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理論を学ばずとも、効果が実感できる!DVD「遠絡療法 基礎編」

公開日:2010年9月13日

難治性の高い痛みやしびれの治療で、鍼灸マッサージ師の間でも、かねてから注目を集めていた遠絡療法。創始者・柯尚志先生の監修・出演により、遠絡療法の理論を学ばずとも初級テクニックを試せるDVDができました。肩、腰、肘、膝・踵などの「局所の痛み」をテーマとしており、追試しやすい内容です。遠絡療法とは何か、そしてこのDVDを見て初めてこの治療法を試される方へのアドバイスなどをうかがいました。

――まず、遠絡療法について簡単に教えてください。

 これは私が独自に考案した治療法で、正式名称を「遠道相応穴位経絡療法」といいます。西洋医学・東洋医学を両方学び、双方を修正して組み立てていった結果、できあがったのが遠絡医学であって、その中で体の治療をするために使うのが遠絡療法です。

症状のある局所を治療するのではなく、その原因にアプローチすること。症状を改善するだけではなく、その人のエネルギー、これを生命力ともいいますが、それを高める治療法であることなど、東洋医学の先生に受け入れていただきやすい考え方だと思います。患部の治療に、患部と離れた場所を使うことも、鍼灸の先生にはなじみやすい方法なのではないでしょうか。

――実際の治療法について、教えてください。

 DVDでは肩や腰、肘、膝、踵など5つの部位の痛みを取り上げていますが、実際に治療するのはその痛む箇所ではなく、症例ごとに遠絡療法の理論から導き出された治療ポイントです。それらはみな、手足にあります。DVDでは、どの症例でも痛みを身体の右側と想定していますが、実際の患者さんの痛みが身体の左側であれば、治療する側の手足の左右を逆にすれば問題ありません。同時に2点に手技治療を行うことが多いので、ちょっと変わった光景に見えるかもしれません。

 ――遠絡療法の手技は、どういうものですか?

 遠絡治療では、大きく分けて「深圧」「瀉法」「補法」という手技があります、DVDで取りあげている痛みのパターンはごく一般的なものなので、治療ポイントの位置も、どの手技を使うかも、症例ごとに決まっています。このDVDでは初心者向きに、「深圧」と「瀉法」を使うケースを集めました。

――DVDでは、治療の際、専用の押し棒を使っていらっしゃいますね。

 そうですね。しかし最初の段階では、道具よりもとにかく治療ポイントを正確にとらえること、正しく手技を行うことが大切です。私はいつも、指で押して感覚をつかむことが大事なのだと話しています。初めから押し棒を使ってしまうと、治療ポイントの位置や力加減がわかりません。治療にはある程度時間がかかるため、長い時間指で治療ポイントを押さえているとグラついたり、圧力を一定に保つことができませんが、そんな場合には棒を使った方がいいでしょう。専用棒は私が長年遠絡療法を行ってきて、私なりに使いやすい形に改良を加えたものです。最初は、専用の棒ではなく似たようなものでも代用できます。その場合は先端の丸い、患者様に安全なものを選んでください。専用の棒を使うかどうかは、この治療法に手ごたえを感じ、本格的に勉強を始めてから考えればいいと思います。

――治療ポイントは、どういうふうに決められているのですか。

 遠絡療法では、痛みがある部位に関係しているラインを「疼痛ライン」と呼んでいますが、治療には、その疼痛ラインと関係がある別のラインを使ったほうがいいと、経験的にわかっています。この別のラインを「治療ライン」として使う場合、そのまま利用できる場合と、このライン上にある特定の点に「深圧」を加える必要がある場合とがあるので、治療ポイントが「1カ所」あるいは「2カ所」になるのです。

この治療ラインとポイントは、陰陽・手足、身体の相対関係を考慮して考えたもので、通り道が経絡と似ています。でも、完全に合致はしていないので、経絡とは別物と考えてください。多くの症例について、すでに治療ポイントが計算されているので、このDVDのようにごく一般的な痛みの治療なら、症例ごとにその治療ポイントを正確にとらえれば効果が期待できます。でも、臨床の場で本格的に遠絡療法を使うためには、一から理論を学ぶ必要があります。

――このDVDでは、その理論を学ばなくても、遠絡療法を使って治療ができるのですか。

 はい、今回DVDで紹介した治療を試してみてください。一番初歩的な「局所の痛み」に対する治療内容になっていますが、日頃よく見られる症状に絞ってありますので、遠絡療法という治療の手応えを得られるはずです。痺れや全身症状など遠絡療法の真価を発揮できる治療をするには、多くの理論を理解していただかなくてはできませんが、まずはじめに多くの方に、遠絡療法のエッセンスに触れてほしいと思っています。

遠絡療法は、誰でも正確に治療を導き出させるように数式化した治療法ですが、決してやさしくはありません。しかし、本気で患者さんを治したいと思い、全国からセミナーにご参加くださる先生が大勢いらっしゃいます。遠絡療法は、治療する喜びと患者様の喜びを得ることができる治療法です。このDVDをご覧になった方の中からも、その喜びを得る先生が1人でも多く現れることを祈っています。そして、1人でも多くの患者様が苦しみから救われれば、これほどうれしいことはありません。

柯尚志(コウ ショウシ)
鹿児島大学医学部卒業後、九州大学麻酔科、国立九州がんセンター放射線科に勤務。
福岡市内でクリニック開業後、上海中医薬大学国際鍼灸科研究生、舞の里内科クリニック院長などを経て、2002年に「ペレス銀座クリニック」を東京・銀座に開業。

【関連DVD】

DVD 遠絡療法 基礎編

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