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開業準備が重要!整骨院の開業で失敗しないためのポイント

公開日:2022年5月27日

整骨院・接骨院の開業件数は年々増加傾向にあります。
厚生労働省の調査によれば、「柔道整復の施術所」すなわち整骨院・接骨院といった治療院の数は、平成30年度の発表では50,077ヶ所でした。これが令和2年度には50,364ヶ所と、287ヶ所増加しています。
平成22年度の37,997ヶ所と比較すると、この10年間で12,367ヶ所も増加している計算です。

出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/20/dl/kekka3.pdf

開業件数だけでなく廃業・倒産の件数も著しくなっています。治療院数の増加にともなって、同業者間の競争が激しくなっていることが推察できます。
現代の日本では人口の減少の問題があり、さらには新型コロナウイルスの影響も依然として尾を引きます。これらの社会情勢も加わり、競争は激化の一途をたどっているのです。

そのため治療院は開業すれば安泰ではありません。経営を維持していくためには、努力や戦略が必要です。
本記事では整骨院の開業を検討している方に向けて、昭和初期から鍼灸院に関わってきた医道の日本社が、以下の内容についてお伝えします。

・整骨院開業で失敗する原因
・失敗しないためのポイント

経営を安定させ廃業を避けるために、ぜひご参考にしていただければ幸いです。

整骨院の開業で失敗する原因と対策

治療院の失敗、すなわち廃業・倒産に至る経緯はさまざまですが、大まかに4つの原因が挙げられます。あらかじめ失敗の原因を知っておき、対策を練りましょう。

原因① 開業する場所の選択ミス

立地の選択は、集客(集患)に著しい影響を及ぼします。開業する場所によって、来院の顧客層も異なり、集客の有利不利が大きく変わるためです。

単に多くの集患が見込めるかだけでなく、自院の強みに合った顧客層を呼び込める立地か否かを見極めなければなりません。たとえば、高齢の方が多い地域で若年層向けの治療院を開業してしまうと、ターゲットである若い方が思うように集患できません。

逆も然りです。高齢者をターゲットにした治療院なのに、若者で賑わう繁華街の中心や、高齢者には通院の難しい坂の上などに店を構えてしまうと、高齢者の集患が難しくなります。

このように立地の見極めを誤って開業してしまうと、集患がうまくいかず失敗してしまうのです。

そのため、開業先を決める際は、その地域のことをよく理解したうえで場所を選ぶことが大切です。経営のための戦略設計は、場所選びからすでに始まっているといっても過言ではありません。

原因② 来院してほしいお客様像を具体的に描ききれていない

治療院がどのような人をターゲットとしているのか、どういったお客様に利用してほしいのか。これらの具体的なイメージを定めずに、開業に進んでしまうと、集患・経営などのあらゆる面で判断が疎かになり、大きな失敗へとつながります。

たとえば集患のための宣伝は、どのようなお客様に院を知ってもらいたいかによって、打てる策が変わります。ホームページに力を入れるのか、DMを送付するのか、キャンペーンでアピールするのか。

ターゲットが不明瞭なままこれらの策を闇雲に実施しても、得られる効果は多くありません。それどころか、宣伝費用だけがかかってしまい経営を逼迫します。一例として、若年層に向けるのであればホームページでの宣伝は効果的です。

しかし、ご高齢の方にはホームページは馴染みが薄いので、絶大な効果は期待できないでしょう。集患に限らず、あらゆる経営的判断を最適におこなうために、あらかじめ来院してほしいお客様のイメージを具体的に描いておくことが重要です。

原因③ お客様に合ったメニューが用意できていない

非常に極端な例ではありますが、男性の方の来院が多い治療院にマタニティメニューを充実させても、あまり需要がないことは容易に想像がつくと思います。

新規獲得はもちろん、リピーター獲得のためには、自身の院がターゲットとする顧客層に合わせて施術メニューを用意する必要があります。

お客様に合わせたメニューを充実させることで、長く通い続けてもらえる治療院を目指しましょう。

原因④ 経営者の視点を身につけられていない

日々お客様に施術をおこなっていると、目の前にある日常の運営に思考が終始しがちです。しかし、それだけでは治療院というビジネスはうまくいきません。

院の運営のためには、施術者としてだけではなく、経営者としての視点を忘れないことが大切です。

具体的には、売上を伸ばすためには何ができるか収支を振り返ったり、集患のための施策を検討したりといった経営マネジメントが必要です。うまくいったこと、うまくいかなかったこと、それらをきっちりと振り返ったうえで、事業のPDCAを回すことが経営者には求められます。

注釈:PDCAとは、『Plan/計画、Do/実行、Check/測定・評価、Action/対策・改善』のサイクルを繰り返すことで、業務を継続的に改善すること

長く院を運営するためにも、そして従業員を路頭に迷わせないためにも、俯瞰した立場で冷静に経営を見つめる「経営者の視点」を常に持ち続けてください。

失敗しない整骨院の開業準備ポイント

ポイント① 整骨院の強みを把握しておく

自分の整骨院の強みやアピールポイント、得意な分野やターゲットなどをしっかり理解しておくことで、院のブランディングやコンセプト立案が適切におこなえます。

マーケティングの第一歩となり集患にも直結しますので、あらかじめ得手不得手を分析し、強みを生かした運営ができるように用意しておきましょう。

ポイント② 施術の腕を磨く

当然のことのように感じられるとは思いますが、整骨院にとって施術の腕はもっとも重要な要素です。いくらマーケティングがうまくいき、集患に成功したとしても、施術の腕が未熟では固定のお客様はつきません。それどころかクチコミで悪評が広がり、やがては新規の獲得も難しくなるでしょう。

院のファンを増やし、お客様と長くお付き合いをしていくためにも、日々の実直な学習と練習の積み重ねを忘れずにいましょう。

ポイント③ 集患の仕組みづくりをおこなう

施術の腕をみがくことは必須ですが、とはいえ腕のよさだけで自然とお客様が集まることは期待しないのが賢明でしょう。自分たちの強みや腕のよさを継続的に訴えていき、お客様に長く通ってもらえるように集患しましょう。

施術の腕は一流なのに集患ができずに経営が難しくなる、といった事案も珍しくありません。安定した経営のためには、集患の仕組みをしっかりと持っておく必要があります。先述のとおり、ターゲットとする顧客像によってPRの方法は異なります。

ホームページ、SNS、Web広告といったオンラインによる手法から、DMやチラシ配布、看板出稿といったオフラインでの手法までさまざまです。お客様に合った、そして自身の院に合った最適なPR方法を考え、集患の仕組みを作り上げましょう。

医道の日本社からは、院のPR・集患に関わる記事も公開しています。集患方法に興味がある方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。

【2022年最新版】治療院の集客、考え方を徹底解説

【永久保存版】鍼灸・整骨院のチラシ作成・チラシ集客パーフェクトガイド

整骨院開業に役立つ!書籍のご紹介

ここで、整骨院・接骨院などの治療院の開業に役立つ書籍をご紹介いたします。


成功治療院のつくり方 | 編:医道の日本社編集部
https://www.ido-netshopping.com/products/detail.php?product_id=4611

現役で活躍している治療家への取材内容をまとめた、経営のためのノウハウやアイデアを知ることができる、貴重な1冊です。実際に多くの患者を集め支持されている治療院に直接赴き、「治療家」としての視点と「経営者」としての視点の両方からお話を伺いました。

治療院の運営のコツから、スタッフ育成の秘訣、患者さんとのコミュニケーション術まで、治療院を経営するうえでの必要な知識を網羅した内容です。これから整骨院を開業される方にも、すでに開業している方にもおすすめの書籍ですので、ぜひこれからの経営の参考としてお役立てください。

まとめ

整骨院開業で失敗する原因や、失敗しないためのポイントについてご紹介しました。
せっかく開業したからには、長く愛される治療院を目指したいものです。
そのためにも、お客様のニーズに合った治療院となるよう、経営の視点を忘れずに運営していきましょう。

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