
熱中症は特に高齢者や乳幼児にとって重大なリスクがあります。室内であっても注意が必要です。
高齢者は体温調節機能が低下しているため、暑さを感じにくく、水分補給を怠りがちです。そのため、定期的な水分補給を心がけましょう。
喉が渇く前に少量ずつ水分を補給し、涼しい環境で過ごすことが推奨されます。また、エアコンや扇風機を積極的に利用し、室内温度を適切に保つようにしてください。
また、乳幼児は体温調節機能が未発達で体温が急上昇しやすいです。そのため、親や周囲の大人が注意深く観察し、こまめに水分を補給してあげる必要があります。直射日光を避け、涼しい場所で遊ばせるようにしましょう。
ベビーカーの中は特に暑くなりやすいので、適宜涼しい場所に移動させてください。
もし、熱中症の人をみかけたら 〜覚えておこう熱中症の応急処置〜
もし熱中症の人をみかけたら、早急に適切な応急処置をおこなうことが大切です。
まず、涼しい場所に移動させましょう。日陰やエアコンの効いた室内が理想的です。次に、衣服を緩めて体を冷やします。首や脇の下、太ももの付け根に冷たいタオルや保冷剤をあてると効果的です。
意識がある場合は、スポーツドリンクや経口補水液を少しずつ飲ませてみましょう。ただし、意識がもうろうとしている場合や飲み込む力がない場合は、無理に飲ませないでください。誤って気道に流れ込むおそれがあります。
意識がない、または重度の症状が見られる場合は、すぐに救急車を呼びます。その間、体温を下げるための処置を続けましょう。救急隊が到着するまで、冷やし続けることが重要です。
これらの応急処置を覚えておくことで、熱中症の症状を最小限に抑えられます。
厚生労働省の熱中症対策サイトでは、資料をダウンロードできます。
■熱中症予防のための情報・資料サイト(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/prevent.html
■熱中症特別警戒アラート・熱中症警戒アラートの発表状況(環境省)
https://www.wbgt.env.go.jp/alert.php
【参考サイト】
■熱中症について(公益社団法人 全日本病院協会)https://www.ajha.or.jp/guide/23.html#:~:text=%E7%86%B1%E4%B8%AD%E7%97%87%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F
■高齢者のための熱中症対策(厚生労働省)
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/pr/heatillness_leaflet_senior_2021.pdf