【書籍紹介記事】初心者でも楽しく脈診にチャレンジ!脈を可視化することでめきめき上達「よくわかる経絡治療 脈診ワークブック」

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。
目次
経絡治療を学ぶ上での難関「脈診」
経絡治療をマスターする上で、多くの鍼灸師がハードルだと感じるのが脈診ではないでしょうか。
両方の手首の脈を診ることによって、患者の身体の状態を知ることができる脈診。
初学者はもちろんすでに臨床に出ている鍼灸師でも、自信がないという人は多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのがこちら、「よくわかる経絡治療 脈診ワークブック」です。
あやふやな脈診を「脈図」によって可視化することで、めきめき上達する方法を教えてくれる本書についてご紹介していきます。
✔️ 脈診について学び始めた鍼灸学生
✔️ 臨床の現場に出ているものの脈診に自信が持てない鍼灸師
✔️ グループで脈診を練習したい人
「よくわかる経絡治療 脈診ワークブック」の概要
あやふやな脈診を、データに残してクリアに!
脈の特徴を描き入れる「脈図」を使って、脈を可視化する方法を伝授。ただ指先の感覚を鍛えるだけの脈診でなく、客観的なデータとして蓄積することで幅広い患者に対応できるようになります。さらに、より臨床で生かしやすいように、経絡治療の各証ごとの脈の特徴を解説。祖脈診、六部上位脈診を読み解き、「どうしてそのようなスコアがつくのか」逆説的に学べます。冒頭には脈診の基本も丁寧に説明しているので、初学者でも楽しく脈診にチャレンジできます。
収納コンテンツ
1章 脈診とは
2章 脈診の基本技術
3章 脈図の書き方を知る
4章 祖脈の特徴と組み合わせ
5章 脈状
6章 証と脈図
7章 病と脈の変化
あやふやな脈診を「脈図」使って可視化!

指先の感覚が大切な上に、自分の感覚と人の感覚とのすりあわせが難しい脈診。
そのため指導や共有がしにくいことが、習得の壁になっています。
そこで、脈の特徴を描き入れる「脈図」を使って可視化する、画期的な練習方法を教えてくれるのが本書です。
脈図を描くことで、
・師匠(先輩や講師など)と自分の脈診がどのように違うのか?
・治療前と治療後、脈はどう違うのか?
・前回と今回、脈はどう違うのか?
・患者さんがいつもと違う症状を訴えてきたとき、脈はいつもとどう違うのか?
こうしたことを比較できるようになります。
ただやみくもに指先の感覚を鍛えるのではなく、しっかり理解してデータを積み上げることで、めきめき上達していきます。
また、本書では、そもそも「脈診とは何か」という基本から解説。
「なぜ寸口の脈を見れば全身の状態を知ることができるのか」
「脈診で何がわかるのか」
多くの人が脈診に対して持っている「なぜ?」に、まっすぐに答えてくれるのが本書の魅力です。
「いろんな人の脈を診る レベル★☆☆☆☆ 目標1日3人(週20人以上)」などドリルとして具体的な課題も提示。
脈診をマスターするための新しいアプローチを教えてくれる一冊です。

明るいテイストの紙面と現代の人にもわかりやすい言葉で脈診を解説
難解で、とっつきにくいと思われがちな脈診。
本書では、そうしたイメージを払拭する工夫がいくつもされています。
ほっこりするイラストに、明るいカラー、ノート風に重要ポイントをマーカーで強調。
従来の脈診の教科書とは全く違うテイストになっています。
また、現代の私たちにもわかりやすい言葉で脈診を解説していることも本書の特徴です。
たとえば、
「これを集めれば、則ち浮沈・遅数の四つの他なし」
「病、表裏、陰陽の心にかけて、虚実寒熱を文明にせば、治療の誤りあるべからず。その虚実・寒熱・表裏・陰陽をば浮沈遅数の四を分別するなり」
安土桃山時代の医師、曲直瀬道三の「脈状とは?」に関するこのような記述についても、
「脈状というのは二十四とか三十とかいろいろあるように言いますが、とどのつまりは浮沈・遅数・虚実の組み合わせですよ」
と噛み砕いて教えてくれます。
そのほか、「『なぜ脈を診るのか』と患者さんに聞かれたら?」など、臨床に役立つコラムも充実。
とびっきり優しくてわかりやすい師匠に教えてもらっているような感覚の本書。
脈診にチャレンジしてみよう!という気にさせてくれるおすすめのテキストです。

「よくわかる経絡治療 脈診ワークブック」まとめ
・マスターするまでの道のりを順を追って解説
・脈や鍼灸医学の難しい点もわかりやすい言葉で表現
経絡治療を学ぶ上での難関である脈診を、
「脈図」によって可視化、めきめき上達する方法を教えてくれる本書。
ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。