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【書籍紹介記事】鍼灸臨床70年の巨匠・首藤傳明が教える真理と実践のためのアドバイス!「やさしい鍼治療」

公開日:2024年2月21日

医道の日本社では、最新の施術情報や関連知識の収集に努めている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、アスレチックトレーナーや美容関係者・ヨガインストラクターの方などに役立つような書籍・DVDを多数取り扱っています。その中でも特にオススメの人気シリーズや、注目のタイトルなどをご紹介していきます。

これからの鍼灸師に向けて巨匠が示す「答え」

「鍼治療って本当に効くの?」鍼灸師をしていると、そんな問いに出会うことがしばしばあります。

また、「自分の鍼で本当に治せるだろうか」と不安になった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、首藤傳明著「やさしい鍼治療―臨床70年。「効く」への道しるべ」。

鍼治療は本当に効くのか、どうすれば効く治療ができるのか。

巨匠が70年の臨床の中で辿り着いた真理と、それを実践するためのアドバイスが惜しみなく綴られた本書についてご紹介していきます。

こんな人におすすめ

✔️ 鍼灸師として自信を持ちたい人
✔️ 実践的な「効く」治療方法が知りたい人
✔️ 鍼灸医学について深く知りたい人

「やさしい鍼治療」の概要

著者 首藤傳明は、70年という自らの鍼治療の道のりを「曲がり道の連続だった」と記しています。本書は、これから鍼灸師として育っていく人たちが「その努力を貫けるように」と真っ直ぐ進む道標として執筆されました。

-本書による導き-
・鍼灸医学の特徴を知る。
・経脈を理解し「これだ」というものに行き着く。
・東洋医学の五臓を学び、診ることができるようになる。
・四診のポイントとコツを掴み、磨く。
・証立てを行い「効く治療」を組み立てられるようになる。

著者は「治療がアート、芸術」だと例え、毎日の努力と研鑽により上達するものだとし、長年臨床経験を積んだ今も、学び続け、考え続けています。それだけ鍼治療を深く学び経験した著者が、惜しみなくそのノウハウと知識を本書に綴りました。

刺鍼は、治療の目指すところ治療する場所などでその方法は変わります。指先の感覚と、技術で治療箇所に鍼先をぴたりと当てなくてはなりません。その感覚を言語化するのはとても難しいとされていますが、本書では、著者の経験から得られた「感触」をわかりやすい言葉で伝えてくれています。

中級編では、著者が実際に治療した34もの症例を丁寧に紹介しています。西洋医学で難儀した症状が鍼治療でスッキリ治っていく様子や、普通なら繋がらないだろう原因と症状の関係を紐解き、治療に成功した様子、さらには、治療家として患者が寛解した時の著者の患者を見守る温かい視線に触れることができます。

実際の臨床で、このように厳選された症例に細かく触れるには、長い年月を費やさなくてはなりませんが、本書で著者の経験に裏打ちされた治療の詳細を存分に学ぶことができます。

あなたの知識を活かすヒントが満載。学問から実際の治療へ導きます。

 収納コンテンツ

■初級
一、鍼灸医学の特徴
二、経脈
 ・気を感じるのは
 ・経脈の流れ
 ・その次は
 ・経穴 ツボ
 ・気血の生成   
三、五臓 古典鍼灸の内臓
 ・東洋医学に於ける五臓の働き
  (一)肝臓
  (二)心臓
  (三)脾臓
  (四)肺臓
  (五)腎臓
 ・五神とは
 ・心包の働き
四、鍼灸治療の診断
 ・四診
  (一)望診
  (二)聞診
  (三)問診
  (四)切診
五、診察の要点
治療篇
 ・本治法
  (一)肝虚証
  (二)腎虚証
  (三)肺虚証
  (四)脾虚証
 ・局所治療
  (一)問診
  (二)動作
  (三)触診
 ・刺鍼
 ・使用鍼の問題

■中級
一、病因
二、その他の刺鍼法
  (一)秘鍼法
  (二)「名人は左手を使う」刺方
三、症例集 
 [症例1]~[症例34]
鍼灸治療銘々

■上級
■終わりに

鍼灸医学の道を迷わず進むための「道しるべ」

「はり治療はむつかしい、思うように効いてくれない、どうしよう。一生の職業としていいのだろうか。鍼灸治療を始めた頃必ず当たる壁です。どうします、私の話を聞いてみますか。」

そう始まる本書の著者は、臨床歴70年、鍼灸師ならその名を知らぬ人はいない巨匠、首藤傳明先生です。

冒頭の数ページを読んだだけでも、ぐっと引き込まれるその言葉には、70年間真摯に治療に向き合ってきたからこその力があります。

鍼灸医学は最高の治療法の一つ、と確信するに至った著者が、何とかこれを広く伝えたい、と思いを込めて書かれてた本書。

著者が試行錯誤の先に辿り着いた真理が、シンプルな言葉で包み隠さず綴られています。

しかし、決して堅苦しくなく、やさしく語りかけるような文章からは、患者や後進の鍼灸師に常に温かい眼差しを向ける著者の人柄が感じられます。

気、経脈、ツボ、目に見えないものを多く扱う鍼灸医学。

言語化するのが難しいことも、「本当に効くの?」という問いを受ける要因でしょう。

しかし、本書の中で著者は、例えば、

「手首の動脈で全身を診る、五臓六腑の状態を探る、奇想天外に思えます。確かに便利ですが、本当なの、実用性があるの?私の結論、真実です。」

と語ってくれるのです。

70年に渡り臨床に真摯に向き合ってきた著者の確信に満ちた力強い言葉。

これらの言葉は、鍼灸医学の道を行こうとしているものにとって、まさに心強い「道しるべ」といえるでしょう。

巨匠が伝える「効く」治療のすべて

本書で著者は、まず、鍼灸医学の基本である「気」「五臓六腑」などから解説してくれます。

鍼灸師なら誰でも学んだことがある基本ですが、しかし、そこは巨匠・首藤傳明。

シンプルでわかりやすい解説の中に、ハッとさせられる洞察が散りばめられています。

そして驚かされるのは、診断や治療についても、「私はこうしています」というコツが惜しみなく公開されていること。

症例も臨床の場でよく出会うものが多数紹介されており、著者の行う経絡治療に則った治療法、配穴まで包み隠さず書かれています。

日々技術を磨き、学問を深めて、自分自身の力で向き合わなければならない臨床の場。

しかし、「人生と同じです。全く同じものはありません。」と前置きをしつつも、巨匠は「私はこうしています。参考にしてください。」と手を差し伸べてくれるのです。

開業以来の延べ患者数42万人、その症例は、説得力に満ちた非常に貴重なものとなっています。

すべての鍼灸師にとって、常にそばに置いておきたい、お守りのような一冊です。

「やさしい鍼治療」まとめ

・巨匠・首藤傳明が70年の臨床の中で辿り着いた真理が惜しみなく綴られている
・「効く」治療のための実践的なアドバイスが満載
・鍼灸医学の道を進み続けるための勇気がもらえる

70年真摯に治療と向き合い続けた巨匠・首藤傳明が、後に続くものたちに伝える「効く」治療。 駆け出しの鍼灸師はもちろん、経験を積んだ鍼灸師であっても、気づきが得られること間違いありません。 鍼灸医学の道を進み続ける勇気をもらえる必読の一冊です。 ぜひ、お手に取ってみてください。

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