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デザインから発注まで!鍼灸・整骨院の内装工事で押さえるべきポイントとは

公開日:2022年4月15日

治療院の開院にあたって、悩みの一つになるのが店舗の内装です。

「お客様にとって居心地がいい治療院は?」
「どんなデザインにするべき?」
「工事はどういう業者を選べばいいの?」

漠然としたイメージはあっても、具体的にどこに気をつけて、どんな内装にすればいいかまでは把握していない…という方も少なくないでしょう。

今回は、そのような内装の疑問について、昭和初期から鍼灸・整骨院経営に関する情報を発信してきた医道の日本社がお答えいたします。

この記事を読めば、内装デザイン・レイアウトの検討から工事業者への発注まで、それぞれ抑えておくべきポイントがわかります。治療院の開院を控える方のお役に立てれば幸いです。

鍼灸・整骨院の内装デザインのチェックポイント

まずレイアウトとデザインを決める際に重要なのは「誰が利用するのか」「利用者にどのような気持ちになってほしいか」という視点です。

治療院のお客様は「痛みや不調を抱えた患者様」です。そのため治療院の内装は、お客様が安心して通うことができ、リラックスして施術を受けていただける空間にすることが鉄則です。

お客様は、治療を施す技術者の腕だけで治療院を選ぶわけではありません。店舗の雰囲気も含め、居心地が良く、長く通い続けられそうな治療院を選びます。

安心感、清潔感といった穏やかなイメージを与える内装を心がけましょう。

構造設備基準に気を付けよう

大前提として、治療院は施術所の所在地を所管する保健所が定める構造設備基準に従った物件である必要があります。

基準を満たしていない場合、その店舗には開業許可がおりません。

設備基準の例としては

・施術室は6.6平方メートル以上の部屋であること
・待合室は3.3平方メートル以上の部屋であること
・施術室と待合室は壁やパーテーションで完全に区切られていること
・施術室面積の7分の1以上を外気に開放できること、もしくはこれに代わる換気装置を設置すること
・手指の消毒設備を設けること
・消防防火措置が取られていること

などが挙げられます。
これらの基準は保健所によって異なり、またその基準も度々変更されることがあります。
開業する地域の保健所の指導内容を確認し、基準に沿った内装になるように気を付けましょう。

レイアウトのチェックポイント

具体的なレイアウトを決める際は、治療や書類作業といった業務のしやすさなど、実務的な部分を軸に考えましょう。
例えば、受付にはパソコンや電話などの機器の設置が必須です。そのため、コンセントがない、ケーブルが届かない…といった場所には受付を置くことができません。

お客様の個人情報を取り扱う場所でもあるので、お客様から中が見えないよう配慮する必要もあります。

また、施術室では、ベッドを何台設置する予定か、どこに設置すればスムーズに動けるかなどを考慮して配置を決めましょう。効率的に業務が進められれば、より多くのお客様に対応できるようになります。
他にもカルテやレセプトといった書類はどこに保管すれば便利か、施術に使用する備品はどこに収納するかなど、まずはデザイン性よりも実務の観点を重視して決めるのが良いでしょう。

治療中にお客様にお見せする骨格模型参考書籍などの小物類をどこに置くかなどもあらかじめ決めておくと、いざ開業した後に悩まずに済みます。

デザインのチェックポイント

大体のレイアウトが決まったら、次はデザインです。

目指すべきは先述の通り「お客様が安心・リラックスして施術を受けられる空間」です。来院するお客様の層が決まっている場合は、コンセプトカラーなども合わせて決めるのが良いでしょう。
例えば、女性客のお客様が多ければ女性が好みそうな色や什器を選ぶ、ご年配の方が多い場合は、バリアフリーを意識して奇抜なデザインを避けるなど、お客様に合わせた内装を設計することが大切です。

総じて避けた方がいいのは、オフィスや病院を思わせるような堅苦しさのあるデザインです

よほど空間デザインに詳しい方が設計しない限り、とっつきにくい印象を抱かせるだけでなく、どこか寒々しく居心地の悪い空間になってしまいます。

来院いただいたお客様に長く通い続けてもらうために、

・照明はあたたかみのある色合いや間接照明にする
・什器は角ばった物より丸みのある物を選ぶ
・花や植物などの緑を配置してみる
・壁紙にはモノトーンカラーより暖色を取り入れる

などの工夫を凝らし、より親しみやすく、安心・リラックスできる空間を目指しましょう。

デザインから内装工事発注までの注意点

レイアウト、デザインが決まったらいよいよ内装工事の発注です。
ここでは工事業者を選ぶ際のポイントや、工事費用を安く抑えるためのちょっとしたコツなどをお伝えします。

工事業者選定のポイント

工事業者選びでもっとも重要なポイントは、「治療院の内装に求められるものを理解している業者かどうか」です。
治療院の業務や必要設備を十分理解していない業者に発注してしまうと、実用性の低い内装になってしまう恐れがあります。過去に治療院の工事を手掛けたことがあるかなど、発注前に実績を確認することが大切です。

その上でもう一点重要なポイントは、「自分の希望をきちんと伝える」ということです

開業の準備では他にやることも多く、調べなくてはわからないことなどにも対応する必要があるので、内装を工事業者に丸投げしてしまいたい気持ちになるかもしれません。
しかし、すべてを工事業者任せにした結果、自身がイメージしていたものとかけ離れた内装ができあがり、使用感や雰囲気などに不満を持ったまま営業し続けなくてはいけなくなった…ということが往々にしてあります。

理想の姿やコンセプトなどをしっかりと考え、要望を臆せず伝えることで、よりイメージに近い内装を作ってもらうことができるでしょう。

坪単価の目安と安く抑えるコツ

物件の広さや施工内容によって変動はしますが、工事費用のおおよその目安は1坪あたり25万円〜40万円ほどです。
エアコンなどの古くなった設備を入れ替えたり、内装に強くこだわったりすると、その分費用が増えますので、十分に話し合い見積もりを取るようにしましょう。

見積もり取得の際、実際の物件を工事業者と一緒にチェックをすることも重要です。物件の設備、設置予定の機材・什器の確認などを一緒に行うことで、イメージ通りの施工が可能なのかも確認できますし、それをもとに工事費用の見積もりを出して貰うことで、精度が高く納得感のある見積もりを作ってもらうことができます。

また、見積書について、明細まで細かく出してくれるかも大切です。

あわせて、作業工程表も同じく詳細に記されているか、内容に不明瞭な点はないかなどもきちんと見ておきましょう。これらの内容が曖昧で詳細の提示を嫌がる工事業者は、見えないところで費用を嵩増ししたり、約束した工期を守らなかったりするおそれがあります。十分に注意してください。

工事費用を安く抑えるコツは、居抜き物件を利用することです。以前のテナントが残していった設備などをそのまま利用できれば、費用が抑えられます。

同じように治療院を営んでいた物件があると一番良いですが、そういった物件はなかなか見つからないかもしれません。その場合、企業などの事務所として使用されていた物件も狙い目です。事務所として使われていた物件であれば、天井や壁なども綺麗に残っている可能性が高く、そのまま使える設備が多いためです。

飲食店などのまったく異なる業種の物件だと、キッチンなどの設備の撤去や汚れた天井の張り替えなどでお金がかかってしまい、結果として居抜きではない物件と同じくらいの総費用になってしまいがちです。

引き継いで使用できる設備が多く、内装工事ができるだけ少なく済む物件を見つけることができれば、工事費用を安く抑えられるでしょう。

借りる場合の注意点

購入ではなくテナントとして入居する場合、立地や集客力以外に、テナント自体の設備について入念にチェックする必要があります。

例えば「トイレは無いが、設置工事をしてもらえば大丈夫だろう…」と考えていたところ、そもそも水回りの設備を設けることが難しい物件だった…などは、契約後に発覚しても取り返しがつきません。他にも、エアコンは特殊な物を使っていないか、手洗い場は増やすことができるか、電気の容量はどうか…などなど、注意すべきポイントは多くあります。

テナントを借りるまえに、最低でも一度は現場で工事業者立会いのもと確認を行い、その物件が治療院に適しているかどうか確認してください。

まとめ

この記事では、治療院の内装工事について、デザインから発注までに抑えるべきポイントをご紹介しました。

妥協することなく細かな点までチェックして計画を立てることで、イメージ通りの治療院により近づけるはずです。

また、具体的な計画を早めに思い描いておくことで開業資金の目安も付けられます。やることが多く大変な時期かもしれませんが、将来のためにしっかりと計画を練っておきましょう。