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柔道整復のルーツと歴史

公開日:2024年1月18日
ほねクマところで、柔道整復って、もとは何がルーツなんですか?
博士柔道整復のルーツと歴史はとても古いんだ。日本最古の医書である『医心方』に、打撲や骨折などについて記されているが、直接的には、古武術の中で、攻撃技である「殺法」に対する治療法としての「活法」がベースになったとされているね。
ほねクマ武道がルーツなんですね。じゃあ、柔道整復という名前は、いつからつけられたんですか?
博士柔道整復という名称が使われる前、接骨業を営んでいた多くは、柔術家や柔道家だったんだ。
しかし明治時代、接骨業者は漢方医学の廃止や、営業取締規制が制定されたことによって激減してしまう。これを受けて立ち上がった柔術家たちの接骨業公認運動の必死の努力により、ついに、独立した法律ではないものの、内務省令により接骨術が「柔道整復術」という名称で公認されたんだ。
ほねクマ柔道整復術の歴史はとても長いんですね。
博士そうだね。1970年に初めて単独法として「柔道整復師法」が制定され、その後、その法律が改正され、柔道整復師は国家資格となったんだよ。柔道整復術は長い歴史の中で、様々な人の努力を経て今の形に至ったものと言えるね。
ほねクマなんだか、ドラマチックな話ですね。ますます興味が出てきましたよ!
博士それじゃあ、今回は柔道整復の歴史やルーツを見ていこう。

ドラマチックな柔道整復のルーツや歴史について詳しく解説

本記事では、柔道整復の背景にある古武術の知識、起源と発展にいたるまでを詳しく解説します。

柔道整復は、どのように現在の存在を確立したのか、その歴史とルーツを見ていきましょう。

柔道整復の起源(ルーツ)は古武術

柔道整復の起源は、日本古来の武術にさかのぼります。10世紀末(平安時代中期)に書かれた日本最古の医学書である「医心方」第18巻に、柔道整復のルーツともいえる打撲や骨折などの治療法が詳細に記されています。

現代の柔道整復が大きな影響を受けたのは、戦国時代の武術です。

その時代、武士たちは戦い続けており、身体の損傷を迅速に治す手段が求められました。そこから、身体の痛みを和らげ、怪我を癒すためのさまざまな手技が生まれました。

これらの手技は時代とともに継承され、現代の柔道整復へと発展していったのです。

つまり柔道整復は、古代からの知識と武士たちの経験が融合した、日本固有の治療法といえます。では、柔道整復の歴史を、順を追って詳しく見ていきましょう。

殺法と活法

武術の世界には、人を傷つけることに特化した「殺法」と、負傷した人々を治療する「活法」が存在していました。これらは時代を経ることで、さまざまな形に進化してきます。

「殺法」は対人戦闘の技術として発展し、現代では柔道をはじめとする武道やスポーツ競技として人々に親しまれています。これらの技術は、戦場で生き抜くための手段として生まれ、時間を経てスポーツとしての形を持つに至りました。

一方、「活法」は、傷ついた身体を癒し、生命を保つための技術でした。これは現代の医療技術に継承され、特に接骨業において重要な役割を果たしています。古来の武術から生まれた治療法は、現在でもその知識と技術が活かされているのです。

つまり、柔道整復は、「殺法」と「活法」、この二つの対照的な武術の流れから生まれています。一方は競技として、もう一方は治療として、古来の武術が現代に息づいているのです。

柔道整復の誕生

「柔道整復」という名称が使われるようになる前、接骨業を営んでいた方の多くは、柔術家や柔道家でした。彼らは古くからの知識と技術を駆使し、怪我や病気の人々を治療していました。

しかし、明治維新とともに日本の医療は大きな変革を迎えます。

国は「日本の医療を西洋医療に一本化していく」という方針を掲げ、接骨・漢方・鍼灸・あん摩などの伝統的な治療法に対する規制をおこないました。

結果として、「整骨科医術開業免状」の交付を受けた者だけが接骨業を営業できるようになり、多くの柔術家や柔道家が実質的に廃業に追い込まれたのです。

明治45年、柔道家による接骨業公認運動が開始された。大正期に入ると「柔道接骨術公認期成会」が結成され復活運動を展開した。この運動が実り内務省令により「柔道整復術」という名称で公認され、法的根拠を得ました。

柔道整復師は国家資格に

古くからの伝統技術である柔道整復は、その歴史のなかで何度も形を変えてきました。

特に、法制度の変化により、その存在が国家資格として公に認められるようになった1970年代以降で、大きな転機を迎えます。

1970年、当時の「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師に関する法律」から柔道整復の部分が抜き出され、独立した法律として「柔道整復師法」が成立します。これにより、柔道整復師という職業が正式に社会に認知され、地位が確立されました。

さらなる進化は1988年に訪れます。この年、「柔道整復師法」が改正され、試験や免許の管轄が都道府県知事から厚生大臣へと移行され、1993年に第1回柔道整復師国家試験が実施されました。

この改正により、柔道整復師という資格はより厳格な審査を経て取得する国家資格となり、社会的な信頼性が一層高まったのです。

法改正がもたらした高い専門性と公的信頼性は、柔道整復師という職業に対する人々の認識を大きく変え、その価値を広く知らしめる結果となりました。

実際、世界保健機関(WHO)の公表した報告書内で、「Judo Therapist」という名前で紹介されたこともあります。こうしてスポーツの名称がついた治療法が法律で認められているのは、世界的に見ても珍しい事例です。

まとめ

柔道整復は古武術にルーツを持つ施術法であり、殺法(敵を倒す技術)と活法(人を治す技術)という二面性が特徴です。その後、殺法は武道やスポーツ競技へと発展し、活法は医療として柔道整復へと発展しました。

また、国家資格を必要とする柔道整復師は、専門的な知識と技術によって、さまざまな場所で私たちの生活や健康の質の向上に寄与しています。

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監修

学校法人 花田学園
日本柔道整復専門学校 教務部長 山口 竜彦 先生